今朝、インターネットのニュースをチェックしているとツイッターで話題になっているとある広告の話が記事なっていました。
それは、
「今夜は、カブトムシに会いたい」
というキャッチコピーが書かれている広告の話。
2月中旬から7月末まで、JR東日本、西日本、九州の電車内や駅構内、コラボしている動植物園に掲示されているこのポスター。
インパクトのあるコピーとビジュアル、
さらに「これは一体何の広告?」
という謎をこの広告を目にした多くの方が感じ、それがツイッター上で話題になっているようです。
先ほどご紹介したニュース記事によると、
この広告はスマートフォン用アプリ「バイオーム」の広告。
身近に存在する植物や生き物をスマートフォンのカメラで撮影すると、アプリ内のAIが自動的にその写真の生き物の名前を判断し、それをコレクションしていくアプリ。自分で図鑑を作っていくような楽しみ方ができます。
5月31日までJRの3社と協力し、アプリ内で開催されているクエストを達成すると賞品と交換できるイベントも開催中とのこと。“生き物”好きな方にはたまらないアプリです。
ですが、私が気になったのは、
「今夜は、カブトムシに会いたい」
のコピーとビジュアルを見て、
どれだけの人がこのアプリをその場でダウンロードする気になっただろうか?という点です。
「人の往来が激しく、忙しくしている人が多い駅構内において、一瞬で気を引くキャッチコピーであること。
『バイオームランド』の企画コンセプトである『いきものを探す冒険にいく』という冒険感を表現できること。
こうした要件を満たすものとして、一見すると『なんだこれ?』と頭にハテナが浮かぶようなキャッチコピーを採用しました」
「ポスターの内容が気になってSNSで調べたり話題になったりすれば自然とアプリの利用者が増えると考えましたが、削りすぎたかもしれません笑」
と担当者の方は語っています。
インパクト抜群で、頭に「?」が浮かぶコピーとビジュアルで、結果的にツイッターで話題になり、このようにニュースにも取り上げられているわけですから、広告としては十分成果が出ています。
ですが、
「今夜は、カブトムシに会いたい」だけで、この広告が図鑑コレクションのアプリであると理解することは、ちょっと難しいかな・・・とちょっと思っちゃいます。
少し話は変わりますが、
90年代後半に、ゲームメーカーのセガの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト(通称ドリキャス)」の広告・CMを覚えていらっしゃるでしょうか?
売れに売れまくっていたソニーの「プレーステーション」に対抗すべく打ち出したその広告は、セガ・エンタープライズの専務「湯川専務」が出演し、シュールかつコミカルなCMで話題になりました。
当時、そのCMを見ていた私は既に「グラフィックデザイナーになりたいな〜」と薄っすら考えていたところだったので、この広告はとても面白く感じて見ていたのを覚えています。
ところが、広告やCMが大きな話題になっても、肝心の商品である「ドリキャス」の売れ行きはイマイチのまま、残念ながら2001年にセガは家庭用ゲーム機のプラットフォームから撤退を表明します。
CMや広告はすんごい面白かった。
私も大好きです。
今はこんなCM、なかなか見られません。
だけど、
「広告が面白いこと」と「商品が売れること」は別だよ、ということを改めて実感させられる内容です。
「ドリキャス」が販売されていた90年代と現在では、広告を取り巻く環境は大きく変わっています。もし今「ドリキャス」の広告が世に流れていたら、また違う結果になっていたかもしれません。
ですが、
インパクトのある面白い広告だから売れる、
というのはどの時代でも危険な考えではないかしら、と思います。
先にご紹介した
「今夜は、カブトムシに会いたい」の広告がシリーズ化して(大阪の「ひらかたパーク」みたいに)、ずーっと話題になり面白いかもしれませんが、生き物を自分でコレクションして図鑑を作る楽しみ自体がもっと伝わる内容になってくれれば、と思います。
広告って難しいな・・・と
深く考えてしまう今日のこの頃です。
それでは今日はこのへんで
\お読みいただきありがとうございます/
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