「いい商品をつくるためには、まずちゃんと生活する」ことの話

お正月中に読んだ何冊かの本のうち、今日はこちらの本をご紹介したいと思います^_^

それはコチラ。

くらたまなぶ著
“リクルート「創刊男」の大ヒット発想術」です。

こちらは2006年に初版された書籍ですが、昨年2019年に電子書籍(キンドル)版として再登場。

お馴染みのリクルートの情報誌
フロム・エー、エイビーロード、ハウジング、じゃらん、とらばーゆなど計14種類を創刊し、「創刊男」と呼ばれたくらたまなぶ氏のその発想法や視点が書かれた一冊です。

元の書籍が2006年出版なので、所謂「徹夜・病気自慢」など、現代では違和感を感じるくだりもありますが、それを差し置いても、

いやー、
この本むっちゃ刺さるで・・・。

何が刺さるかって、

難しいマーケティング用語は一切使っていないのに、「詰まるところゼロからヒットする商品を生むためには、こういうコトが必要なんとちゃう?」という視点の持ち方などを、ご自身の体験・14冊もの創刊経験から語っていて、その独特な言い回しがめちゃくちゃ面白い・・・。

こういう切り口でマーケティングを語れる&実績を持つ人、ものすごくかっこいい!と感じる一冊ですので、何かの企画を立ち上げたい人、マーケティングって言葉難しい・・・と感じる人にはぜひぜひお読みいただきたいです。(もちろん、くらたさんご本人はマーケティングの書籍をめちゃくちゃ読んでますが)

いい商品をつくるためには、商品のことを考えてはダメ

本書は1章〜8章で構成されていますが、まず第1章の切り口がコレ→

「いい商品をつくるためには、商品のことを考えるな」です。

相手をよく知り、自分を知ることで、おのずといい商品ができるということ。

このお正月に年賀状を出された方も多くいると思いますが、本書でも商品を年賀状に例えた話が書かれています。

「徹夜してつくったんだ」
「こんなに苦労してつくったんだから」
「いいものに決まってるじゃないか!」
なんてこちらの勝手な都合。

さらに言うと、
自分がつくったんだから
自分が商品を一番よく知っているというのも大錯覚。

自分の商品について本当に知らなければならないのは、それが世間にどう受け止められているかっていうことであり、そのためには一番知らなくてはいけないのは「相手」のこと。

買った人は数ある商品の中からなぜそれを選んだのか?買わなかった人は知らなかったからなのか?見たことがないからか?あるいは知っているからこそ嫌なのか?それなら何故嫌なのか?

相手視点で考え始めると、相手について知っておかなければならない「?」が山ほど湧いてきます。
だからこそ普段からそれを把握しておくことが、まずは大事だと本書でくらたさんは語ります。

そして、普段からそれを把握する方法として細かい説明は色々あれど、まずは一番大切な結論だけを先に述べています。

受け手のプロになるために、個人としてちゃんと生活すること

ヒントやネタは普段の生活の中にある
と結論づけるくらたさん。

だから個人としてちゃんと生活すること。
寝て、起きて、食べて、飲んで、働く、遊ぶ。

先ほどご紹介した例え話の年賀状も、新商品も、新規事業も考える側は全て「送り手」。

「顧客満足」「カスタマー・サティスファクション」「プロダクト・アウトからマーケット・インへ」・・・。誰でもどこでも既に語られているこの整理されたキレイな言葉を聞くだけで、なーんとなく分かった気になってしまいますが、では実際に、具体的にどうすればいいのか?

それは自分がまず「受け手」になること。
なるというより、やる。

なのでちゃんと生活することが大事だよ、と本書では書かれています。

ちゃんと寝る。
寝る時に使うまくら、シーツ、ベッドカバー、ベッド、お布団。

それはいつどこでいくらで買ったのか?奥様が購入しているのなら、彼女はどこでいくらで買ったのか?買った理由は?

こんなことを日頃から考えるクセを習慣づけることが、いい商品を生み出す発想につながるんですね。

大切なのは何を買いたいか?をちゃんと明確にすること。
もし奥様が代わりに購入しても使うのは自分。

ちゃんと受け手を務めることが大事で、買い物を無意識に行うのではなく、判断基準や決定した理由を明確にすること、そしてそれに責任を持つこと。

そうした習慣を身につけていくことで、新しい「なぜだろう?」が生まれていきます。
どんなものを自分で買っていたのか?奥様に任せてきたのか?その理由は・・・?

こうして新しく生まれた設問を考えていくうちに受け手のプロになり、さらに「なぜだろう?」の設問が生まれていく。

こうした地に足をつけた生活が、きらめく才能よりも大切で、また「いい生活」を送っている人の感覚、つまり買った受けた商品・サービスへ抱いた感情に忠実である人と付き合い、自分もそのような人になることが、めちゃくちゃ大切なんですね。

生まれて初めてにチャレンジする

生まれて初めてにチャレンジすることは、自分から最も遠いテーマに挑戦するということ。
そしてその際には、
・資料をいっぱい読む、読みまくる
・人に聞きまくる
・とにかく実践する
以上3点の作業に没頭することをくらたさんは勧めています。

こういう作業を繰り返していくと、使っていない脳みその部分が拡張されていきますが、これが起業や新規事業・新商品を立ち上げる時に俄然役に立つんですね。

これも「ちゃんと生活」することの上に成り立っている作業。

何となく、無意識に、ではなく「受け手のプロ」として生活することの大切さにつながっていきます。

つきあう「相手」を普段から多種多様にしておく

「好きな人」としか仕事をしない、とよく言われますが、本書はかなり別の視点での人との付き合い方が書かれています。

自分の中には「知っている人」と「知らない人」の2種類しかいません。そして「知っている人」は「好きな人=得意」と「嫌いな人=ニガテ」に分かれます。

「好きな人」は自分と感覚や経験・得た知識が似ています。
そうではなく、してきた体験の違い、様々な感情の種類、持っている情報が遠い人と接触することから得られる新しい気づきがめちゃくちゃ大事ということ。

「絶対コレはいけますよ!」と絶賛してくれた人が、自分の「好き=得意な人」だった場合、その人の頭のプロファイルも全員自分と似た感覚の方が多いんですね。

「受け手のプロ」として様々な感覚を持つためにも、自分と環境が違う人と付き合うことが大切だと本書では語られています。

例えば会社に勤めているならフリーランスの人と、年齢が自分と5歳〜10歳離れている人と付き合ってみるということですね。

ちなみに、私も5歳〜10歳以上離れた知り合いがいますが、(私の場合だと上は50代、下は20代)この人たちとお話ししていると、得意かニガテかは別にして、話が面白いし色んな発見があります。

聴いている音楽や、スマホで普段していること、恋愛や家庭、お友達へ考え方、好きな食べ物などなど、「え!?そうなのか」と思う発見がいっぱい。

(特に音楽の発見は超いっぱいありますのでいつも勉強になります)

自分と同年代の人とばかりつるむよりも、時には全く違うタイプの人と話してみることも大事ですね。

今日のまとめですよ

いい商品をつくるには、商品のことを考える前に、
まず受け手としてちゃんと生活をすること。

もう格言にしたいくらたさんの一文。

前半だけでもいろいろ気づかされることがいっぱい書かれている本書ですが、まだまだシェアしたい内容が続きますので、引き続き本書の内容をシェアしたいと思います。

ひとまず今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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