海外で体験した恐ろしい話

今日は日曜日なので、
ゆるゆるネタをお届けしようと思う。

コロナで色々と規制されていた海外旅行もようやく規制緩和になってきて、私の周りでも各国に出かけている方がチラホラといらっしゃり、

私も3年ぶりにどこかに行きたいなあ〜と密かに企んでいるのですが、

 

今日は私がかつて訪れた
アラブ首長国連邦(ドバイ)で
滞在したホテルで
経験した

恐ろしかった話
を書き留めて

自分への戒め
にしておこうと思います!

そして皆様にも
本当にお気をつけいただきたい
その一心でございます。

 

人生初のドバイ訪問で高層階のホテルに宿泊したんだけど

今から8年前の2014年12月。

その時私はフリーランスになりたてで、会社員の頃とは違う働き方に戸惑いながらも楽しんでいた。

そんでもって
当時付き合いのあった女性の社長さんが

「ドバイに出張に行く」

とある日言っているのを耳にした。

今思えば図々しいのにも程があるだろ、と思うのだけど

「私も連れてってください!!!!!」
ダメ元で頼み込んだところ

「自腹なら来てもいいよ」
と言われたので、念願叶って人生初のドバイに行くことになったのだ。

当時めちゃくちゃビンボーだったので、こちらも同じく人生初、消費者金融で旅費全額をキャッシングした。

お付き合いのあった女性社長の他にも経営者の方が何名かいらっしゃって、

(ほんとに来ても良かったんだろうか・・・)と思いながら、総勢10名ほどの視察旅行に出発した。

 

人生初の借金だったけれど(その後無事繰上げ返済)、同じく初のドバイは本当にええとこだったので、もう一度訪れたいと思っている。

ホテルの16階に宿泊

ドバイには「7つ星」と言われているワケのわからない超高級なホテルがあるが、私たちが宿泊したのはジュメイラビーチにある「Ramada Plaza 」というレジデンス型のホテルだった。

その時期、1泊15,000円以下で宿泊できたと思うんだけど、信じられないほど室内は広かった。

一部屋の中にどでかい応接室1つと、ツインのベッドルームが2つ、広いキッチンが1つ、トイレとバスルームが2つ。

しかも部屋は16階。

このアホほど広い部屋に例の女性社長と2人で泊まることになり、「出張」「視察」と言いながら、私はもう終始テンションが高く滞在中はずっと「うっひょ〜い♪」状態だった。

あの恐ろしい体験をするまでは。

窓が開かない

さて。
そんなこんなでドバイには4泊ほどし、色々と後につながる良い経験をさせてもらったが、ここではその詳細は割愛するとして、いよいよ帰国前の夜になった。

 

帰国便は早朝発で、夕食時に視察ツアーのリーダーの方から、

「朝4時半にホテルのロビーに集合してください」

「遅刻しないでください」

と言われていた。

(ちなみに、このブログのオチは「寝坊して飛行機に乗れませんでした (・ω<)エヘヘ」ではない。)

 

夕食を終えて部屋に着いた後、同室の女性社長が「ベランダで一服する」と言った。

この部屋のどでかい応接室の横には、たたみ1.5畳ほどの広さのサービスバルコニーがあった。

私も帰国前に、16階の高層階からドバイの生暖かい空気を最後に感じでおきたかったので、社長に一緒にくっついてベランダに出ることにした。

 

社長は一服しながら、今後事業を海外に持っていきたいからデザインで協力してほしいとか、自腹でも来てくれてありがとうね、など、旅の締めくくりにふさわしかろう話をしていた。

 

そんなこんなで15分ほどベランダにいたと思う。

一服し終えた社長が
「今からこの視察気付いたことをまとめようかな」とつぶやき、部屋に通じる窓に手をかけた時であった。

 

窓が開かない
のである。

 

社長は「ん??」となり、力を込めて何度も窓をスライドさせようとしたが、窓は全く開く気配がない。

我々二人が、16階のベランダに閉じ込められた瞬間であった。

 

