良い商品は当たり前、良い人から買いたい。

先日、紙のニュースレターの記事を書きましたが、
（その記事はコチラからどうぞ↓）

今日も打ち合わせから帰ってくると、ポストに以前バスルームのリフォームを検討した時に見積もりを依頼したリフォーム会社さんからニュースレターが届いていました。

こちらのリフォーム会社さんは、うちから徒歩圏内に本社を構える完全地元密着型の会社さん。社長さんはまだ40代前半だそうですが、先代から引き継いだわけではなく自身が30代に開業し、自分一代で地域に認知度のある会社まで成長させています。

ところでこのニュースレターには、毎回
・会社の理念
・事務担当の方の日記
・日常お役立ち情報
（ちなみに今月は火災保険と雨漏り）
などなど、
一切売り込む内容が書かれていないのですが、
それと一緒に、ほぼ毎回売り込むためのチラシが封入されています。

「畳からフローリング、◯◯円」
「バスルーム改装、◯◯円」
「増築、◯◯円」
などなど、よくリフォーム会社で見かける内容です。

ところが、このチラシ。
よく見ると全体的に社長をはじめスタッフほぼ全員の顔写真が散りばめられています。

「こんにちは！代表の◯◯です！」
「お問い合わせのお電話はコチラまで！私が受付させていただきます！」
「私たちがお客様の邸宅を心を込めてリフォームいたします！」
「スタッフ一同、心よりお待ちしております！」

こんなコピーとともに、
超笑顔の社員さん、スタッフさんの写真がいっぱいあるわけです。

この笑顔の写真、どう思いますか？
私はとてもいいな、と思います。

なのでチラシもニュースレターもデザイン的に見ると別にかっこよくないし、洗練されていません。ですが、少なくとも信頼できる1枚に仕上がっていると思います。

大手のリフォーム店で全国に支社がある会社なら、このような笑顔の写真はいらないかもしれません。

だけど、1代の社長が超地域密着型で仕事を取ろうとしているのであれば、「あ、なんだかすごく感じの良い会社だな」とチラシを配布したエリアの方に印象づけることはものすごく大切です。

リフォーム会社なんて、ネットで検索すれば星の数ほどでてきます。

その中で選ばれるために、この地域の中で「リフォームといえばあの会社だよね」と思い出してもらうために、社長も事務の方も職人さんも全員笑顔でチラシに載っているんですね。

チラシには、「5,000人以上のお客様から選ばれた最も多かった5つの理由」が掲載されていましたが、1位は「人柄」、3位が「提案」でした。真実が記載されているとして、この会社は社員全員が一丸となって信頼してもらえるための動きを日頃からしているということなのではないか、と感じています。

今度は全く逆の例を書きます。
以前、とあるセミナー開催を検討している講師の方から告知のホームページやチラシを制作してほしいと相談があった時の話です。

お話を聞くと、この方のご経歴は本当に華々しいもので、過去には上場会社のコンサルを担当したり、自身も会社をいくつか所有していたり、日本だけではなく世界中でビジネスを経験していた方でした。

ところが、ご本人は
「自分の顔写真や経歴は一切載せないでほしい。本名は載せても良いですが、私の商品はとても良いはずだから、そのような自分の紹介はせずともこのセミナーは売れると思っているから」と、ご自身が主催するセミナーなのに頑なにご自身が表に出ることを拒否されてきました。

ターゲットはご自身が現在お住まいになっている近所に住んでいる社会人、セミナーの価格は月額2万円前後。

今は一般の、一市民である方である方が、ご自身の名前だけで、友達や知人以外の多くの方に月2万円のセミナーを売るのはかなり難しい。
お名前だけで受講者が殺到するなんて、ホリエモンこと堀江貴文さんとか、キングコングの西野さんとか、そのレベルの方です。

夜も眠れぬくらい「名前だけで売る方法・・・名前だけで売る方法・・・」と考えましたが、考えているうちに私がノイローゼになってしまいそうだったので、結局、残念ですがこの方の依頼はお断りすることにしました。

多くの競合他社がいる中で
「自分の商品は良いから、何もしなくても売れるはず」
というのは、やっぱりちょっと違うと思ったし、私には「名前だけで売る」引き出しを出すことができなかったからです。

「この人ならこの金額を払ってもお願いしたいな」と思ってもらうために、実際に申し込みがある前から相手に信頼してもらう行動は本当に必要です。
何も、SNSに自撮り写真や動画を毎日UPしてアピールしましょう、と言っているわけではありません。別に無理くり顔を出さなくても良いと思います。

ですが、全ては
「あなたから買いたい」と思ってもらうためです。

良い商品は世の中にいっぱいあります。
その中で選ばれるための方法を、これからも提案していきたいと思います！

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