「センスのある人」とは知識を蓄積して最適化できる人のこと

昨日、クリエイティブ・ディレクターの水野学さんが「どの会社にも必要なブランディング」について語っている記事について書きましたが、
(↓昨日の記事はこちらからお読みください)

良いものさえ作れば・・・売れないよ!の話

この水野学さん、クリエイティブワークに関する著書も何冊か書かれています。

今日はそのうちの一冊「センスは知識からはじまる」をご紹介したいと思いますが、デザインやライティングに携わっている方ならぜひ一度お読みいただきたいオススメの一冊でございます^_^

「センスの良さ」ってなんじゃらほい?

「あの人センスいいよね」という言葉を聞いたり使ったりしますが、何を根拠にして「センスが良い、悪い」と定義するのはとても難しいし、個人の好みによる部分も多い。

「服のセンスがいい」だと、“かっこいい”にすぐ置き換えられますが、「経営のセンスがいい」となると利益をたくさん出している会社がセンスの良さにつながるかというのは疑問です。

利益を出していても社員や取引先がハッピーでなければ、決して「経営のセンスがいい」とは言い切れませんし、逆に業績が悪くても力強い企業を作ろうとしている社長なら「経営センスがいい」と言えるかもしれません。

このように数字だけで測ることのできない「センスのよさ」ですが、著書の水野さんは「センスのよさ」を本書では次のように定義しています。

数値化できない事象のよし悪しを判断し、
最適化する能力である。

「おしゃれ、かっこいい」も数値化できません。

でも一緒にいる人に対し、自分の個性に合わせて服装の良し悪しを判断して“最適化”することはできますよね。

1本100万円以上するヴィンテージデニムでも冠婚葬祭の場で着用すると「あいつ、どんなセンスしとんねん」となるのは皆さん共通で感じることだと思います。

では何故、冠婚葬祭にはデニムではなくそれに相応しい服装をして出かけるのか。
それは「服装についての知識」があるからです。

本書ではこのように、
自分が持っている知識を元に、それを最適化することが「センス」に繋がっていくんだよ、と語られています。

センスの良し悪しが個人と企業の存続に関わる時代

先日のブログにも書きましたが、私が以前リフォーム会社を探したいと思いGoogle先生で検索したところ、見る気の失せるような検索結果がどっさり出てきました。

「どこの会社を選んだらええんや?」状態です。

リフォーム会社だけではありません。
今、どの業界でも全く同じ状況が起こっています。

私もセンスを問われる仕事を普段していますが、以前は専門技術が必須だったWEBの構築もスマートフォンで簡単に作成することが可能になりましたし、専門知識が必要だった印刷発注もパソコンで簡単に発注ができるようになりました。

技術があまりにも進化して、技術力だけに頼って他と差別化することがめちゃくちゃ難しい時代が到来しています。

だからこそ、
企業の価値を最大化する方法の一つに「センス」というものが挙げられて、その良し悪しが会社の存続を左右すると言っても過言ではない、と水野さんは語っています。

時代は「次の利休」を求めている

昨年、山口周さんの著書「世界のエリートはなぜ“美意識”を鍛えるのか」が話題になりました。

その中でも例えられていましたが、日本の現代では今、千利休のような人の存在が求められていると本書にも書かれています。
(山口周さんの書評はコチラをどうぞ↓)

これからのビジネスマンに美意識が必要という話

千利休は茶の湯(茶道)を確率した安土桃山時代の人ですが、この時代は日本独自の「センス」「美意識」が大きく花開いた時代だと言われています。

海外から鉄砲が伝わって、それまでの戦い技術が大きく変わったこの時代。

これが今の現代と似たような状況だよ、と本書には書かれています。

軍事技術が進んで平和が訪れ、装飾や建築も進化して、器もいいものが生まれお茶を嗜む時代が訪れました。

様々なことを選択できるのは豊かなこと。
今の時代も同じ“豊かな”時代です。

その豊かな時代に「何を選んで良いのかわかんないよ・・・。誰かセンスの良い器について教えてよ!」という空気の中で必要とされた人が千利休だったのではないか、と水野さんは推測しています。

全国統一で世の中が落ち着き美に目を向ける余裕ができた戦国時代の後、茶道や芸能に夢中になった大名が大勢いたように、そのセンスを持った人が成長し、また世の中でもそのようにセンスを持った人が求められる時代になっているということなんですね。

どうやったら「センスが良い」人になるのか?

現代にセンスの良い人の存在がいかに重要かということを書いてきましたが、
どうやったらセンス良い人になれるのか?

