佰食屋の採用方針に学ぶ、「優秀な人材」とはどういう人なのか?

国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」のオーナー、中村朱美さんの著書、「売上を、減らそう。ーたどりついたのは業績至上主義からの解放」を読み、で仕事と生活のバランスを取る経営方針の他にもう一つ、とても感銘を受けた話がありましたので今日はこちらに書き留めたいと思います。

前回の記事はコチラから↓

「売上を減らす」ことで人生を豊かにする飲食店オーナーの経営方針とは

中村朱美さんは、本書の中で
「お客様も従業員と対等、どちらも大切な存在」と語り、従業員には
「お客様が限られた時間の中で最大限満足していただけるよう、調理・接客・おもてなしの努力をし、お客様を大切にしてほしい」ということを求めています。

つまり、
中村さんが従業員に求めるのは「現場」で、
逆に言うとそれ以外のことは一切業務として課すことはないといいます。

そして
私がこの本の中で最も感銘を受けたこと、

「それは100食限定のステーキ丼を販売しているブランディング力」
「残業なしの勤務環境を作っていること」
ももちろんなのですが、

様々な状況が重なり仕事に行き詰まった、
所謂「就活弱者」の人たちを採用し、
その人達の個性を最大限に生かすようにしているということです。

シングルマザーの女性や障がいがある方、留学生の方、高校を中退した人、ご高齢の人など、普通の会社から見ると「マイノリティ」の方がここでは多く働いています。

面接を20〜30社受けたけれどどこにも採用されなかった人、以前の職場で理不尽な経験をしてしまった人、子育てや介護で早く帰るのをいつも申し訳ない気持ちで働いていた人など、様々な背景を抱えた人たち、「働くことの尊さ」をわかっている人たちを積極的に採用し、とても大切にしているといいます。

佰食屋の仕事は
「残業ゼロ」
「誰でもできる仕事」
だとオーナーの中村さんは語ります。

だからこそ、
真面目にコツコツを働いてくれる方、
消極的かもしれないけれど
人に優しく接することのできる方
選らんで採用をしているそう。

世の中がイメージする「仕事ができる人」は手際が良くテキパキしている反面、口調が乱暴になったり思うように仕事の進まない同僚に向かってイライラしてしまったり、と軋轢を生む可能性もある。
イライラは周りにも伝染するのでお店の雰囲気も損ねてしまいます。

「優秀な人材」というのは、リーダーシップがありコミュニケーション能力が高く、自らアイディアを出し率先して仕事を生み出せる人・・・だけではありません。

佰食屋さんにとって「優秀な人材」とは、
日々のルーチンワークに対して真面目に業務に取り組める人、
人に優しくできる人、
地道な仕事をおろそかにせずできる人
のことを指しているんですね。

私の周りにも、前の職場で精神的に辛くなってしまい仕事を辞めざるをえなくなった人がたくさんおりますし、私が以前に勤務していた会社でも、メンタル面の病名を告げられ退社していった女の子が何人もいます。
また保育園から小学校に進学するお子様がいるパート従業員の方に対して、会社が「仕事とのバランスが取れないのなら辞めてください」と言わんばかりの光景も見てきました。

そして「誰か他にいい人はいないのか?」と新しい従業員を探す。

本書で中村さんは、

「誰かいい人はいないか?」とふと口をついて出た時、
経営者は「うちはいい会社なのか?」という問いに自分自身が胸を張って答えられる環境を用意できているか、考える必要があるのでしょう。

と語ります。

また

会社とは人の集まり、従業員に対して最も重視しているのはスキルではなく、人間関係がうまくいくかどうか。

どうすれば売上が上がるか、という視点でスキルだけを優先した配属を作った場合、どうでしょうか?
聞こえてくるのは
「アイツは使えない」
「わたしはこんなに頑張っているのに」
「また尻拭いか」
といった人間関係の愚痴ばかりでしょう。

と記しています。

また経営者の考えとして「人を雇う時は、その人の人生はもちろんのこと、その人の家族や大切な人の幸せまで面倒を見る」ことを大切にしているか、ということを問いかけています。果たして、そこまでの覚悟を持った経営者がどれほどいるのか?と。

「従業員はせいぜい頑張って、稼いでくれたらいい」
「営業時間を伸ばせば伸ばすほど、売上は上がる。何とか頑張ってもらおう」

そんな経営者を見ると
「自分がやりたくないことを、なんで人にやらせようとするん?」とツッコミを入れたくなると言う中村さん。

自分が絶対にやりたくないこと(人のせいで残業をすること、18時以降働くことなど)を明確にしているからこそ、今注目されている佰食屋さんの仕組みはできあがっているんですね。

私自身、パートナーである夫も飲食店勤務。
周りの友人にも飲食店で勤務している方が非常に多く、飲食店の仕事にもこれまでご縁をたくさんいただいてきました。

毎日繰り返されるルーチンワーク、現場で働く方を軽視するような方にもお会いしたことがあります。
ですが、
真面目にコツコツ働くこと、
人に優しくできること、
が働くことに置いて、どんなに大切なことか。

もちろん、これは佰食屋さんのオーナー中村さんの採用方針にすぎませんが、
改めて「働く上で大切なこと」に気付かされたと感じています。

デザインやクリエイティブの世界でも、こういった基本的な大切さを大事にした働き方ができる業界になってほしいと思います。

「自分の働き方は自分で決める」
「苦しい原因は、上司でも長時間の労働でも、妻でも夫でもなく、全ての原因は自分にある」

そんなことにも気づかされてくれる、現代で働く多くの方に手にとっていただきたい本だと感じています。そして、次回京都を訪れた際には、ぜひ西院の佰食屋さんのランチをいただいていたいと思います^_^

それでは今日はこの辺で

\お読みいただきありがとうございます/

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