不便な場所にあるのに日本一有名なパン屋さんの話

私の自宅(兼事務所)から30分ほど歩いたところに、日本一有名なパン屋さんがあります。

それは千葉県松戸市のZopf(ツォップ)さん。
売り場面積約2坪の小さいパン屋さんです。

Zopfさんの店舗は、JR常磐線(各駅停車)の北小金駅と南柏駅の間にあり、たどり着くためには北小金駅バスに10分ほど乗るという、不便極まりない立地。

にも関わらず、この行列。

混雑している時は、入店までに1時間ほど並ぶ時もあるほどの大人気ぶりです。(まじですごい行列です)

こんなヘンピで(失礼)不便極まりない場所にあるにも関わらず、Zopfの名前は全国に知れ渡り「パンの聖地」と呼ばれ、週末には始発電車に乗りパンを購入する人が後を絶たず、売り場面積2坪に対して駐車場は第1、第2の計約45台を完備。

昨年2019年7月にはJR東京駅に新設されたショップに、Zopfの名物・カレーパンの専門店が登場するという末恐ろしい存在です。

私がZopfさんを知ったのは、同じ松戸市内にお住まいの仕事関係の方の車に乗せていただいた際に、「そういえばニシさん、Zopfはよく行かれるんですか?^_^ご自宅から歩いて行けるんじゃないですか?」と尋ねられたことがキッカケです。

「え? な・何屋さんですかそれ?・・・
つ、つお???」

と聞き返したくなるような一度では覚えにくい名前(←覚えろ)、
住宅街の中にあり、パン屋さんとは判別しにくいわかりにくい看板がくっついており、さらには店内が見えない建物の作り。

・駅からめっさ遠い
・看板わかりにくい
・お店の中見えない
・店の名前、覚えにくい
(Zopfと書いてツォップと読みますよ)

なのに、
入店に1時間も並ぶ方がいたり、始発でパンを買い求めに来る方が続出しているZopfさん

その人気の理由は何と言っても、
約2坪の広さしかない店内に約300種類のパンがずらりと並んでおり、入店する人と「うっわー!パンの宝石箱やー!」と言いたくなる、まじでちょっとしたアミューズメントスポットに他なりません。

他のパン屋さんとはちょっと比較にならないほどの種類、
それに加え15分に一度は常に何かの焼きたてパンが売り場に並んでいきます。

(いつも混雑しているので店内の写真は撮影できていないのですが、パンが好きな方はぜひ唯一神Gooleで「Zopf  店内」と検索していただきたい。)

現在のオーナー・伊原靖友さんは、2000年にお父様からお店を継いで店名も現在の「Zopf」にリニューアル。それまでは松戸市の住宅街に昔から家族経営している1つの「街のパン屋さん」でした。

そのリニューアルをきっかけに大きな収入源だった卸販売をやめ、本当にやりたかったこと=たくさんのパンを作ることに集中したお店作りを進めることに。

「たくさんの種類のパンがずらっと並んでいたら、
お客様が楽しい気持ちになるかなと思って。」

と語る伊原さん。

そのオーナーの姿勢がお店を訪れた人を感動させ、どんどん口コミで広がり、あんなヘンピな(失礼)な場所にも関わらず朝から行列ができるパン屋さんに成長していったんですね。

また伊原さんはインタビューで自分の商品である「パン」と店舗について次のように語っています。

当たり前のことなんですけど、
パンって焼きたての温かいものが一番おいしいんですよ。

だからなるべく、来てくれたお客さん皆が、焼きたてのパンにありつけるようにしたくて。

あと、パンの見せ方にはこだわっています。
どう並べたら美味しそうに見えるか、棚の使い方やライトの当て方まで、妻と散々話し合いながら店づくりをしてきました。

引用元:WORK MILL

Zopfのパンは15分に1回、何かの焼きたてパンが店頭に並びます。
これはかなりの至難の業で、他のパン屋さんが簡単にできることではないと言われています。

ですが、自分が「美味しい」と感じているパンの本質部分を貫いて、その難しい作業ができる体制を考えて考えてやり続けた熱やパンに対する愛が、お客様の期待値を高めて感動するパン屋でのお買い物体験につながっているのではないかな、と思います。

引用元:WORK MILL

そういえば以前、この道ン十年の飲食店のコンサルタントさん(←食の知識ハンパない方)に「美味しいお店の条件って何なんですか?」と尋ねたことがあります。

するとその方は
「温かいお料理を、ベストな温かい状態で持ってくる店かな」とお答えに。

私が
「えー、意外です〜」とつぶやくと、

その方はさらに、
「いや、これって当たり前なんだけど、
意外とね、できていないお店多いんですよ。

でも温かいものは温かい状態で食べるって料理の本質です。
本質ができていないお店って、実はいっぱいあるんですよ。」
とお答えに。

確かにどれだけ接客が素晴らしくても、冷たいカレー、もしくはぬるいカレーが出てきたらめっちゃイヤです。このような当たり前のことをブレずに提供し続けるということは、実はとても難しいことなんだと改めて感じます。

話が少し外れましたが、

自分のやりたいと思っていること
(=たくさんのパンを作ってお客様に喜んでもらう、
焼きたてのパンを出して喜んでもらう)

お客様に感謝される
(=パンの価値をわかってもらう)

それでお金をもらう

↑コレをサイクルにしているZopfさんは、とても忙しい多忙な毎日かもしれませんが幸せな経営者なのかな、と感じます。

しかも「自分のやりたいこと」が、「パン屋さんの本質」につながっています。
私も売るものは違えど、Zopfさんから学ぶ点がたくさん見つかります。

Zopfのパンは本当に美味しいし、お店の中でも食べる時も幸せを感じます^_^
つい買いすぎてしまうので、最近はあまり行かないようにしていますが、また近々お散歩がてらお買い物に行こうかなと思います。

駅からちょっと遠いけど、パン好きな方にはぜひ一度訪れてほしい本当に楽しいお店です^_^

MEMO
Zopf パン焼き小屋ツォップ
住所:松戸市小金原2-14-3

(JR北小金駅南口バスロータリー、[ 2 ] 発着の松戸新京成バス「小金原団地循環・バス案内所行」に乗り「表門(おもてもん)」停留所下車、徒歩1分)
TEL:047-343-3003

2階がZopfのパンを使った朝食が食べられるカフェになっています。ご利用は要予約(週末は2ヶ月先くらいまで予約でいっぱいの場合も)
予約受付時間:定休日以外の14:00〜18:00
カフェ予約専用ダイヤル:047-727-3047

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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