お客様もクリエイターも一つのチームなんだよ、と思う話

以前、とあるアートディレクターの方からカタログ制作の依頼があった時の話。

大元のお客様の依頼タイミングが遅かったので、ページ制作の一部をお客様の方で制作、残りの商品紹介のページを私と数人のデザイナーで制作することで話がまとまりました。

カタログの仕事が入ると、だいたい入稿締切前の3日間前後は、校正やらの確認でめちゃくちゃバタバタしてしまうのですが、この案件の仕事は、先に書いたように依頼タイミングが遅かったので2割増のバタバタ具合。

それに加え、お客様はデータ共有ツールの神であるDropBoxの使い方もよく理解しておらず、度々電話で説明したりと、本来の制作以外でも少々時間を割かれる案件でした。

さて、そんなバタバタを乗り切り何とか全原稿を入稿締切日に間に合わせた翌日。
印刷を担当してくれる業者さんから、依頼主のアートディレクターと私宛てに1通のメールが届きました。

開いてみると、
「このページ、仕上がりに不備が出る可能性があるかもしれませんが、直しますか?」とのこと。
印刷業者さんが指摘してきたページは、お客様側で制作したページだったのですが、最終入稿用データは私の手元に届いていたので、すかさずそのページだけ直して入稿する旨を印刷業者さんに返信しようとしたところ、アートディクターから素早く返信が届きました。

「直しません。
ニシさんも直さなくていいです。
責任をきっちり分けたいのでお客側のデータは一切いじりません。
そのまま進んでください。
不備が出てもうちは責任を負わないと言います。」

これを読んだ時、率直に
(なんちゅう突き放し方やねん、
ちょっとくらい直してやったらええのに・・・
依頼ギリギリやから腹立ってんのか?)
と思ってしまった私。

お客様はデザインやデータ作成のエキスパートではない方が多いです。
デザインはアプリケーションの操作ができればある程度形になりますが、ここで足りない部分をカバーするのも、デザイナーやクリエイターの務めなのではないかと思うし、私は少なくとも「有益になり、美しく仕上げること」にベクトルを向けて、それに対するサポートは惜しみなく力をお貸ししたいと思っています。

お客様に協力してほしいことや、制作面、報酬の線引きはきちんとするべきなのも大切ですが、
「そこの部分のお金はもらっていないから」
「それはお客さんの責任だから」
と突き放すのも何だか少し寂しい・・・。

何でもかんでも引き受けてしまうのはもちろんNGですが、
お客様も私たちデザイナーも一つのチームとしてモノを作っていく、そんな風に思ってくれるお客様やライターさん、カメラマンさんなどのクリエイターと一緒に仕事をしていいもの・売上が上がるものを作っていきたい。

それでこそ初めて作られた制作物が意味を成すことに繋がるんちゃうかな。
会社の人も「あ〜作らなきゃ」としょうがなく思っている(結果クリエイターに相談するのが先延ばしになる)
クリエイター側も「あー。やってらんない、ここからはもう対応しない!」と思っちゃう。
これではせっかく出来上がってもいいものに変わることはないとこの頃つくづく思っています。

そんなことをふと思い出した秋深まる今日この頃です。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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