「安い・可愛い」だけが売りだと長続きしない

先日ニュースで報道されていた、アメリカのファストファッションブランド「FOREVER21」の日本撤退の話。来月2019年10月末を持って、日本国内にある14店舗を全て閉店・ECサイトも閉鎖するという日本市場からの完全撤退と聞き少し驚きましたが、以前から経営難という報道もあったので、「しょうがないのかな・・・」という印象です。

ちなみに世界のファストファッションの売り上げランキングは、
1位:ZARA
2位:H&M
3位:ファーストリテイリング(ユニクロ/GU)
4位:GAP
5位:Lブランズ(ヴィクトリズシークレット/日本未上陸)
6位:プライマーク(アイルランド発/日本未上陸)
ここまでが売り上げ1兆円の規模。

10位は、しまむら。
売上高は5459億円と推定されています。

FOREVER21の売上高は非公開だそうですが、10位のしまむらより下の4400億円程と推定されているそう。

今から10年前の2009年、
ラフォーレ原宿の横にFOREVER21の店舗がオープンした時、私も行列に並んで店内に入った思い出があります。いつの間にかその原宿店も閉店。2010年にグッチの後継テナントとして銀座の松屋にオープンした時は、本当に「飛ぶ鳥を落とす勢い」でしたが、その松屋銀座店も閉店。今や懐かしい話となってしまいました。


(こちらは香港のフォーエバー21)TungCheung / Shutterstock.com

しかし私がFOREVER21で服を購入したのは、その並んで入った原宿店のオープン時の1回限り。
当時私は丁度30歳にさしかかる所謂「アラサー世代」だったので、お店のコンセプトでもある「永遠の21歳てw ちょっと自分には若すぎるな・・・」と店内の商品を見て思ったのもそうですが、購入した洋服の縫製や生地を見ても、決して良いものと言える品質ではなかったのを覚えています。

加えて当時は会社員として勤務していたので、会社にも着ていける服を選んでいたのですがFOREVER21のお洋服は、どれもこれもカリフォルニア感全開の超カジュアルファッション。当時は、正直欲しい服があまり見つからなかったのも事実でした。

先ほど、J-waveを聞いていると、丁度このFOREVER21の話題が上がっていましたが、日本人の人がファストファッションでお買い物をする時にお店を選ぶ一つの基準として、
会社や仕事でも着れるような服を選びたい時はZARA、
機能性を求める服を選びたい時はユニクロ、
という風に選ぶ人が多いらしく、
日本人にとってFOREVER21を選ぶ理由が見当たらないのに、そのまま経営を続けていたのも日本市場完全撤退の要因の一つであると推測されています。

しかも、最近の日本はメルカリのようなCtoCの市場が登場しており、「買う時から、いつかメルカリで売ることを考えて」買う人が増えてきています。そのような場合でも、デザインも品質も何だかぼやけてしまうFOREVER21は選ばれにくいのではないかと想像もされています。

2009年当時は本当に入店すら難しかったFOREVER21。
「アメリカで流行っているから」
「安いから」
「可愛いから」
これだけで長期間売り続けることは本当に難しいと、このニュースを聞いて本当にそう感じています。

特に今の若い人は、企業のサステナビリティ(環境・社会・経済の3つの観点から世間と繋がっていくという考え方のこと)にとても敏感とも言われています。

先日は、ユニクロと東レが組み、2020年にリサイクル材から作られた新製品を発売すると発表があったばかり。

参考 ユニクロ×東レが挑むペットボトル・古着再生服日経ビジネス

このように環境に配慮した取り組みを行う姿勢を見せることは企業にとって大きなプラスになると、ユニクロの柳井会長は語っていますが、本当にその通り。

アウトドアブランド・パタゴニアが行っている環境の取り組みや、今年7月に大きな話題になった選挙への考え方の発信や、業界は少し違いますがコスメブランドRMKがジェンダーレスのモデルさんを起用したメイクコレクションの発表など、「企業の取り組み」として社会的な問題の解決を手助けするような取り組みを行うことは、今大きい会社にとって必要な考えの一つなのではないかと思います。

そして、もう一つ大切なのは
その国でターゲットにしているお客様のことをしっかり見るべき・・・なんだろうなと、やはりここでも思わざるを得ません。

「可愛いから売れるだろう」「安いから売れるだろう」
という安易な考え方では最初は良いかもしれませんが、息の続かないお店になってしまいます。

そのブランドがどのようなストーリーを持って、商品を売るのか。
あくまでも最後に使用する人は購入してくれたお客様であり、主役はやっぱりお客様なんですね。
ここを面倒臭がらずにしっかり考えること。
これはファッション業界だけではなく、他の商品やサービスにも当てはまるのではないかと思っています。

・・・来月でもう日本では会えなくなるFOREVER21。
最後の記念に、家でしか着れなくてもいいからド派手なTシャツでも探しに行こうと思います。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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