スマホがないと人は無力

「なんで開かないの???」と言いながら窓をガシガシとこじ開けようとする社長であったが、窓は固く閉ざされたままである。

この滞在中、何度かベランダに出て写真を撮影したり、社長は一服のためにベランダに出ていたが、一度もこんなことはなかった。

結局原因がよくわからなかったのだが、どうやらこのホテルの窓は日本の住居の窓とは違い、簡単にロックがかかる仕組みだったようである。

それで、窓を閉めた弾みでロックがかかってしまい、我々はベランダに締め出されてしまったものと推測される。

しかも
「ほんの一服」だけだったので、おっそろしいことに2人ともスマホは部屋に置いたままであった。

 

スマホがないと人間は無力の極みである。

マジでスマホ。

スマホさえあれば人は生きていける。

 

しかも16階である。
地上からだと50メートルくらいの高さだろうか。

↑ちなみにこの写真は、滞在中の朝に同じベランダから撮影した景色である。

この高さで
閉じ込められているワケである。

 

隣の部屋につながる何かも
非常ボタンも
一切何もない。

これ以上ないくらいの
超絶リアル脱出ゲーム
なってしまった。

地上約50mに閉じ込められる

しかしこの状況でも幸いだったのが、この場所が中東のドバイであったこと。

その時確か22時を回っていたと思うが、半袖一枚でも寒くなかった。

これが寒い北国だったら・・・と思うと今でもゾッとする。

 

そしてもう一つ幸いだったのが、一緒にいた例の社長さんが暴れず騒がず、非常に落ち着いていたことだ。

「まあ・・・明日4時半になってさ、ウチらが降りてこなかったらさ、誰か部屋に来てくれるんじゃないかな・・・アハハ」と言いながら、タバコにもう一本火を付けていた。

ここでパニックになると、お互い心身共に(既にかなり疲れていたが)疲弊してしまう。

困った事態に陥った時、落ち着くのが一番であるということを、この時私は学んだ。

 

がしかし、
落ち着いている場合でもない。

例え4時半の集合時間まで閉じ込められて、誰かが部屋を開けてくれたとしても、それはそれで最悪の状況で、一緒にいるメンバーにこれ以上ないほどの迷惑だし、こちらも荷物を全く片付けていない状況である。

しかも、4時半まであと6時間以上ある。

あと6時間もこの狭いベランダにいるのは、やっぱりごめんだ。

窓、突破

閉じ込められてから1時間ほど経った頃、

どーする?
どーする?
どーする?

と思いながらベランダから少し身を乗り出してみると、地上に人が一人、二人歩いているのが見えた。

もうあれだ。

この人たちに
窓を開けてもらうしか
方法はない!!!!!!

この知らない人たちに賭けるしかねえ!

ということに我々は気がついたのだ。

 

私も社長も最大の声で

HELP ME〜〜〜〜!!!!!!!!!

と16階から叫びまくった。

最初は誰も気がついてくれなかった。

しかし諦めず、人であろうと思う「黒い点」が見える度に

HELP ME〜〜〜〜!!!!!!!!!
と叫び続けた。

いや、正確には「Help us」だと思うけれど、この後に及んで文法などマジでどうでもいい。

ルー大柴さんでいいのだ。

とにかく誰でもいい、
窓を開けてもらいたい。

そうやって叫び続けると

そのうち
我々の方に目を向けてくれる人が現れた。

きっと
「あいつら何してんねん?」
と思われていると思う。

しかし
誰になんと思われよーが、
マジでどーでも良かった。

とにかく
とにかく
とにもかくにも
窓を開けてくれ!!!!!!!!!

の一心で
HELP ME!!!!と叫び続けた。

 

そのうち、2〜3人の人が「あいつら困ってんじゃねーか?」みたいな感じで集まってきた。

チャンス到来である。

野球に例えるなら、2アウト(←ピンチ)だけど、ランナー2&3塁で(かつてソフトバンクに所属していた)内川選手が打席に立っている感じだ。

Windowが
Lock!!!!!!

