今年は絶対に
ロンドンに行きたい、行きたい、行きたい!!!
嗚呼、行きとうございます。
できれば6月〜8月の気候が良く爽やかな時期に。
前回行けなかった週末の蚤の市にも行きたいし、コヴェントガーデンももっとゆっくり歩きたいし、ショーディッチなんぞ1ヶ月滞在しても多分飽きない。
それと、前回訪れた時は猛暑(ロンドンなのに日中の気温35度)でぐったりしてしまったけれど、大英博物館を1日かけてじっくり回りたい・・・。
ちなみに、今年の5月23日から8月26日まで、
大英博物館で「The Citi exhibition Manga」と題した大規模な日本の漫画展が開催される予定だそうです。
日本で出現した世界的な文化現象である漫画に注目しながら、アニメやゲームからコスプレなどのパフォーマンスアートまで、日本漫画の魅力とその巨大な影響力を探求、
葛飾北斎や河鍋暁斎などの絵師の漫画やドラマチックなデザインから、
手塚治虫、赤塚不二夫、鳥山明、井上雄彦、尾田栄一郎、萩尾望都、竹宮惠子、こうの史代、東村アキコなどの多彩な作品を紹介する日本国外では最大の漫画展のようですが、
日本人として、海外でどのように漫画文化が見られているのかを、直に感じてみたいでございますね〜。はー、行きてー。
なんて妄想をしていますと、今すぐ航空券を検索したくなってきました。
また、たった一回の訪問ではありますが、大好きになった美術館、
V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート/Victoria and Albert Museum)も、勿論絶対に外せない、また訪れたい場所の一つ。
前回訪れた時は時間の都合で、たった2時間ほどの見学でしたが、ここにもじっくり1日がかりで訪れたいと思う、本当に素敵な場所です。
さて、そろそろ今日の本題をば。
すみません、突然クイズのような文章になりますが・・・、
このV&A美術館には、宣伝のためにキャッチコピーがつけられたことがあったそうですが、それはこの中のどれだと思いますか?
- 「アートの美術館です」
- 「美術館というアートです」
- 「まったく新しいV&Aです」
- 「退屈な、年寄り臭いアートはありません」
- 「素敵なカフェです。いい美術館がついています」
正解を書く前に・・・。
もし自分が美術館の責任ある立場やキュレーターや幹部メンバーのお一人だったと仮定してみてください。
- キュレーターの立場:美術品を適切に保管しなければならない
- 幹部やディレクターの立場:お客様とキュレーター、さらに自分の欲求に応えたい(そうしなくちゃいけない)
こんな立場に立たされた場合、どのキャッチコピーがいいと思うでしょうか?
・お客様に対して効果があるものか、
・それともV&Aの威厳を満足させるほうが大切なのか
どちらが良いと思いますか?
正解&実際に採用されたのは、一番最後の
「素敵なカフェです。いい美術館がついています」です。
きっと顧客満足について少しでも勉強をされた方なら、もうお判りですよね。
これ、とてもいいコピーですね。
これを採用した当時のV&A館長も、素晴らしいセンスでございます。
では次にこのコピーが生まれた背景を書きたいと思います。
美術館に来るお客様の質問をヒントにして、このコピーは生まれた
美術館に来るお客様の最初の質問は、
「トイレはどこですか?」
そして2番目の質問は、
「カフェはどこですか?」だそうです。
↓
それならば、館内のアートよりも美味しいコーヒーとケーキがお客様を引く寄せるかもしれない、
↓
もしお茶おすることが目的だとすると・・・
・「美術鑑賞は散歩がてら」という気安さが生まれる
・しかもただのしょうもない娯楽ではなく、文化的で美意識が高く格式高い雰囲気も味わえる
という流れで、あのコピーが登場したそうなのですが、
このことは、売上の数字や、これまでのマーケティング手法だけでは見えてこないことです。
お客様が困っている&求めていることを、現場がリアルに吸い出した結果で誕生したのではないでしょうか。
少し話が逸れますが、「センスメイキング」という考え・概念をご存知でしょうか?
(今、イノベーションを起こすためには「センスメイキング」が欠かせないと私は先日知ったばかりなのですが。)
センスメイキングについて書かれた本の書評を参考までに貼りますのでぜひご覧ください。
参考 クリスチャン・マスビアウのセンスメイキングの書評徳本昌大の書評ブログ過去の数字やデータだけにとわられずに、顧客一人一人の体験を大切にした考え方が大切だということですが、
V&Aの話で例えますと、
・人々にとって美術館がどういう存在であるのか、
・どういう気持ちで来館するのか、
・何を求めているのか、
ということを知っておくことが大切で、これを踏まえた戦略を、マーケティングや数字から編み出した戦略以外に、考えていく必要があるということです。
要は、「顧客のこと」を真剣に調べる&考えるということでしょうか。
これから私たちデザイナー・コピーライターも、ますますお客様のことをしっかり知った上で表現をしなければならない、ということ、
テクニックだけに頼るのではなく、SNS上の表だけやこれまでのデータ、常識だけを大切にするのではなく、リアルな人の声に耳を傾けていかなければいけません。
今日は私がロンドンへの思いからV&A美術館に繋がり、このコピーの逸話を書きましたが、
このV&Aのお話は元々、ポール・アーデン著「PLAY JOB」という書籍で知りました。
(P144/P145 Which slogan would you choose for the V&A?)
今から10年ほど前に出版された本です。
このコピー誕生秘話以外にも、ビジネスを遊びに変える発想術がたくさん載っているとても楽しい本で、暇さえあれば今でもペラペラとめくって好きな箇所を何度も読んでいます。
また面白いだけではなく、人生や仕事観についても心地よい刺激をしてくれます。
ちなみに、著者のポール・アーデンは残念ながら2008年にお亡くなりになっていますが、トヨタ、ブリティッシュエアウェイズ、インターシティ、フジカラーなど数え切れないほどの広告を手がけられた、イギリスを代表する天才クリエイター。
頭脳明瞭だけど不良、チャーミングだけど短気、という人を魅了するようなギャップを持っていた方でもあります。
実際、V&Aの美術館は本当に素敵です
では、V&A内にあるカフェの、実際の素敵さをご覧ください。
ね。本当に素敵なんですよ。
ケーキやお茶の種類も多くて、美術館に行かずとも、このカフェだけに行くだけでも十分に価値があります。
ちなみに、空調はあまり効いていないので、暑い日はちょっと、いやだいぶつらいかもしれませんが・・・(昨今の異常気象で、昔のヨーロッパは夏でもエアコンいらずの気候だったそうですが、今では日本と同じような30度超えの日も多いとか。)
日本のうちわとか扇子がこういう場所で重宝しそうですね。
書いていたらますます行きたくなってきました!
今年はグラストンベリーフェスティバルには残念ながらいけませんが、ロンドンへはぜひ行きたいと思います。いや、行く!!
コメントを残す