持ち主のお顔が見えるハイセンス&グッドデザインのリサイクルショップの話

その人のセンスとモノへのストーリーが垣間見える現代のリサイクルショップ

先日、表参道ヒルズ西館地下1Fにある“PASS THE BATON”というリサイクルショップに行ってきました。

日本には、家電・洋服・書籍などなど数多くのリサイクルショップがあり、フリマアプリの定着でリサイクル品が身近に手に入りますが、“PASS THE BATON”は少しコンセプトが違うリサイクルショップ。

そのコンセプトとは、持ち主のお顔と氏名、さらにはそのリサイクル品をどこで手に入れて、どういう思いで出品したのかという理由が、それぞれの商品についているタグに書かれている「持ち主のお顔が見える」というもの。

高級品やハイブランド、低価格な品物だけを販売するリサイクルショップとは違い、出品した一人一人の個人のセンスや使っていた人となりが伝わる品物を扱うリサイクルショップです。

私がこの店を訪れようと思ったきっかけは、恐らく日本で最も有名なアートディレクターのお一人、平林奈緒美さんがお持ちだった品物が特集コーナーとして出ているというニュースを聞いたからです。

平林奈緒美さんのことを存じ上げたのは、今から約20年前、まだ平林さんが資生堂にお勤めだった頃だと思いますが、FSP(フリーソールピカデリー)というブランドの化粧品のアートワークを拝見したことがきっかけでした。
それまでの化粧品とは一線を画す斬新すぎるアートワーク。「女の子のための戦闘ギア」「天才的お化粧道具」というコンセプトとのもと、化粧品なのに飛行機・空港・天気予報などをモチーフにした、シンプルでクールなデザイン、一目見て大好きになりました。

それから平林さんのお仕事内容を欠かさずチェックするようになり、平林さんの好きなもの、好みも追いかけるようになりました(ストーカーみたいですが)

そのセンスと才能の塊である平林さんの個人的に集めていた私物が、“PASS THE BATON”に数多く出品されると聞き行ってきたのです。

平林さんは1年間、ロンドンのデザイン事務所にお勤めだった経験がおありで、ロンドンが大好きとのこと。頻繁に通うロンドンの蚤の市の話や、どういう経緯でその品物に出会ったのか、出品されている品物についているタグに丁寧に書かれています。
平林さんはよく“PASS THE BATON”に品物を出品しているそうですが、出品するとすぐに誰かが買っていく、超人気の出品者。自分の好きなものがブレていないという平林さん。ブレないからこそ生まれてくるアートワークには、いつも本当に感動させられます。

私も実際に店頭で見てきましたが、センスとものに対する思いが伝わって来る品物ばかりでした。

リサイクル品の売り方も切り口を変えれば、また違う価値になるかもしれない

店内は、洋服やハンドバック、アクセサリーや帽子などの服飾小物のほか、食器、小型家電などセンスの良い品物で溢れています。海外の品物が多いように見えますが、日本の伝統的な陶器や小物もたくさんあります。
価格は決して安くありませんが、大切に使いたいと思いたくなる品物ばかり。リサイクルショップですが、ここでプレゼントを選びたくなるくらい、素敵な品物がいっぱいあります。

そして、ものが溢れている現代で、お客様に買ってもらうためには、新しいものでも古いものにでもストーリーがあることが大切なんだな、と感じています。
先日読了した、ダイレクト出版の書籍「ストーリーブランド戦略」にも同じようなことが書かれています。

・人々が買うのは最高の商品ではなく、一番わかりやすい商品だ。
・あなたは商品を売っている理由を発信しているか?

という話が書かれている書籍ですが、“PASS THE BATON”に置いてある品物は一つ一つにその思いが詰まっている、もの自体にストーリーがある商品ばかりです。

もし、
年収○円から○円になった社長が読んだ必見の12冊セット、とか
人生に迷いまくった○○○がこの5冊で劇的に人生変わった、次はあなたに読んでほしい、などの
人生変わる書籍専門リサイクルショップなんかがあっても面白いですし、

洋服を扱うリサイクルショップだったら、
この5着さえあれば、どのシーンでも着まわしできる
〜〜に悩んだあなたにぜひ来てほしいスタイリスト一押しのアイテム達
という風に、参考にしたくなるようなセンスやアイデア、ライフスタイルを持った人のコメントがついているお店があったらとても面白い、と思います。

それが著名人ではなくても、仲間内の品物でも、思い入れがあればストーリーは十分に伝わるのではないでしょうか。

私も今では余計なものはできるだけ購入を控えますし、断捨離という言葉もいつも頭の片隅にありますが、自分が好きなものは長く大切に使いたいと思いますし、もし使わなくなれば、自分のストーリーと一緒に誰かに譲りたい、そう思っています。

 

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