阪急電車の広告はどうして叩かれてしまったのかを考えてみた

先日ネットでニュースを見ていたら、我が地元・関西圏を走る私鉄電車、阪急電車内に掲載された中吊り広告が随分と叩かれておりました。

参考 阪急電車の車内広告が大炎上NAVERまとめ

広告のコピーをご紹介しちゃいますと・・・、

「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、
30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、
どっちがいいか。

研究機関 研究者/80代」

とか、

「私たちの目的は、お金を集めることじゃない。
地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ。

外食チェーン 経営者/40代」

など。
80種類ほどこのようなコピーが書かれている広告があるそうな。

これに対して、

「あれは誰が作ってんの?大昔の人?」

「時代の違う感性だな…」

「全部こんな調子だから疲れてる時に見たら普通に吐き気する」

「月30万で低い方なの…?十分じゃね…?
と思ってしまった昔はそんくらいだったんだねえ…」

「時代の違う感性だな…」

「ブラック企業あるある的精神論ポスター
みたいなのを車内広告で出しまくってるの?」

などなどの批判が阪急電鉄に殺到。

広報担当者が「ここまで批判が殺到するとは・・・今後は再発防止に・・・」というお決まりの謝罪コメントが発表されています。

この報道の後に話題になったが、
関東圏の私鉄、西武電鉄の車内広告。

「出勤してえらい!」
「電車に乗ってえらい!」
「いつもがんばってるのみてるよ!」

コウペンちゃん(このペンギンさんのお名前)と一緒に書かれた「応援コピー」に共感の声がたくさん集まっているんだとか。

うーむ。
阪急電車のコピー、一体何が炎上の原因になったのだろうか?

私の率直な感想を申し上げると
ごめん、ちょっと何言ってるかわかんない
(byサンドイッチマン富澤さま)
なのですが。

詰まるところ、
「電車に乗っている人の気持ちを理解しきれないまま広告作っちゃった」のかなと。

今多くの人が「仕事」と「生活」のライフワークバランスを模索しながら、日々それぞれ頑張って生活しているのに、50万でつまんないか、30万で楽しいか、どっちがいいか?」なんて仕事に行く朝の電車の中で尋ねられても、ピンと来ないし、共感できないんじゃなかろうかと。

これがね、もし
自分が大尊敬している方とか、
以前バリバリに働いていた自分のおじいちゃんと会った時に
「お〜、お前、50万円でやりたくない仕事をしているんだったら、30万円でもやりがいのある楽しい仕事をした方が、一度切りの人生、楽しく生きられるとわしゃ思うぞ」と言われたら、
また少し、受け取り方も違うと思いますけれど、

会ったことも見たこともない、さしたる著名人でもない、
どうやって生きてきて、どんな仕事(研究機関っつてるけど)をしていたか、
全くストーリーの見えない、
「研究機関/研究者80代」の方から
いきなり電車の中で
「どっちがいいか?」って
迫られても、

ごめん、ちょっと何言ってるかわかんない
(byサンドイッチマン富澤さま)
になるのではなかろうか。

逆にかわいいペンギンに
「出勤してエライ!」と言われると
「あはは、それはどうも」と
なるのではないだろうか。

と思うのが私が率直に抱いた感想でございます。

でもこの炎上しちゃった広告には学ぶことも多いなと思って、
「何かを語る時、やっぱりストーリーが大切」
なんじゃないか、と感じています。

例えば
さっきの50万30万のコピー。

————————–

「私は40年近くとある研究機関で働いてきました。
お給料は毎月50万。
私の給料だけで家族4人を養い、
不自由のない生活を送ることができたと思っています。

家族の生活は幸せでした。

ただ私自身が幸せだったかと申しますと、
はっきりYESとは申し上げられません。

今、私は80代。
ふと考えることがあります。
例え半分近い30万円のお給料でも
毎日自分が会社に行きたてたまらないような仕事を
やっておけば良かったと。

後悔しても時間は戻ってきません。
だから今このメッセージを見ている
若いあなたへ。

どうか私の年になった時に後悔するのではなく、
「本当に自分が生き生きできる仕事」を
見つけてほしいと思います。

研究機関/研究者80代

————————–
とかね。
(コピーというか、文章になりましたが)

これだと少し印象が変わってくる内容になりますよね。

「これがええねん!これが!
正しいのは俺やねん!」
と押し付けるメッセージを発信する時代は本当に終わり。

共感できる・あなただから買いたい、
と思うようなストーリーのあるメッセージを発信していくことが大切さを、今回の阪急電車の広告から感じています。

それでは今日はこの辺で

\お読みいただきありがとうございます/

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