昨年、ビジネス書大賞準大賞を受賞した「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」の著者、山口周さんの新しい著書、「劣化するオッサン社会の処方箋」を読みました。
山口周さんは今月と来月の2回に渡って、デジタルハリウッド大学大阪校で、“20代で受けておきたい「自己プロデュース集中講座」”を開講予定。若い人だけではなくクリエイターからも支持されています。
参考 “20代で受けておきたい「自己プロデュース集中講座」”デジタルハリウッド大阪校イベントそんな山口さんの「劣化するオッサン社会の処方箋」。
これ、オッサンだけではなくオバハンも入りますから、30歳以上の全国民の必読書にしてほしい!と思います。
まず最初にこの本における「オッサン」が定義されています。
(あ、ちなみに容姿は関係ないです。中身のことを指します)
本書におけるオッサンの定義
・古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
・過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
・階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下のものを軽く見る
・よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
中高年の男性として分類される人であっても上記の定義に当てはまらない人もたくさんいますが、逆を言うと上記の定義に当てはまれば「オッサン」に該当しない年齢・性別であっても「劣化オッサン」ということなのですよ。
私はこの定義に当てはまってないから大丈夫〜♪だからこの本関係ない〜♪と思うのもちょっと危険です。
こう思い込んで毎日過ごしていますと、
「劣化オッサン予備軍」のポジションに当てはまってしまい、
近い将来的に「レギュラー劣化オッサン」確定です。
本書では、
「劣化オッサン創世物語」から、
これから懸念される「新・劣化オッサン誕生予想」が
とても理解しやすく面白く書かれていますが、
私が特にここにアウトプットとして残しておきたいのは、「今日からでも決して遅くない・あなたも意識しよう!劣化オッサン防止法」です。(勝手に名付けました)
特にデザイナーとして生活している私にとって、この「劣化オッサン防止法」はこれからの毎日に必須です。
なぜなら、
デザイナーやコピーライターなど何かしらのクリエイティブワークに携わっている人は、その毎日が何かしらの「創造」を必要としている作業なので、その日々がルーチンワークになっている、ということに、なかなか気づかないことが多いように感じています。
今日も何か作った、明日も何か作っている。
具体的に作るものは確かに違う内容かもしれませんが、長い目で見るとやっていることは毎日一緒なんですね。
本書にも書かれていますが、「1年で得た知識を、長年ただ繰り返しているだけである」ということです。
だから、クリエイターこそ「日々の何か作っている作業」に勘違いせずに、しっかり「劣化オッサン防止法」を実践していきたい。
デザイナーでもライターでも他の何かの資格でも「手に職」は、確かに食べていくにはとても有効な技術の一つかもしれない。でも今の時代「一生食べていける技術」ではもうなくなっているのではないかと思います。
「手に職」があるからこそ、その技術や資格に甘えるのではなくて、「劣化オッサン防止法」で自分をアップデートしていくことが必要だと本書を読了して私は痛感したわけです。
では私なりに本書から読み取った「劣化オッサン防止法」をここに書き留めておこうと思います。
(あ、ちなみに筋トレとかダイエットとか歯のホワイトニングとか、増毛とか、サプリメントを摂るとか、ヒアルロン酸を注射するとか、そーゆーのじゃないです。そーゆーのも大事ですけど、ここでは違うことを指します)
1. 質の良い教養を学び続けること
時代の変化が早く、且つ人生100年時代の到来と言われている現代。今2019年は旬の情報でも数年先には全くもって古い情報になっていることは間違いありません。
「旬の短い知識」ではなく、何十年という間に渡って効果を発揮するような知識を持つべき。
すなわち、実務的な知識よりも、教養を学び続けることです。
しかも本書では、量ではなく質の方を重要視した方がいいという見解が書かれています。
確かに、何かにしてもある程度「量」をこなし、既にできるようになったことを繰り返しても、そこに成長はありません。「新しい良い経験」を積むことで、脳みそを活性化させることが大事です。
あと本を読むことね。
もうこれマスト。
ビジネス書にもたくさん良い本がありますが、昔から愛されている古典にも良い本がいっぱい。私も以前アーサーコナンドイルのシャーロックホームズシリーズを読んでいましたが、中には現代にも通じる名言がたくさんあります。
シャーロックホームズシリーズの「ボヘミアの醜聞」の名言。
「君はただ目で見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのとでは大違いだ。」
シャーロックホームズ、また読み返してみよう。
目標は原文(英語)で読むことです。
2.ちょっと難しいことに「挑戦」し続けること
ちょっと難しいことに挑戦している時、時間を忘れて(楽しんで)熱中しその課題を解決すること。
本書にも書かれてる心理学者のミハイ・チクセントミハイは「高齢になっても創造性を維持し続けている人は常に「人生のアジェンダ(課題)」を明確に設定し、それをクリアするために日々学習を続けているというリサーチ結果を出しています。
要は挑戦することに自分の全エネルギーを注げるくらい「集中」して学ぶことが大切ということです。
これは「フロー理論」という言葉でしばしば表現されます。フローは学習や教育の理論ではありませんが、全ての学習活動において「熱中するほど楽しく没頭する」ことがとても重要ということです。
子どもがご飯を食べることも忘れて何かに熱中する時のような感覚でしょうか。
ちなみに子どもが熱中して何かを一生懸命作っている時に、大人たちが「それ、こうやったほうがいいよ」と声をかけない方がいいというのは、このことかもしれません。(うちの母はバンバン私に声をかけてきたが)
3.なにかを始めるのに遅すぎることはない
「もう遅すぎる」を言い訳にしてなにもしないのは良くない・・・。
人生100年時代と言われている現代、何かを始めるのに遅すぎるということはありません。
「学ぶ」ことは若さを保つ秘訣。色々なことに好奇心を持って、新しいことを貪欲に学び続けようと思う人は一生老いるということがない、と本書では綴られています。
確かに30代を超えたら脳みそが・・・と言われていますが、それを言い訳にして何にもトライしないのは良くないですよね。
将来「劣化オッサン」にならないためには「学び続ける」ことが大事と上に書きましたが、その言い訳を「年」のせいにしてしまう前にチャレンジする精神を持ちたいと思います。
「劣化するオッサン社会の処方箋」を私なりの感想で書いてみました。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの書評が超オススメなのでぜひご一読ください^_^
それでは今日はこの辺で。
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