「おじさん構文」をデザイン視点から考えてみた話

先日、面白い記事を見つけたので思わず読み耽ってしまいました。

その記事はコチラ↓

参考 社内チャットで「おじさん構文」を振り回す上司が、無自覚にやってる「4つの問題行動」マネー現代

「おじさん構文」

について、
まあ厳しい指摘をしている記事でございます^^;)

さてこの「おじさん構文」とは。

チャットやメールなどで

文章内にやたらと
絵文字や顔文字を使う

語尾で突然カタカナを使う

若干自虐的であり
自身の可愛さアピール

をしているというのが特徴。

主に「おじさん」と呼ばれる世代が、こういった文章を作成することから巷では「おじさん構文」と呼ばれるようになりました。

ちなみに、このアプリ(ダウンロードの必要なし)を使うとパソコンやスマホ上で、誰でも簡単に「おじさん構文」が作れます↓

おじさん文章ジェネレーター

絵文字レベルや句読点レベルも自由に調整できます。

MAXにするとこんな感じ↓

ちょっと(いや、かなり)読みづらいですが、愛の詰まった文章が出来上がります。(そして笑いが止まらなくなります)

ちなみ私はこの「おじさん文章ジェネレーター」を使って、友達とツイッター上でリプの返信をし合っていた時もあったのですが、

気持ち悪いから
やめてwww

と言われていましました>_<

(おヒマな方はこちらの記事もぜひご一読ください↓)

参考 【対決】迷惑LINEアカウントにウザいおじさん文章を送りつけてみた! (対 強敵麻衣ちゃん編)ロケットニュース24

この「おじさん構文」は、今に始まった話ではなく、数年前からネット上でも話題になっており、

今では“わざと”その構文を使ってLINEを送り合う

という現象まで現れるほどの「話題の現象」。

なんと「おじさん構文」を使ったグッズやLINEスタンプも発売されています。(ご興味のある方はググってみてください)

 

がしかし

改めて考えてみれば
何とも可哀想な話でございます。

「おじさん構文」はよく見ると

とても丁寧な文章であり、
上から目線ではなく、

相手のことを思いやった優しい文章なのであります。

ちなみに「おじさん構文」と名付けられていますが、おばはんでもこんな文章を書くひとはゴロゴロいます。

↑(あくまで自動生成だが)「体調悪くても仕事しなさい」と言われるよりよっぽど優しいです。

ところでこの
「おじさん構文」。


改めて考えてみると、

日本独自の文化でもあり、

日本だからこそできる
文章のデザイン

でもあるんですね。

書籍「デザインはストーリーテリング」のP100でも解説されていますが、絵文字は元々日本生まれのツール。

ちょうど私が高校生だった1990年代の必需品、ポケベルやPHS(懐かしー!)でメッセージを送信する際に使われていたドットアイコンが、今の絵文字のツールとなっています。

2021年の今ではiOSやAndroidには、オリジナルの“Emoji”が標準搭載。

新しく考案されたEmojiの採用は、ユニコード(Unicode)審議委員会が決定しますが、一時的な流行や特定のブランドは認めらない、など審査基準は意外と厳しい様子。

なので、より表現力の高いアイコンシステムを作ろうとする動きが広がり、“Emoji”はデザインの領域を広げていると言われています。

書体デザイナーのコリン・フォードさんは、

これまでになかった
フォントとイラストの
中間的存在

小さいキャラクター

人々の会話を豊かにする

と日本生まれの
“Emoji”を絶賛。

ご自身でオリジナルの絵文字を作る制作をしているほど、その独特なデザインにコミュニケーションの可能性を感じているそうです。

こうやって考えますと、

「おじさん構文」は、

テキストだけの
やりとりが主流の今、

「会話を豊かにしたい」
という気持ちが
溢れんばかりに
表現している

コミュニケーションを
デザインしている

とも言えます。

がしかし!!

服装と同じように
文章にもTPOがあります。

これは「おじさん」に限った話ではありません。

おっさんだろうが、おばはんであろうが、女子高生だろうが誰でも、です。

私は以前、留守時に飼い猫の面倒を見てくれる猫シッターさんを探しており、とある施設の女性のシッターさんを見つけて、お伺いの連絡したのですが、

その返信には、

まさに
「おじさん構文」と同じように、
絵文字・顔文字が
ぎっしり使われていました^^;)

ホームページを見ると、シッターさんは優しそうで、しかもめちゃくちゃべっぴん。そして若い。

若くて可愛くて優しい

↑これだけで判断すると
「この人良さそう」と思えますが、

初やり取りにも関わらず、
びっちりの絵文字が使われたメールをもらうと

こいつ本当に
仕事
できんのか?

と、一気に疑う気持ちが心に充満してしまいます。

結局その方に依頼することはなく、他のシッターさんを探し、ちゃんとした文章で返信してくれた方にお願いすることにしました^^;)

結局シッターさんには全然懐かなかったうちの猫。

文章が悪いわけではない

送る相手を
選ばない
そのセンスが
よろしくない

んです。

「おじさん構文」と名付けられると、さも「おじさん」だけが悪いようなイメージがつきますが、ただ単にTPOへの気遣いが足りないだけです。

これはデザインでも同じです。

「わ〜!これ可愛い〜〜♪♪」
と一人でテンション上がって、

可愛らし〜いデザインをバキバキのコンサルティング会社の依頼で提案したら、

こいつちょっと
頭おかしいんじゃねーか

と思われてもしょうがない。

↑これと全く同じことです。

 

変な文章でも、
心がこもっていれば良い

と私は思っています。

いちいち指摘される筋合いなんてないです。

だけど、

その変な文章を
一体誰に送るのか?

これは送信ボタンを押す前に
よーく考える必要があると思っています。

受け取る人の気持ちを考える

ここを大事にしながら、
日本発のEmoji文化を、コミュニケーションツールに上手に取り入れていきたいなと思う今日この頃です。

それでは今日はこのへんで。

\お読みいただきありがとうございます/

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