全ての日本人が知るべきだと感じた、茶道と茶懐石の心
日本橋のとある茶室にて、ビジネス茶道ー茶懐石を学ぶ特別編ーにお伺いしてきました。
お茶道のマナーも懐石お料理の正しい食べ方も、恥ずかしながら殆ど知識がないので少し緊張していたのですが、お誘いいただいたコーチングの先生が「茶道をしたことがないビジネスマン向けだから大丈夫だよ」と言ってくださったので、それなら大丈夫かしら・・・と思いながらの参加。
「ビジネス茶道」とは、表千家茶道教授の水上宗恩先生が毎月開いていらっしゃる、ビジネスパーソンのための茶道教室。ばっちり戦っていた戦国武将の信長や秀吉がその合間にお茶を学んでいたように、現代の私たちにとってまさに千利休のような先生でございます。
(ぜひこちらの記事を一読ください)
今回は、富山から懐石料理の中尾先生をお招きして茶懐石を学ぶ、「ビジネス茶道」の特別版。これにお邪魔してまいりました。
くだりを書く前に、お伺いし参加した感想から先に書きますと
「美しすぎる」
「食事」というのがこんなにも美しいものだと・・・この年になるまで知らなかったとは恥ずかしい。
そして、日本人なら絶対に知っておくべきと感じた食事の作法。食事の本当の意味。
日本は美しい、純粋にそう感じた濃密で清らかな3時間でした。
食事の時間に集中するということ
今回の茶懐石を学ぶ特別版は、最後のお茶を大変美味しくいただくためこのような流れで、合間に格式と伝統の講座をまじえながらの会でした。
①お食事をいただく(一汁三菜の懐石料理)
↓
②お茶菓子をいただく(亥の子餅)
↓
③最後にお茶を頂戴する
先生のご説明の後に食事(懐石お料理)をいただくのですが、普段いかに食事に集中していないか。この会に参加して、もうしみじみと感じてしまいました。
私も含めて、現在の忙しい働きマンたちは、
いつもスマホが横にあるし、食事中に仕事の電話かかってきても出るし。最悪な時は、人と食事している時もスマホ見ているし、料理の写真を食事中にSNSにアップしたり。忙しい時はデスクでご飯かきこんだり、おむすび食べながらクリックしていたり・・・、私も先日デスクでPCを見ながらうどんをつるつるすすっておりましたが、これも本当はあかん。
食事は尊い命をいただくという儀式ということを教えていただいた時間でした。
出てきたお料理や器の写真をスマホで撮影したかったのも本音。ですが、その瞬間の動作に集中する時間を大切にすること、目の前の出来事に心を研ぎ覚まして集中すること、そしてそれをスマホではなく自分の頭と心に記憶することが、とても重要なんだと感じました。
今まさにこの食事の時間に起こっていることに集中した、本当に貴重な体験。
そしてただ単に作ってくれた人に感謝・食材に感謝というだけではなく(これも大切なことですが)、自分自身を省みるという発見を、食事の時間にするというのは殆ど初めての経験でした。
器の並べ方、お箸の形にも全て意味があります。
器の並べ方にも、人にとって大切で美しくある条件「精・気・心」の意味が入っているのです。
120%のパワーを仕事で発揮するためには心を穏やかにする時間が必要
今回は茶懐石をいただいく特別バージョンの会でしたが、いつも開催されているお茶会にも定期的にお伺いさせていただきたい本当に素敵な時間でした。
無音の空間で、同席している仲間とコミュニケーションを取り気遣う時間。自分の心を穏やかにする時間。自分のことを省みる時間。
このような時間を定期的に取ることで、違う視点で物事を考えることができたり、これまで付き合ってきた相手との関係性がより良くなったり、普段の生活や仕事においてまた新しいパワーの源になるような気がしています。
そして何よりも美意識が磨かれる
茶道や懐石のお作法は本当に美しい。美しいことにふれる時間を持つこと・作ることはとても大切だと最近思うようになりました。
というのも「美意識を持つ・鍛えること」は、デザイナーやクリエイターだけに必要な意識ではなくこの現代全ての経営者に求められているということを最近読んだ本で知ったばかり。優秀な経営者は優れた美意識を持っている。「数字」「戦略」「理論」にプラスして「美意識」を持っているのです。この本の話は次回たっぷり書きたいと思います。
茶道にふれる機会に恵まれたことに感謝するとともに、日本人に生まれて良かったと心から感じた時間でした。
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