イチローは努力していない??「ぼくたちは習慣でできている」を読んで

2018年私が仕事以外に最も気にかけていたこは「習慣化」。

・朝が弱い
・間食がやめられない
・読書が続かない
・ブログが続かない
・運動が続かない
↑当てはまる人も多いのではないかと思いますが、例にもれず、ほぼ全ての項目が私に当てはまっていたことです・・・。

しかし今年の後半から「習慣」にしていることが「将来を作ること」だと確信し、あの手この手で習慣化するための策を探ってきました。
今でも多くの習慣化したいことができておらず、至らなさ1000パーセントの人間ですが、もう一度「自分が捨てたいもの」「自分のなりたいもの」を書き出してみようと思っていた矢先、「ぼくたちは習慣化でできている」をたまたま本屋さんで手に取りました。

著者の佐々木典士さんは、クリエイティブディレクターの沼畑直樹さんと共に「Minima&ism」を開設。ミニマリズムを紹介した著書「ぼくたちに、もうモノはいらない」は国内16万部を突破し、海外21カ国に翻訳されるベストセラーになったことでも有名な方です。

余談になりますが、「ぼくたちは習慣化でできている」をお読みになる前、もしくは読んだ後でも構わないので「ぼくたちに、もうモノはいらない」もぜひ手にとっていただければ、より習慣にしたいことが「習慣化」できるのではないかと思います。

本の言葉をお借りしますと、例えば
・ジムに行くウェアが、ごちゃごちゃのクローゼットの中で見つかりにくくなれば、それだけにジムに行く「習慣」のハードルになる。
・部屋でヨガをすることを「習慣」づけるために、ヨガマットを出し入れしやすい場所にしまっておく。
・早起きを「習慣」にしようとしても、散らかった部屋とすっきり片付いた部屋では、起きた時も気分が違う。
ということ。
著者の佐々木さんもおすすめしていますが、「習慣」を身につける際は、最初の一歩としてモノを減らすことをオススメしています。

「適切にモノを減らせばそもそも散らかることが減る。複雑な片付け術を身につけなくても、使ったらしまうことが習慣付いてくる」

「習慣」と「片付け」は連動しているということも、この本から気付かさせてくれる重要な点です。

では、話を本題に戻して「ぼくたちは習慣でできている」の話を引き続き続けたいと思います。

1:「習慣化」できない人は意志が弱いわけではない

何か習慣を身につけたくても、三日坊主になることはよくあります。
そしてその時に総じて自分で感じること&他人に指摘されること、それは「自分は意志が弱い」。

では、
意志が強ければ三日坊主にならずにすんなり習慣化することができるのか?
強い弱いで表現される意志力とは一体何なのか?
というところから、この本は「習慣化」について分析しています。

「習慣化」の最大の敵は、
「習慣化してやることで得られる報酬がすぐではない(3ヶ月後かもしれないし1年後かもしれない」
「やならいことで未来に受ける報酬(お金や生活)や罰則(病気など)が想像できない」ということが指摘されています。

人間は将来の報酬(今すぐもらえない報酬)が待てないようにできている生き物。
意志力の強さ・弱さは関係ありません。長年の狩猟採取をしていた太古から培われてきた人間の本能の近いものであり、生きるためにはすぐに食べなければならない、この食べ物を逃せば次にいつ得られるかわからない、という命を守るともいえる考えです。

ところが現代ではまるで事情が変わっていて、日本のような先進国であればほとんどの人が食べることには困っていません。
誘惑を避けて、運動をして病気にならないようにすることが、生き延びるための新たな秘訣となったのです。

だから、「目の前の報酬」がぶら下がっていたとしても、将来の報酬を得たり罰則を避けるために、目の前の報酬を立てる人が「意志の強い人」と言われるのです。

では、意志力を鍛えるためにはどうすればいいのか?
それは単純なことかもしれませんが、常にワクワクした気持ちでいることだと、私はそう感じました。「将来の報酬(将来なりたい自分)」を明確にしておくことは本当に大切だと今年気づかされたのです。