それはひたすら知識を積むことだよ、と水野さんは語っています。
そして本書では、そのセンスに繋がる知識を効率よく増やす方法についても書かれています。

ますは「基本・王道」を紐解く

先ほど100万円以上のヴィンテージデニムの例えを出しましたが、デニムの王道はリーバイスの501です。120年以上の歴史を持ちながら今だに多くの人に愛されています。

王道のものは必ず「最適化」されていて、
それを様々な知識につなげる「基準」とすることができます。

そして「王道」を知れば、それを基準にして「もっと高品質なもの」あるいは「もっと手軽なもの」、「もっと機能的なもの」というように知識を幅を広げやすくなっていきます。

とは言っても、どれが王道やねん?と
調べるだけでも今はたくさんの情報が出てきます。

しかしこの「王道」を見つける作業自体が
既にたくさんの知識を獲得するプロセスになっているんですね。

リーバイス501にたどり着く前に、自分が踏んだプロセスが、実はもうセンスに繋がる知識となっています。

501を選んだ頃には「なぜ私が501を選んだのか?それは他と比べて・・・」という理由を語れるようになっています。王道にたどり着く前に見てきた様々な判断材料が「センスの良し悪し」を左右する知識として蓄積されていきます。

今、流行しているものも知っておこう

引き続きリーバイス501を例えて書いていきますが、
501を知った後に、今流行している他のデニムについて知るのも大切なことです。

流行は一過性のものですが、数ヶ月前に出た新製品によってそれまで定番だった定番商品がぐらついていることもあります。

このような知識を定期的に更新しておくことはセンスアップに大きく繋がります。

私も日常的にチェックしていますが、コンビニエンスストアで販売されている雑誌をペラペラ読むことは、今流行しているものを知れる一番簡単で、最も重要なリサーチ方法です。

王道と流行の共通点を考えて整理して仮説を作ってみる

王道と流行を常に見ながら、それらに共通していることを分析して、自分なりに考えてみます。

かのスティーブジョブズさんが「点と点」を結びつけることの大切を説いたあの演説はあまりにも有名ですが、一通り得た知識を整理して分解して、繰り返し仮説を立てていくことが、知識を増やすアプローチの最終段階。

「これとこれはこうだけど、こういうのはどうかな?」と
常に仮説→検証を繰り返していくことです。

知識のクオリティが制度の高いアウトプットを作り出す

水野さんは本書の中で、「精度の時代」だと発言しています。

精度とは言葉を変えればクオリティのこと。
どんなものでもクオリティが高くなければ選ばれない時代が来ていると説いています。

例えば3人の人が福沢諭吉について肯定的な評価をしたとします。

Aさん「福沢諭吉ってすごいよねー」
Bさん「福沢諭吉って慶大を作った人だからすごいよね」
Cさん「福沢諭吉って「日本を変えてやる!」と志士たちが騒いでいた頃「次の時代は学問が必要になるだろう」と考えて慶大を作ったところがすごいよね」

3人の意見は同じですが、信用度とクオリティの差は明らかですよね。

商品やアイディア、企画にもこれと同じことが言えるということ。土台となる知識がいかに優れているか、いかに豊富か。

センスが良い人は豊富で良質な知識を材料に発想をしています。
感覚的なものではありません。

「差別化」という言葉がよく使われますが、
この「差別化」こそが「精度=クオリティ」に宿っています。

先日、夫がスポーツ雑誌・Numberのラグビーワールドカップ特集のムック本を買ってきて、
「Numberの写真はなんかいいんだよなー。他にはないんだよ。いつもNumberの表紙を見て買っちゃうの」と言っていました。

私もNumberの写真は素晴らしいと思います。
ですがなぜいいのかを語れと言われても、「写真がいいから、かっこいいから」と漠然とした答えしか出てきません。

なぜいいのかはもちろん、カメラマンさんの卓越した撮影技術に他ならないと思います。

撮影知識→撮影センスがあるからこそ、書店で販売された時「わ!かっこいい!!」と思ったうちの夫がいます。他にも多くの方が同じことを思って購入しています。
だからNumberは多くのスポーツファンに愛される一冊になっていると私は思っています。

カメラマンさんの技術や経歴、知識はNumberには一言も書かれていません。

カメラを扱える人はたくさんいます。
ですが、Numberの写真を取れる人には、その写真を撮影するための多くの技術や知識が備わっています。

差別化とは、詰まるところ
知識の結晶=センスの塊
なのではないかと感じています。

今日のまとめですよ

知識とセンスの関係についてとてもわかりやすく書かれている水野さんの本書。

センスが特別な人に備わった才能ではなく、様々な知識を蓄積してそれを最適化することは誰にでも可能です。

まずは自分が小さい島の中で閉じこもった生活をしていることを認識することです。

「仕事のことなら知ってるもん」
「好きなあれのことなら知ってるよ」
これだけでも生きるのには何ら不便はありません。

ですが、このようなマインドが実は見えない鎖になってお互いを縛り付けて、ますますいろんな世界を知ることが面倒になってしまいます。

世の中には何の知識もなしに素晴らしいひらめきを持つ一握りの天才がいるかもしれません。

でもそんな才能を持っていない、私のような「普通の人」も知識を蓄えることによって、素晴らしいひらめきが生まれたり、センスの良いクリエイティブを生み出すことが可能と語る水野さんのこの一冊からは本当に勇気をもらえます。

それでは今日はこのへんで。

\お読みいただきありがとうございます/

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