先日、一般社団法人コトマーケティング協会の理事・松野恵介さんがfacebookの投稿でシェアされていた話にちょっと感動してしまいまして・・・、今日はその内容をご紹介します。
それは、福岡県北九州市で金属加工を営む佳秀工業株式会社さんが立ち上げた化粧品ブランドの話。
「誰を幸せにしたいか?」にフォーカスしたブランドで、応援したくなる「ストーリー」を持つ本当にステキなブランドです。
先にご紹介した松野恵介さんもfacebook内で書かれていましたが、
こちらは1969年から機械金属加工(設計、加工、曲げ、切断、塗装、組立など)を主に事業を展開。業績も大変素晴らしい会社だそう。
本事業とは別に2013年に新たに発足したヘルスケア事業部では化粧品の原料の提供やOEM生産もされています。
私が感動したのは、
この佳秀工業さんのヘルスケア事業部が、現場で働く人のために作った化粧品ブランドMWの(ムウ)のハンドソープの話です。
金属加工の会社が化粧品ブランドをなぜ作ったのか?
それは現場で働く社員さんのある習慣がきっかけでした。
元々の事業、金属加工の現場で働いている方は、業務終了後に手につっくついた細かい金属片や汚れを洗い流すため何度も何度も工場にある手洗い洗剤で手を洗います。
そのおかげで現場の人の手は常に荒れていました。
洗えば洗うほど手が荒れる。
冬場は全ての指先に絆創膏を貼らなければいけないほどの荒れ具合だったそうな。
これは余談ですが、私も食器洗いをする時は手袋を欠かしません。
元々アルコールや香料入りのボディソープを使うと赤みが出て痒くなったりしてしまうので「汚れが一瞬で落ちる!」洗剤はありがたいですが、皮膚のことを考えるとどうしても素手で食器洗いをすることに抵抗を感じてしまいます。
日常の食器洗いのレベルならともかく、細かくて繊細な作業に携わる現場の方が、指先の勝手がきかなくなる手袋をつけて作業に当たるわけにもいきません。
現場では女性も多く活躍しているこちらの会社。
手に残った細かい金属片を洗い流す時の気持ちを考えると心が痛みます。
話を戻しますが、
このヘルスケア事業部の会議で、社内の研究者の方が隣に座った女性の手に気がつきました。
加工処理の最終仕上げを行う彼女の手は、金属粉による汚れが細かい部分に残ってそれをきれいに洗い流すために工場内のハンドソープで手荒れをしていたそう。
その時、その研究者の方は
「現場で働いている人のために、このヘルスケア事業部で培った技術や研究が役に立つかもしれない」と考え行動を始めます。
そして同事業部で開発・製造し、
「現場で働く人を支える化粧品ブランド“MW(ムウ)”」を立ち上げ、
この度発売したのが「保湿ハンドクレンジング(ハンドモイスチャークレンジング)」。
十分な洗浄力を持ちながら、市販品に含まれるアルコールやスクラブ効果の原料を省いて無添加としているため、肌を優しく洗い上げて手洗い後の保湿効果が期待できるハンドソープです。
このハンドソープの話は、2019年10月24日の日本流通産業新聞を始め、各メディアでも取り上げられています。
参考 現場で働く人を支える化粧品時事通信金属事業会社の「ヘルスケア事業部」が
本当に幸せにしたい人は誰なのか?
それを考えた時、
一番大切にしたい・幸せにしたい存在の人は、他ならぬ自分の会社で毎日働いている社員のみなさんということに、あの会議で見た女性の手荒れで気づいたんですね。
このハンドソープを開発する前、現場のスタッフに手荒れについてリサーチをしたところ、
・自分の体質のせいだと思って諦めていた
・手の汚れが落ちないので、子どもと手を繋ぐのが恥ずかしい
・デートの前は強力な溶剤で無理やり汚れを溶かしていた
など様々な悩みを持った方がたくさんいました。
そして実際に開発したハンドソープを現場の社員さんに試してもらったところ想像以上に大好評だったそう。
さらに近隣会社の現場で働く人にも使い心地を試してもらい、その感想をもとに改良を重ねて先月11月から一般販売されたこのハンドソープ。
工場などの現場では人員不足が問題になっていますが、
働いてくれる社員の悩みや不満を解決しより働きやすい会社に変えていくことも、会社拡大と同じくらい大切だと考えている同社。
現場で働く方々の気持ちを考えたブランド理念も、本当に素敵。
このハンドソープを作る時には、ある女性社員から「そこに気づいてくれる人はいなかった。ありがとう。」と心を揺さぶられる言葉もあったそう。
会社の新たな取り組みとして、ヘルスケア事業部を立ち上げる……だけではなく、
女性社員の手荒れをきっかけに、一番幸せにするべき人を考えた佳秀工業さんの姿勢には、本当に感動を覚えるし、めちゃくちゃ応援したくなるストーリーがあります。
もしこの「現場の人を支えるブランド MW」が誕生しなかったら、私もこの会社を知るきっかけはなかったと思います。
良いストーリーを持つブランドは、
商品は多くの人から共感されて広がって、ファンが増えます。
自分の技術や知識が、困っている人の役に少しでも役に立てば……。
私も日々それを志して仕事をし、ブログを書いていますが、この会社のように形に残るものをこれから作っていきたいと深く感じたストーリーでした。
それでは今日はこのへんで。
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