薬機法を無視し続けて広告で「癌(ガン)に効く」と書くと逮捕されますよの話

昨日、夜のニュースをぼんやり眺めていると、とある犬用サプリメントの会社の社長が逮捕されたという一報が目に飛び込んできました。

“犬のがんに効く”としてオリジナルのサプリメントを販売していたこの会社。

まだホームページも閲覧できる状態になっていたのでちょこっと拝見しましたが、
書いたらあかん内容しか書かれとらん。
「薬機法」にひっかかりまくりです。

「薬機法」とはなんぞや?

様々な細かい規則はありますが、簡単に説明すると
薬機法は医薬品以外の商品のパッケージや広告などに文章やコピーを書く時に守らなければいけない法律です。

一番わかりやすい具体例は、
病名(ガン、心臓病はもちろん、便秘、関節痛なども)
部位(目、腰などはもちろん、血流や免疫力なども)
を表示してはいけない、という内容です。

例えば「目の痒み」「関節の痛み」などは、
「目・関節」という部位ワード、
それから「痒み・痛み」というのは病名に当たりますのでNGワードとして認識されます。
この場合は、
「目の痒み」→「ショボショボする悩み」
「関節の痛み」→「最近歩くのがつらい」
などに言い換えて表現する必要があります。

また、「効く」「効果がある」
それに類似する「促進」「改善」などもNG。
「良い」という単語も避けた方が無難です。

なので「効く」という単語は「実感できる」などの表現を用いるのが一般的です。

なので
「便秘に効く」→
「翌朝無理なくスッキリを実感」

「体内の血行を促進して冷えを改善」→
「内側の巡りアップでポカポカ実感」

など、このような文章に置き換える必要があるんですね。

人間用はもちろんペット(犬など)用商品も薬機法は守らないとアカン

「犬用(ペット用)なら人間関係ないし薬機法なんかムシしても大丈夫でしょ?」と思われるかもしれませんが、関係ありません。お口に入るものであれば、人用でもペット用でも、医薬品(お薬)以外の商品に関する説明文については、全て薬機法に沿ったテキストを用意する必要があります。

私も数年前に犬用の健康食品を扱う会社のランディングページで薬機法の指摘を受けたことがあり、それがきっかけで薬機法や景品表示法、あはき法などの勉強をしましたが、サプリメントや健康食品を取り扱う会社さんは、もう薬機法の知識マストです。

現在もペット業界の市場規模は目を見張る金額ですが、今後もっと成長していくと見込まれています。
そんな中、今後「薬機法知りませんでした」では済まされません。
薬機法はペットの食品業界に携わっている人皆さんにもどうか知っておいてほしい知識ですし、パートナーとして薬機法を知っているライターさんやデザイナーを確保してほしいと思います。

しかし、この会社の社長さん、本当に何も知らなかったのだろうか・・・。
今比較的素人さんに近い社長さんでも、化粧品やサプリのOEMを行なっていれば多少の知識を持っている方が結構多いのですが、ここまでNGワード連発されているホームページを拝見すると、本当に何も知らなかったのか、はたまた犬の飼い主さんを騙くらかそうと企んでいたのか・・・。

真偽の程はわかりませんが、騙くらかそうと思っていた悪い人でも、ただ単に薬機法の知識を知らなかっただけでも発信した結果は同じ。最悪の場合、今回のように逮捕されてしまいます。

法律を守りながら信頼してもらえる企業になるために

先に紹介した、逮捕されたワンちゃんサプリ会社のホームページでは
「末期ガンに効いた、治った」
「免疫力アップ」
「細胞分裂を促進」
と堂々とうたっているので、超アウト。

恐らく、再三に渡って厚労省などからホームページや広告改定の忠告を受けていたのだと思いますが、ずーっと無視し続けていたんだろうな。薬機法を甘く見ていたのか、はたまた相当な悪い人だったのか・・・。
とにかくこのように規則を守らないと大変なことになり、結果お客様を裏切ってしまう結果になってしまいます。

ちなみに商品のリンクボタンや、販促のために書かれたブログ、
例えば「ガンが治った〜!詳しい商品を知りたい人はこちらのリンクを見てね♪」も全部ダメです。
書くのであれば、販促に全く関係なく、リンク先や企業のバナー一切なしの情報サイトや個人の日記ブログでのみ一応表現はセーフとされています。
なのでサプリや化粧品のアフェリエイトサイトも厳密に言うと薬機法に沿っていないテキストは全てアウトです。

見ていたニュースに登場していた動物病院の先生は
「広告上の文言だけを
100%受け取るのはまずいかと」
と述べられていますが、
本当にその通りだと思いますし、私たちのように広告を作る側の人間も、常にこのことを忘れてはいけない改めて感じています。
これは薬機法に限った話ではありませんよね。
相手を誤解させないような表現を考えるながら勉強しながら制作することは、本当に必要です。

ペット業界はこれからどんどん伸びていく市場だと言われていますし、現在でも様々な会社が色々な食品やサプリメントを販売しています。
でもどんなに良い商品でも法律に違反してはいけません。

伸びていく市場で、様々な会社が参入しているからこそ、法律に則った適切な表現をして、商品の魅力だけではなくその会社のストーリーや企業姿勢をアピールして、本当にお客様から信頼してもらえる企業になってほしいと思います。

我が家にも猫が2匹おりますが、1匹は15歳。まだ元気ですがたまに調子がイマイチの時もあります。
そんな時にはふと「金に糸目はつけないからとにかく調子がよくなる何かはないか?」と思う気持ちもよく分かります。
このようにペットは家族の一員であると思う方は数多くいますし、これからもっと増えてくると思います。
そんな時に本当に信頼できる食品やサプリメントの会社が、日本に増えることを心から願っています。


(2匹ともうちの大切な家族なので、いつまでも元気にいてほしいと思います^_^)

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

●過去の制作実績はコチラから
制作実績を見る
●グラフィックデザイン、セールスコピーライティングのご依頼はコチラから
お問い合わせフォーム
●Twitter
→@nishi_megumi_24

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA