時代の変化をキャッチし忘れると、あっという間に業績不振になる話

先月、ベトナム行きの飛行機に乗るために羽田空港国際線ターミナルで出国審査を終えた後、いつも楽しみにしている「あのお店」に立ち寄ろうとしたのですが・・・

がーん

いつも羽田から国際線に乗る時に必ず見ていたお店
「ヴィクトリアズ・シークレット」が、閉店しとる・・・>_<

特にいつも何かを買うわけではなかったのですが、下着好きなこの性格故に日本にはあまりないそのデザイン達を見るのをいつも楽しみにしていたのですが、羽田空港店は2019年7月31日をもって閉店してしまった模様。(現在は成田空港で出国審査を終えた後、サテライト3階のみ営業しています。)

ヴィクトリアズ・シークレットは1977年にアメリカで創業された女性用の下着ブランド。
1995年から始まったファッションショーは非常に有名で、このショーに登場するモデルは「エンジェル」と呼ばれています。(あの有名なミランダ・カーもかつてはこの「エンジェル」さんでした)
日本には未上陸。(成田空港に店舗がありますが出国審査後なので、この店舗は“外国”扱いになります)日本では同じく下着ブランドのピーチジョンがそのテイストに近いブランディングで展開していますが、似ていてやはり異なるものです。

ヴィクトリアズ・シークレットは、
本家の同ブランドと、高校生〜大学生をターゲットにしたPINK、スポーツ・エクササイズをする女性をターゲットにしたスポーツラインを展開。

どれも日本ではあまり見られないような独特のセクシーさと可愛さを併せ持ったデザインや小物の展開が特徴で、パッケージデザインも本当に可愛かった・・・。

今から5年前、中東のドバイを訪れた時に立ち寄った、超巨大なショッピングモール・ドバイモールに入っていたヴィクトリアズ・シークレットで購入した、「ショーツ詰め合わせセット」の箱パッケージを、私は今も自宅に保管しています。


ドバイモールのヴィクトリズ・シークレット
Sorbis / Shutterstock.com

10年ほど前、某大手量販店に陳列される下着の販促POPを制作する仕事に携わっていた時、下着を企画していた当時の取引先の担当者は頻繁にアメリカに出張し、その度にこのヴィクトリアズ・シークレットの下着をサンプルとしてどっさり購入し、参考していたのですが、それも過去の話。

2019年の今、ヴィクトリアズ・シークレットは時代の変化に対応することができず、業績不振が続いています。

私も、昨年訪れた香港の店舗でショーツを数枚購入しましたが、明らかに質が悪く数回洗濯しただけなのに、既にほつれが見られます。しかも価格は以前のままで決して安くはありません。現在もセール時を除きショーツ1枚につき1,000円前後で販売されています。

しかしヴィクトリアズ・シークレットの業績不振は、
商品の質の悪さだけが理由ではありません。

かつては女性も男性も魅了したセクシーな広告は顧客を遠ざけ、「エンジェル」と呼ばれるモデルには未だに細くて人形のような体型をした、所謂「モデル体型」の女性しか採用せず、多くの人の反感を買っています。

同じように、銀座に開店した当初は行列ができ、入店までに◯時間待ちの騒ぎになった、アメリカのアパレルブランド「アバクロンビー&フィッチ」も同じく業績不振。来年2020年には福岡の旗艦店を閉店予定です。
以前は街中を歩いていると、アバクロのマークが入ったシャツを着用している人も多く見かけましたが、今はほとんど見かけません。

アメリカ・ニューヨークにオープンしているアパレルショップの中には、既に「男性用」「女性用」と分けずにアイテムごとで商品を陳列するジェンダーレス化した店舗が存在していますし、ファッション雑誌VOGUEには、ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの方、痩せていてお胸が小さい女性、ふくよかな女性など、様々な方がそれぞれの個性を発揮するメディアに変わってきています。

かつては「女性の内面の美」をテーマに掲げ、あらゆる商品を展開していたヴィクトリアズ・シークレットですが、「内面の美」の概念がここ数年急激に変わっていたことを無視し続けていたのかな・・・と思う今日この頃。

時代の変化を感じて、上手く方向転換をすることがいかに大切か。

かつてどんなに輝かしい業績や歴史を持っていたとしても、衰退の道を進んでいくことになると、数々のアメリカ発ブランドの業績不振ニュースを聞き、つくづくそう感じています。

個人的には大好きだったヴィクトリズ・シークレット。
羽田空港の店舗が閉店したのは残念ですが、どうにか上手く舵を切ってほしいな・・・と心から思っています。

それでは今日はこの辺で

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