Please open this widow!!!!!!!

Ramada Plazaの!!!!!!!
◯◯◯◯!!!!!!
(↑部屋番号)

プリーーーーーーーズ!!!!!!!
WidowをOpen
してくださーーーーい!!!!!!!!!

とひたすら叫びまくった。

 

今思うとかなり恥ずかしい英語を喋っていたと思うので、今この文章を書いていてもちょっと嫌になってきた。

がしかし、
必死の叫びは
言語の壁を越える。

心から本当に訴えたいことがある時、人類にとって言語は関係ないと痛感する。

そして、この叫びが地上に居た人に理解され、そのうちの2人がこのホテルに向かってダッシュしてくれる様子が見てとれた。

「社長・・・、今の伝わったんですかね・・・?」

「ど、どうだろうね・・・。伝わったと願おう・・・」

など、
若干呑気な会話をしながら15分ほど経った頃、

我々の部屋のドアが突破される音が、窓越しから聞こえたのだ。

そして、制服を着用したホテルのスタッフの方と、恐らく我々の叫びを聞いてくれたであろう方が部屋に飛び込んでくるのが見えた。

そして願ってもいない
ベランダの窓が
ついに開放されたのである。

 

感謝しかない。

私たちは何度も何度もその方々にお礼を述べた。

ホテルの方も、叫びを聞きつけてくれた方も、
「大丈夫??」
「ベランダに出る時は気をつけてね!」
ととても優しく気遣ってくださった。

私たちの叫びを聞いてくださった方は、ホテルに物資を搬入をしている運送業の方のようであった。

スタッフの方も、その運送業の方も、仕事の手を止めて下さって、我々を救出してくださったことに本当に感謝してもしきれない。

 

とても長い永遠の時間のように思えたが、ベランダに締め出されていた時間は実質1時間半ほどだった。

 

部屋に入り(念願の)、スマホを確認すると

「ドバイ最後の夜なので、35階のバーで二次会やってます〜♪」みたいなメッセージが届いていたけれど、

我々はこれ以上ないくらいの二次会を経験してしまい、もう何もする気が起こらなかった。

さらに翌朝4時半に集合である。

とりあえず荷物だけまとめて、もう寝よう・・・。

 

そんなこんなでベランダは無事開放され、翌日何食わぬ涼しい顔をし、無事集合時間にも間に合い、帰国の途についたのである。

今日のまとめですよ

結局その後、その「ベランダ事件」を共にした社長とは疎遠になってしまい、今ではお付き合いもなくなってしまった。

そして私といえば、
とにかく海外に行った時には、これ以上ないくらい鍵を確認するクセがついてしまった。

そもそもベランダに出られる部屋自体もあまりないが、ベランダに出る場合は必ずスマホを握りしめ、鍵の具合を確認している。

手荷物に対してもそうだけど、用心しすぎてもしすぎることは決してない。

パスポートを無くす、有金を全部落とす、何か凶悪な事件や窃盗、事故などに巻き込まれることを思うと、全然大したことない。命もあるし怪我もしていない。

でも16階のベランダで締め出しを食らうのも、結構ツラい。

というか、
もしあの時
16階以上の高層階で
同じ目に遭っていたら?
と想像すると今でも背筋が凍る。

とここまで書きつつ、
今となってはいい思い出、である。

こんな風に、いやもう二度とベランダに締め出されるのはごめんだけど、これからもいい思い出を作っていきたいと思う今日この頃である。

最後になってしまったが、あの時助けてくれたホテルのスタッフさんと道ゆく方には本当に感謝しかない。本当にありがとうございました。

また同じホテルに泊まって、その時は正しい英語で「あの時はありがとうございました」とスマートな会話をしたいと思う。(そしてベランダにはもう二度と出ない)

 

それでは今日はこのへんで。

\お読みいただきありがとうございます/

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