最近facebookのタイムラインを眺めていると「7日間ブックカバーチャレンジ」という本のカバー画像をアップする投稿を目にします。
この「チャレンジ」には賛否両論いろいろありますが、ビジネス書はもちろん知らなかった様々な書籍を知るきっかけになり、見ていて楽しい投稿です^_^
自宅で過ごす時間が多い今、私も空いた時間は読書をするようにしていますが、ビジネス書だけではなく美しい写真集や、料理本などの文章を丁寧に読むのも、とても楽しく良い時間を過ごせます。
先日は久しぶりに以前購入した写真集を改めて読んでいたのですが、今この状況で読むとまた新しい発見が見つかったので、今日はこの写真集をご紹介したいと思います。
それは、アフリカ・コンゴ共和国で「世界一のお洒落集団」と言われているSAPEUR(サプール)の撮り下ろし写真集「THE SAPUER コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマンです」です。
NHKなどの特集や様々なメディアで取り上げられ、2017年にはこの写真集の著者、茶野邦雄さんによる展示会が各地で開催されていたので、SAPEURのことをご存知の方も多いかもしれません。
SAPEURは、世界最貧国の一つと呼ばれているコンゴ共和国で「平均月収3万円」の何倍もする高級ブランドのスーツに身を包み街を闊歩する人たちのこと。
その歴史は古く、今から約90年前に始まったと言われていますが、今コンゴ独特のカルチャーとして世界に広く知れ渡り注目を浴びています。
ただファッションアイコン的な存在ではなく、長く何度も勃発した内戦や、戦争に対して「紳士的に・軽やかに」表現する非暴力のシンボリックな存在で、今やコンゴ政府も彼らの存在を認めるまでになっています。
これまでにもSAPUERにまつわる写真を世界中のカメラマンが撮影し発表してきましたが、先ほどご紹介した茶野邦雄さんの写真集は本当に素晴らしく、ただ単に彼らのファッションだけを切り取らず、
ファッションに対する思い、
ポリシー、
平和への願い、
平等さ
などを、現地の空気と共に、写真に見事に収めているのが印象的、読んでいて非常に元気をもらえる1冊です。
ヴェルサーチなどのヨーロッパブランドはもちろん、近年では、ケンゾー、ヨージ・ヤマモト、イッセイ・ミヤケ、タケオ・キクチ、カンサイ・ヤマモトなど日本のブランドも厚い支持を集めているのだそう。
残念ながら写真集の中身をお見せすることはできないのですが、そのスーツの着こなしはかっこいい、というよりも、私たちには計り知れない彼らだけが表現できる美学や哲学が詰まった美しいアートそのものです。
ただし、彼らの多くはお世辞にも良い家とは言えず厳しく慎ましい生活をしている場合が多く、纏うスーツやアクセサリーをすぐに買うことのできる状況ではありません。
しかし、
厳しい生活の中、週の大半は「明るく衣服をまとう」ことに想いを馳せ、週末になるとSAPEURとして変身し軽やかなステップで街を闊歩する。
苦しい生活と、羨望の眼差しを受ける週末とのギャップをとってみても。その美意識へのこだわりは実に奥が深い。
引用元:THE SAPEURより
日常の生活の中にも、自分を表現することへの熱意を忘れずに日々を一生懸命生きる彼らの姿勢が垣間見える、心打たれる一文です。
またSAPEURには、ただハイブランドファッションを身につければ誰でもなれる、というわけではなく、その立ち振る舞いや思想にも厳格な決まりが設けられており、師匠も存在します。
非戦の精神、
平和主義、
人々に尊厳を持って接する、
悪を拒絶し美を受け入れる、
などの思想は、ファッションのコーディネイトと同様にSAPEURにとって重要な掟なのだそう。
厳しい生活の中でも「服を纏う」マインドや思想、精神が彼らを魅力的に魅せ、それを見る人たちの気持ちを明るくさせてくれる、「THE SAPERU」の写真と文章を見ていると、見た目の魅力とマインドや思想は連動しているんだと、改めて実感します。
最後に、本書の中で私が好きなSAPEUR(平日はタンクローリーの運転手さん)の一文をご紹介したいと思います。
人生でいちばん大切なことは、
どんな困難にあっても笑顔でいることだね。
かっこいい服装をしてね。
それがサップ(SAPEUR)というものだよ。=クリスティ・エンベール タンクローリー運転手 33歳
今私たちも「困難」な状況にあるかもしれませんが、笑顔を忘れず、思想やマインドにも美意識を忘れずに生活していきたいですね。
あと毎日スウェット姿でいるのではなく(←私)、家でもおしゃれに振る舞うことを心がけたいと思いますw。
それでは今日はこのへんで
\お読みいただきありがとうございます/
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