この本では続いて、意志力は感情に左右されて、不安・自己否定感によって失われるということ、意志力が必要な行動を取っても、自己肯定感を感じていれば意志力は減らないということが書かれています。

要するに
「自分のことを大切にする、つねにワクワクする」ということにつながっていくのではないでしょうか。
自分を肯定する気持ちが強くなると、「目の前の報酬に誘惑されていること」すら「意識」することはないのだと言います。

また「意識」が呼び出されている時点で、どちらの報酬がより大きいのか?を判断していることになります。
「習慣」とは「ほとんど考えずに行動すること」ですから、「習慣化」するためには意識自体の出番を減らす必要があるということ。

意志が弱いわけではない、なりたい自分を描くこと、それを常に忘れないこと、
が習慣化を持続できる秘訣なのではないでしょうか。

2:「習慣」とはほとんど考えずにする行動

何事も習慣化しておらず、絶えず優柔不断に悩まされる人ほどみじめな人間はいない。そんな人にとっては、1本のタバコに火をつけることも、1杯のお茶を飲むことも、毎日起きたり寝たりする時間も、ちょっとした仕事を始めることにも、はっきりとした意志が必要である。そういう人は、大半の時間を決断もしくは後悔に費やす。ーウィリアム・ジェームズ

歯磨き、ボタンを留める、靴紐を結ぶなど、子どもの頃は難しかった行為も、繰り返すうちに無意識にできるようになります。
出かける時に「よーし!!靴紐を結ぶぞー!」と思う人がいないように、人の行動の45%は習慣だと本書には書かれています。

私は料理が得意ではありませんので、何か作る時にはレシピサイトを見て、「ええと、次はこれとこれを混ぜてだな・・・その間にこれを炒めておいて・・・」など恥ずかしながら確認しながら料理をすることもしばしば。ですが母親や我が家の夫は、そんな意識をせず料理を作っています。

ちなみに、私がいつもよく訪れる柏駅前のモンテローザさんというパスタとピザのお店のシェフ(とても尊敬しています)は、なんとケーキですら材料を計量することなく、作っています。しかも超おいしいので、私はそこのお店に行った時だけはケーキをおかわりしてもいいということに決めています(意志弱い)
お菓子作りは計量が命!と思っていた私は、以前シェフに「計量をせずに作るなんてすごいですね」と今思えばプロの方に向かってちょっと軽口だったような質問をしたことがあります。

するとそのシェフは「何度も何度も、もう数え切れないくらいというか、ずーっとやっているからね。もう体で覚えているんだよ」と答えてくれました。

少し話が逸れましたが、「習慣」を作る3つの要素は、
・トリガー(合図・きっかけ)
・ルーチン(トリガーで始まる決まった行動のこと)
・報酬
だと本書には書かれています。

朝の時間で例えると
・トリガーはめざまし時計
・ルーチンは歯を磨く・顔を洗う
・報酬はすっきりした自分
といったところでしょうか。

その時最も難しいのは「報酬」です。走ることが体に良いとわかっていても、走ることはつらいこと。しかし、何度も何度も行動することで自分の脳に変化を起こす、自分が感じる「罰則と報酬」を書き換えるということが「習慣」を見につけることで一番大切とも言える過程だということです。

例えば、トレーニングする→つらい→「あれ、最近痩せてかっこよくなったね!」と言われる→嬉しい→またトレーニングする・・・という流れです。
確かに最初は辛い、意志力が必要かもしれない、
ですが歯磨きや靴紐を結ぶことと同じ、一旦身につけてしまえば、大きな報酬がきっちりあるので続けることができます。

なので、自分の身近にいる人が何かを頑張っていたら、ぜひ好評価をしてあげていきたいですね。

3:では「習慣」を具体的に身につけるためには

この本では「習慣」を身につけるため50に分けて段階的に説明をしていますので、ぜひ実際にこの50個をお読みいただきたいのですが、今日は私が気になったステップを少しだけご紹介したいと思います。

