人生って、そんなに長く働かなきゃいけないものでしょうか。
ゆっくり朝ごはんを食べてから出勤して、しっかり働いて、暗くなる前には帰る。
そして、好きなことをする。それって、本来はごく普通の、誰もが叶えられる暮らしだと思うのです。
国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」のオーナー、中村朱美さんの著書、「売上を、減らそう。ーたどりついたのは業績至上主義からの解放」を読了しました。
お店の運営や従業員に対する考え方、接し方など、今の時代だからこそ見習うべき点がたくさんある一冊。
さらに、これを書いたのが女性であるというところにも非常に感銘を受けました。
「売上を上げる」ことに固執せず、仕事と自分の生活のバランスを取ること、従業員の暮らしを充実させることに重点を置いた経営方針は、多くの経営者の方にぜひ気づいていただきたい点だと思っています。
2012年オーナーの中村さんが28歳の時、ありったけの貯金500万円を使って京都の西院にオープンした、「国産牛ステーキ専門店 佰食屋」は10坪14席の小さなお店です。
飲食店ですが、これまでの飲食店とは全く違う経営スタイル。
またご夫婦お二人とも飲食店での勤務や経営経験はありません。
そんな佰食屋の特徴は、
・ランチのみの国産牛ステーキ丼専門店
・どれだけ売れても1日100食限定
・インセンティブは、早く売れば早く帰れる
・営業時間わずか3時間半、11時から14時半
・飲食店でも残業ゼロ
・なのに従業員の給料は百貨店並み
と従来の飲食店からは考えられないような経営を実現しています。
堀江貴文さんは自身が監修した本の中で、佰食屋さんを次のように紹介しています。
・サービスを極限まで絞ることで売上を上げる
・飲食店の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる
つまり、
どれだけ儲かってたとしても
「これ以上は売らない」
「こる以上は働かない」
と業務量を先に決め、時間内でしっかりこなし、最大限の成果を挙げる。
そして残りの時間(人生)を自分の好きなように使う、
というのが佰食屋の経営方針です。
佰食屋さんで働く従業員にとっての目標はただ一つ、
「1日100食を売ること。そしてその中で、来られたお客様を最大限幸せにすること」。
どんなに忙しくても100食までという終わりが見えているから、従業員は日々目標をそこに合わせることができ、常にモチベーションがキープされた状態で勤務ができます。
佰食屋さんの営業時間はランチタイムの3時間半。従業員の出勤時間は9時〜17時。既存の飲食店では殆ど考えられず、「うまくいくわけがない」と専門家の人たちに散々な言葉を言われたそうですが、オーナーの中村さんは、
多くの会社では、上司が部下を叱咤激励します。売上が落ち込んでいると「頑張れ」、元気がないと「頑張れ」、
(中略)
でも、みんなもう十分、頑張っているじゃないですか。
(中略)
だから、わたしたちは「頑張れ」という言葉を使うのではなく、「仕組み」で人を幸せにしたいのです。
と語ります。
また
人生って、そんなに長く働かなきゃいけないものでしょうか。
ゆっくり朝ごはんを食べてから出勤して、しっかり働いて、暗くなる前には帰る。
そして、好きなことをする。
それって、本来はごく普通の、誰もが叶えられる暮らしだと思うのです。
(中略)
この働き方をもっと日本に広めたい。
そう考えて、わたしたちは新しい挑戦をはじめようとしています。
とも本書で綴っています。
もはや、かつて当たり前とされてきた働き方は過去のもの。
「人生100年時代」と言われている現代では、どんな人生を望む人でも、持続可能な働き方をした方がいいと中村さんは語っています。
佰食屋は、1日100食という限定性を持って
いつも行列ができ、メディアにも取り上げられる有名店になりました。
でも実はこの背景にある
「もう頑張れなんて言いたくない。私は仕組みで人を幸せにしたい」、
という強い思いが現れた店舗に、多くの方が共感されたのではないかな、と思います。
「会社を存続させるためには、ビジネスをスケールさせ、利益を追求することが重要だ」
「多店舗展開をしよう。今年も前年比を更新して売上を増やそう」
は、あくまでも経営者の目線のみの考え方。
もちろん、この考え方は必要なことです。
しかし仕事と生活のバランスを考えた時、
みんなが売上を追いかけて
うまくいっていないのなら、
もうそれを
追いかける必要なんてない。
(100食以上売らないのか?売ったほうが儲かるのに、の問いに対して)
たしかに売上は上がるでしょう。
でも、働く時間は増えるのに、給料はあまり変わらない。
会社が儲かっても
社員が報われないのはおかしい。
と考えるオーナー中村さんの考え方には、
多く大切なことを気付かさせてくれます。
次回は従業員を雇用する時の独自の考え方などをこちらでシェアしたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
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