ふわふわした話からデザインを起こす話

先日、以前に仕事の依頼をいただいた社長さんから、
「ニシさんって、ふわっと伝えた内容をよくああいう感じでよく“ササっと形”にできるよねー。」と言われました。

「いえいえそんな。間に合って、好評でよかったです」(←依頼から納期までほとんど時間がない仕事だった)とその場はお返事して帰りましたが、

えー、すみません、

打ち合わせの時
ふわっと伝えられる時ほど
辛いことはありません。

ですが、
ポイントさえ押さえれば比較的カンタンに形にして見せられるので、そういう意味ではササっと形になっているように見えるのかもしれません。

ここで言う「ふわっとした内容」とは、
文字通りとにかく「ふわっと」しています。

具体的に言うと、
「◯日までにどうしてもリリースが必要で、アレとコレを入れて、こんな感じのことをバーン!と伝えたいんだけど、なんとなくわかる?」なんて感じの内容です。

私のクライアントさんは中小企業や個人で経営されている社長さんが多く、その社長さん自ら依頼を伝えてくることが多いのですが、まあこの社長さんたちはとにかく忙しい。

どんな職業でも立場でも現代社会で忙しくない人なんて殆どいないと思いますが、例にもれずこの社長さんたちも日頃相当バタバタしているわけです。

出張、会食、面接の対応、お客様への対応、経理関係、イベントの調整などなど、全てを一人でこなしている社長さんも多く、このように忙しく働いている社長さんが、◯日までに必要な販促ツールの媒体の内容をしっかりまとめるなんぞ難しい場合が非常に多いんですね。

そうこうしているうちに
「やべー!そろそろデザインしてもらわないと!」と気づいた時に連絡が入り、私が打ち合わせにひょっこり行くと「これとこれがいつまでに必要で!これとこれが!バーンと!」なんてふわふわした猫の毛のかたまりのようなものが会話から出てきます。(毛玉?)


(↑ふわふわイメージ)

話していると最初の1分くらいで
(おおおお、今回もふわふわ具合に磨きがかかっていますね)と感じますが、ここで私も一緒にふわふわしてしまう訳にはいきません。

このふわふわ会話の中で聞いたものを、
こちらは数日後、形にして見せる必要があります。

そんな、ふわふわ→デザインにするためのプロセスを今日は書き留めておきます。

①とりあえず全部喋ってもらう内容を一言ももらさず聞く

まずは相手に全て喋ってもらいます。
ここで「じゃあこれはマーケティング的に・・・」なんて言葉も挟みません。

とにかく聞いた話を一言も聞きもらすことなく全てメモに書き留めます。
この時も「マインドマップ的にまとめて・・・」なんてことも考えずガンガン書いていきます。

後から見るとミミズのような字面が並ぶメモですが、とにかく聞く→書くを繰り返していきます。

そこで「お。これはさっきと同じことを喋ってるからこれは重要な項目かもしれんなー」とか「こういうデザインが好みなのかー」などうっすら掴みます。

②一通り聞いたらこちらのまとめを簡単に伝える

一通り聞いたあと、
絶対必要な大事な三大要素

・ターゲット(誰に見てもらいたいのか)

・必要な情報(価格や会場の場所など間違えてはいけない情報)

・デザインの好み(ターゲットにも刺さってクライアントも納得するデザイン)

を簡単にまとめて相手に伝えます。
この時に先ほど①でめっちゃメモを取りまくり話を聞いていると、上の3つをまとめることはそれほど難しくありません。

↓メモを見ながら頭の中でこれを考えています。

ここで相手が「そうだね!それそれ!」という感じで返事をしてくれる場合はまず安心。

「いや〜、もっとこういう感じかな・・・」という反応の時は、さらに相手の話を聞いて先ほどの3つの内容をさらにまとめていきます。

そして最後に、

・こちらでリサーチして付け加える内容

をこっそり自分メモに書き留めておきます。

最終的にこの4つの要素を簡単にまとめる作業が、実はこのふわふわ会議の中で一番重要で、この時点で仕上がる形の7割程度が決まります。

あとの3割は、美しく見やすいようにまとめつつ、しっかりと訴えるビジュアルに仕上げるだけです。

もちろん形にしてクライントに見せる必要があるので、美しいデザインに仕上げることは必須です。

ですがここで最も重要なのは、
先ほどご紹介した上記の4点(ターゲット、必要な情報、デザインの好み、+自分のリサーチ)で、ここの情報をまとめる力が、このふわふわ依頼を形にする上で一番重要な作業なんですね。

クライントの情報をまとめる力はクリエイティブ力につながるよ

私は依頼時に、クライアントにはできるだけヒアリングシートを記入してもらうようにしています。

ですが、そんな悠長に記入する時間がないケースも多々あります。
その時は、自らがヒアリングシートになる他はありません。

そんな時に必要になってくるのが、聞く→まとめる力。

デザインには一見関係ないように思えますが、ここができるとクライアントからの信頼を得ることにつながってきます。

もちろん「自分の商品(サービス)なんだから、もっと考えてから喋ってよ・・・」と思う時もありますが、忙しい社長さんの頭の中をまとめるのも、実はデザイナーに必要な作業なのではないかと思っています。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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