1.悪循環を断ち切る

不安や自己を否定するような気持ちで過ごし続けると、目の前の報酬に飛びついてしまうので、それで自己嫌悪に陥り、ますますネガティブモードになるので、まずは悪循環を断ち切る。
そのためには最初のハードルをとにかく下げる。
・その悪い習慣を自分の子どもにもしてほしいか?
・終わった後に後悔を覚えるものではないか?(暴飲暴食とか泥酔とか)
・振り返った時に大きな学びを感じられるか?
まずは悪い習慣に対して、この3つの視点で考えてはどう?という、最初の悪循環を断ち切るステップ。

2.日付で行動する

普段の仕事もそうですが、日付を決めて物事に取り組むことはとても大切です。

あと、落ち着いたらやろう」の「落ち着いた日は」は恐らく一生来ません。
これまで生きてきて「あれ?今落ち着いている?あ、これあの時に思っていた状況じゃない??」と思ったことがこれまでにあるでしょうか?
何か行動を起こす日、それは髪を切る日でもいい、意識を使わずに行動できるように先に日付で決めておくということです。

3.人の目をうまく使う

本当は、人の目なんて気にせず、自分のやりたいことをするのが大事・・・なのかもしれませんが、「習慣」をテーマにした時は人の目は気にする、というよりも「うまく使う」のがうまく習慣化できる効果的な方法だと本書では書かれています。

人は他人の評価を気にするよう生き物、それは太古の昔から集団で狩猟生活をして生活してきたなごりで、仲間はずれにされるとそれは「死」を意味することに繋がるからです。

例えば
・誰かに見られていると姿勢を正す、マナーに気をつける
・一人の時はだらしない服装で過ごしている(私)
・匿名だと悪口を言いやすくなる
ということが挙げられます。

SNSで公言することが全ていいとは限りませんが、「今日から○○します」と宣言するのもいいかもしれません。
常に誰かが見ている、あの人に見られていたら・・・と思うだけでも効果的かもしれません。

「努力」の正体は、実は「習慣」

私たちは繰り返し行っていることの結果である。
だから、あらゆる偉業が行為ではなく、
習慣によって成し遂げられる。ーアリストテレス

・どんな時に意志力が生まれたり、失われたりするのか
・報酬の力が大切
・それを習慣になるまでの方法

これを全部見ていくと、「努力」や「才能」の正体は、実は「習慣」なのではないかと本書は語っています。

イチロー選手で例えると、
イチロー選手は小学6年生の時すでに「365日中360日は激しい練習をしています」と書いており、オリックス時代、普通の選手が20〜30分で終える打撃練習を2〜3時間していたそうです。当時の監督、仰木さんは「あれだけ練習すれば打てるわ。まあ普通の選手はあんな練習できないがな」と語っていたそうです。

そしてメジャーリーグで活躍中の今でも、オフで他の選手が休む中1人球場に通って練習する、試合に出ることがなくても練習する、どう見ても苦しい努力にしか見えないのですが、イチロー選手はいつも「努力はしていない」と言っているそう。

また、しんどい時の乗り越え方は
「日々のやっていることを同じようにやることを大切にしている」
「心から持って行くのは難しいですが、身体をいつもと同じように動かせば、そのうちに心がついてくる。心が積極的になれない時のテクニックです」と言っています。

ルーチンを繰り返すことで、心を調整しているんですね。

イチロー選手は「天才」「才能の塊」と思われていますし、私も本当にそう思いますが、実は私たちと同じで唯一違うのは「習慣」を「習慣化」しているかどうか、ということだけなのかもしれません。

最初はちょっと難しい「習慣化」かもしれませんが、ハードルを下げて、とにかく初めてみることからスタート、来年からではなく今日12月28日からスタートしたいものです!
とりあえず散らかった机をまずは片付けたいと思います・・・

 

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