野村克也元監督から学ぶ「人の記憶に残る言葉」の作り方

「王や長嶋がヒマワリなら、
俺はひっそりと咲く月見草。」

これは、先日お亡くなりになったプロ野球団の元監督、野村克也さんが残した言葉。野村克也さんの訃報と共に、改めて紹介されている、人々の記憶に残る有名なフレーズです。

私が初めて野村克也さんを知ったのは1993年頃で小学6年生の時。当時ヤクルトの監督を務めていた時でした。

野球好きな両親からは、現役選手時代の野村さんがいかに凄いキャッチャーであり打者であったかということ、

幼い頃に住んでいたマンションの隣には「克也くん」という私と同じ歳の男の子がいましたが、彼の両親は野村克也さんの大ファンで、息子に同じ名前をつけた、

当時の小学校の担任が野村克也さんのファンで、メモを取ることの大切さを小学生の私どもに熱く語っていたこと、

などなどなど、
周りが熱く語る姿を見ていたので、私もすっかり野村克也さんの1ファンになっていました。なので突然の訃報を耳にし、本当に悲しくて寂しい気持ちでいっぱいです。

さて、そんな野村克也さん。

ご紹介した言葉、

「王や長嶋がヒマワリなら、
俺はひっそりと咲く月見草。」

この言葉は、ご本人が現役選手時代に通算600本のホームラン記録を達成した際メディアに向けて話したコメントですが、野村克也さんは、メディアで引用されるフレーズ作りに対し、戦略的に取り組んできた稀有な野球選手でした。

なぜなら、
成績を残したとしても、インタビューで当たり前の回答を報道陣に答えれば、当時の超大スターの王貞治選手、長島茂雄選手には勝てず、自分がスポーツ新聞の見出しに掲載されないことを、野村さんご本人はよくご存知だったからです。

「月見草」の例えも、600本ホームラン記録を達成する1ヶ月も前から考え抜いたコメントだそう。

ぱっと出てきたものではなく、考え抜かれた上に出てきたコメントなんですね。

このようにメディアなどに広がりやすい所謂「語録・名言」になるフレーズは、「サウンドバイト」と言われおり、短く注目されやすい言葉が使われているのが特徴です。

元アメリカ大統領のオバマさん、元総理大臣の小泉純一郎さんが残した有名なフレーズも「サウンドバイト」です。

私達と野村克也さんでは、もちろん取り組む仕事内容が違いますし、私達のフレーズがメディアに取り上げられる機会もないので「サウンドバイト」を意識する必要もないかもしれませんが、相手の記憶に残るような言葉を残すことは、とても大事なのではないかな、と思います。

先日コピーライターの弓削徹さんの著書、「短い言葉を武器にする」を拝読しましたが、誰もがSNSで発信できる時代だからこそ、刺さるフレーズを残すことの重要性を、本書を読んで改めて感じます。

例えば、
結婚式のスピーチ、毎朝の朝礼で、長〜い話を聞きたい人は少ないですよね。

乾杯のご発声の前にされる挨拶を、立ったままでも平気!片手にグラスを持ったまま長く聞いていた〜い!と思っている人にも出会ったことがありません。

聞き手の立場になると、みなさん「短く」を求めるのに、自分が話し手になった途端にあれもこれも話し出す人がいますし、実際私もそのうちの一人です(汗)「自己紹介は1分で」と言われているのに5分喋る人もいっぱいいます(自分も)

ここで再度大切にしたいのは
(文章でも話でも)目的を明確にする、
その目的のためには何をしたらいいのかを明確にする。

そして1番忘れてはいけないのは、
読み手・聞き手である相手のことを考えることです。

相手が知りたいこと、
聞きたいこと、
喜ぶこと、
など考えることはたくさんありますよね。

そのように考えていくと、
自分が言いたいことと、言うべきことは、必ずしも同じではないことに気がつきます。

また、
その文章を読んでもらった相手がどう感じてほしいか、どのような行動をとってほしいかを考えることも大切です。

私はこのブログで、文章って大事なんだね、きれいなデザインだけじゃダメなんだね、と一人でも多くの方に気づいてもらいたい、という思いで毎日書いています(しょっちゅう脱線してお店の話とかしてるけど)。

もし私が何かを売るためにこのブログを書いているとすれば、もっと違った文章の記事を書いていたと思います。

自分から発信する文章には答えがありません。
だからこそ、何が目的なのか、相手にどうなってほしいのか、相手のためになることは何か?を明確にしておくことが、とても大事なんですね。

先にご紹介した野村克也さんの有名な「ささやき戦術」は、多くの打者に影響を与えたそうですが、長嶋茂雄さん、王貞治さんのお二人には通用しなかったことでも有名です。

それほど長嶋さん、王さんは素晴らしく、また野村さんご本人は悔しかったのではないかと思います。だからこそ自分にスポットライトが当たる通算600本ホームランの時は、「絶対に記憶に残るようなコメントをしよう」と目的を持っていたのではないでしょうか。

文章や話に限ったことではありませんが「行動する目的」を設定することの大切さ、相手に感じてもらいたいことを明確にする大切さを改めて感じる今日この頃です。

それでは今日はこのへんで。

\お読みいただきありがとうございます/

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