海外旅行に行けない日々が続いているので、夜な夜な過去に行った旅先の写真をスマホで見ていると、懐かしのロンドンを訪れた時の写真が出てきました。
この時は2週間ほど滞在したので、市内の美術館や博物館もたっぷり観て回ったのですが、その時訪れたV&A(ビクトリー&アルバート)美術館には、また機会を作ってもう一度訪れたいと思っています。
さてさて、
そんなV&A美術館が
かつて使用したキャッチコピーに
私が好きなエピソードがあります。
それは2008年に亡くなった、イギリスの天才クリエイター、ポール・アーデンの著書「PLAY JOB」の一説に書かれています。
Which slogan would you choose for the V&A?
V&Aの宣伝のためにあなたならどのキャッチコピーを選ぶ?
というタイトルで、
当時実際に選考に残ったキャッチコピーと、選ばれたキャッチコピーについて書かれている一説です。
選考に残った
キャッチコピーは以下の5つ
- アートの美術館です
- 美術館というアートです
- まったく新しいV&Aです
- 退屈な、年寄り臭いアートはありません
- 素敵なカフェです。いい美術館がついています
もうおわかりかと思いますが、
実際に採用されたのは5番目の
素敵なカフェです
いい美術館がついています
なんですね。
V&Aは1899年に現在の名前に改称され、その名の通り当時のヴィクトリア女王とアルバート公が基礎を気付いたとても歴史と由緒ある美術館。
なので、当然威厳を感じるクリエイティブが必要です。
しかし、当時のV&Aの館長、
エリザベス・エスティーヴ・コールさんは
威厳を保つことと同時に
お客さんの目線になって
このコピーを選びました。
美術館に来るお客さんの
質問で最も多いのは
1位:トイレはどこですか?
2位:カフェはどこですか?
なのだそう。
あの展示はどこですか?と
美術館の内容を聞いてくる人はあまりいないんですね。
↑これを知った館長さんは、
美味しいコーヒーとケーキを揃えているカフェをアピールし、
しかも文化的で格調高い雰囲気の美術館で、有意義な散歩ができる
これでいこう!と決意し
素敵なカフェです
いい美術館がついています
というコピーを採用したそうです。
もし館長のエリザベスさんが、
いやいやいや、ないっしょ、
ウチは歴史ある美術館なんだから
と自分の威厳を保つことだけを
考えていたら・・・、
ここまで有名なエピソードにならなかったかもしれませんよね。
だから、
このキャッチコピーを採用したエリザベス館長も、
とてもセンスがあり、そしてお客さんのことをよく考えている人なんだと改めて実感します。
それと同時に
もちろんクリエイターの
プレゼン力も必要ですが、
新しい切り口を理解し
柔軟な発想を持つ
代表や経営者さんの存在も
本当に大切
と感じるエピソードです。
ちなみに私も、そのV&A美術館のカフェでお茶をしましたが、
なるほど、素敵な場所で
館内の美術展よりも混んでいて、座席に座れないほど人がいっぱいでした^^;)
美術館に来たら、やっぱりおしゃれなカフェでお茶したり、ランチしたりしたい、とみなさん思うのでしょうね^_^
↑カフェの隣にある公園でも多くの人がくつろいでいました。
また絶対機会を作ってV&Aに再訪したいと思います!
↑
ちなみにこの本、トヨタ、ブリティッシュ・エアウェイズ、フジカラーなど様々な広告を手掛けてきたポール・アーデンさんの思考が見える、本当に面白い一冊です。
それでは今日はこのへんで
\お読みいただきありがとうございます/
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