エストニア訪問記<視察編②>スタートアップのためのコワーキングスペース「LIFT 99」がすごかった

エストニアの首都、タリンのタリキヴィ地区にある、
スタートアップのためのコミュニティ&コワーキングスペース「LIFT 99」を視察してきました。

かつての工場関連の施設だった建物を改装し、外観・内装ともとてもアーティスティック。
入り口のすぐ横には、輪切りになった丸太が飾られ、その断面に数多くのスタートアップの名前が刻まれています。


LIFT99は、スタートアップのためのワーキングスペースを提供していると共に、自らを「エストニアンマフィア」と名乗るコミュニティー。

「エストニアンマフィア」とは、地元の人たちが使う言葉でクールなスタートアップを起こす起業家のことを指す意味だそう。
「スカイプなんてダイナソー(時代遅れの産物)」と言う若い起業家たちがこのスペースに集まっています。

実際、このLIFT99では、タクシファイ(エストニア版Uber・タクシー配車アプリ)、トランスファーワイズ(海外送金アプリ)など有望なスタートアップが名を連ねています。

内装は明るくて、とてもクリエイティビティな雰囲気。キッチンや瞑想スペースもあります。


瞑想スペースの部屋には「HEMINGWAY(ヘミングウェイ)」という名前がつけられています。
他の個室にも一つ一つにコンセプトがあり、それに沿った名前がつけられているというユニークなセンスが魅力的な施設。

こちらのボード、ESTONIANMAFIA WALL OF FAMEは、エストニアの中で最も成功したテック企業の一覧。(WALL OF FAMEは訳すと「名声の壁」という意味)

ここに掲載される基準は
・年間成長率80%以上
・年間収益300万ドル または500万ドル以上の出資を受けている
・エストニアの政府に10万€以上の税金を収めている
だそうです。

ちなみに、ボードに星マークがついている企業は、EXITすなわり売却済み。大手企業に買収されて投資を回収したという証です。

今回は私たちのために、LIFT99のメリリンさんがこのコミュニティーについて丁寧にプレゼンテーションをしてくださいました。犬と一緒に。
(余談ですがエストニアの会社・施設を数社訪れましたが犬を会社に連れてくる人がとても多いように感じました。私個人としてはとても素敵なことだなと思っています←動物好きだから。頭を使いすぎた際のヒーリング効果になるように思います)

LIFT99の目標は、
・エストニア発のスタートアップを1,000社にする
・スタートアップのためのファンディングを円滑にする
・法律環境が明確である
・エコシステムに協力的になる
主にこの4つだそう。

実際、スタートアップを起こしているのは4/3がエストニアの人、残り1/4が海外の人だそうですが、先日訪れたエストニア政府のショールームで聞いた「イーレジデンシー」を使ってもっとエストニア拠点のスタートアップを増やしたいという思いを感じられました。


(こちらはお届けロボ。バスからですが実際に走っているところも見かけました)


(大興奮してしまったペットショップボーイズの個室)

LIFT99では、新しい友人や同僚、ビジネスパートナーを得ることができるだけではなく、40ほどの投資家との構築しているネットワークもあり、利用しているメンバーが1年足らずでサービス開発から資金調達までつなげるケースも続々と生まれているそう。

メリリンさんのプレゼンテーションによると、実際に週3回ほど投資家の人たちがこの場所に集まる機会があり、LIFT99を通してアドバイスやインスピレーションをもらうことも可能とのこと。

私が日本のコワーキングスペースと違う大きな点はここだと感じました。

実際にビジネスで成功できるようなきっかけが、LIFT99にはあるということ。
日本のコワーキングスペースでたまに行われている交流会やランチ会だけにとどまらず、もっと具体的に成長できるチャンスがあるように思います。

エストニア訪問前に読んだ本で知りましたが、
LIFT99のCEO、ラグナー・サースさんは「パイプドライブ」(IT企業)の共同創設者で起業を繰り返す連続起業家としてエストニアで有名な人物のよう。
そして、まだ現役のラグナーさんが持っている人脈やスキルを「これからの起業家たちにも与えたい」という思いで立ち上がったこのLIFT99。

起業することへの「思い」「熱量」は、残念ながら日本のコワーキングスペースでは感じることが難しいように思った今回の訪問。

「熱い思い」を持った起業家の人が作ったコミュニティーだから、このLIFT99は世界から注目されるスペースになっているように感じました。

今後はモバイルアプリの開発を予定。アプリを通してメンバー同士の交流を促し起業家たちを成長させるプラットフォームを作っていくそうです。

「ともに働く」「自由に働く」だけではなく
「共に成長する場、コグローインスペース」という言い方がふさわしいLIFT99。

フリーランスの人はもちろん、起業を考えている人、クリエイティブな刺激を得たい全ての人に訪れてほしいスペースです。

(いただいたパンフレットと、ちょっと嬉しいスタートアップのステッカー!)

おまけ:LIFT99の名前の由来は?

LIFT99の名前の由来は、JAY-Zの「99 Problems」にあるそう。

I’ve got 99 problems but a bitch ain’t one
「100個のうち1つ以外(女性のこと)は全部問題だ」

の歌詞のbitchのところをliftという単語に変えて、LIFT99に集う人たちはよく歌っているそうです。
日本語で説明するととても難しいのですが、解釈してみると「持ち上げること・やる気」で99個の問題を解決するよ!というよなニュアンスかな。

ユニークなネーミングセンスにも脱帽の、本当にクリエイティブな空間でした。

まだまだ貴重なエストニア訪問記、続けていきます。

それでは今日はこの辺で。

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