本来の役割を果たしてこそデザインが生きてくる話

先日近所のドラッグストアで化粧品(アイライナー)探していた時の話。

ずらーっと並ぶ商品の中で「お、コレかわいいパッケージやん」と目を引くパッケージデザインがありました。

それがコチラ↓
もう商品名も書きますが、株式会社フローフシが新しく発売した「UZU」というブランドのアイライナーです。

コンセプト自体も素晴らしくて、従来の常識にとらわれず、これまで定番とされていた黒やブラウンのアイライナー以外にも、青やメタリックピンクなど、性別や人種、年齢にとらわれることなく「好きな色を選べる」というこのアイライナー。

しかも汗や水に強いウォータープルーフタイプ。

「へえ〜。いっちょ使ってみるかな」と思い、そのままパッケージを持ってレジに行きました。

ここまでは
良かった。

そしてレジでお会計してもらう時のこと。

このアイライナーはパッケージの見本をレジに持って行って、お会計時に店員さんが商品を出してくれるタイプの商品でした。

店員さん
「少々お待ちください。」


「はい」

店員さん(ガサガサ、ゴソゴソ)
「うーん、これもダメだ・・・」


「・・・?」

店員さん
「あのう、すみません。
商品がはみ出ててもいいですかね・・・?


「え。はあ、いいですけど・・・」

店員さん
「すみません・・・
このパッケージ、
裏面のシールの粘着が弱くて、どれもこれもパッケージから既に商品がはみ出てしまっているんですよね(゚´Д`゚)」


「全然いいですよ。気にしませんから。」

店員さん
「申し訳ありません。
パッケージから商品がはみ出てくるので
店頭にも出せなくて(´Д)

そして、
既にパッケージからびよーんと飛び出した状態のアイライナーをお会計してもらい、

この
パッケージ、
アカンやろ

と思いながら帰ってきました。

私も最近はほとんど制作しませんが、以前はよくパッケージデザインの仕事を引き受け制作していました。

星の数ほどある店内で目を引くように、
洗練されて
斬新で
今まで見たことがない
ようなデザインにもたくさんチャレンジしましたし、

今でも自宅兼事務所の本棚には「パッケージデザイン」の見本帳が何冊もあり今でも大切な参考資料として保存しています。

がしかし

パッケージデザインで
一番大切なのは、

商品を
保護すること

です。

デザインの大切さは
二番目です。

だってアレですよ。

どんだけ斬新で素敵で家に飾っておきたくなるようなパッケージデザインのお菓子でも、買う時に中身がもりっとはみ出していたらちょっと嫌ですし、

素敵すぎるデザインのペットボトルでも、フタがしまりにくくてバッグの中に入れておくと水漏れする飲料水なんて、いくらデザインが素敵でも買いたくありません。

私が購入したのは、アイライナーなので多少パッケージからはみ出ていよーが、使用に差し支えありません。

だけど中には「ちょっと不快」な思いをする人もいるかもしれないし、現にレジでは店員さんがちょっと困っていました。

家に帰ってよくこのパッケージを観察すると、

デザイン自体も素敵だし、プラスティックも使っていないからゴミも少ないし環境にも優しそう。

けれど、

フタの役割を果たしているシールの粘着力が弱すぎて、アイライナー本体自体が滑り出てきてしまうようです。

素敵でかわいいパッケージ、
思わず手に取りたくなるパッケージ、
買った後も捨てるのが惜しくなるパッケージ、

だけど、本来の役目は
商品を守ること

です。

・・・と今日は何だか“ダメ出し”みたいなブログになってしまいましたがm(_ _)m

私もデザインに携わっている以上、

かわいい、かっこいい
素敵、おしゃれ、洗練

などデザインの発想はもちろん大事にしつつ、

本来の役割
をきっちりと果たせるものを作っていこうと思った1日でした。

ちなみに、
アイライナー本体自体は使い心地も良く、なくなったらまたリピートしようかなと思える優秀な1本でした^_^

このパッケージを見たのは数ヶ月前の話なので、今では粘着力が強いパッケージに改良されていることを願います!

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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