今アメリカで、あのアマゾンを脅かすまでに成長したオンラインショッピングのアプリがあるそうな。
それは「wish」という、中国産の日用生活雑貨を超格安で販売するアプリです。
facebookを利用している方なら、もしかすると一度はこの名前を聞いたことがあるかもしれません。(wishはFacebook最大の広告主とも言われています)
wishは、アパレルからデジタル機器、コスメ関連、アクセサリー、ベビー用品、DIY用品など、ありとあらゆる様々な商品を販売していますが、驚くのはその価格。洋服などは100円台から購入できる商品もあります。
私は以前から、この摩訶不思議な商品群の写真を眺めるのが非常に好きで、欲しいものこそないので実際に購入に至ったことはないのですが、たまにスマホのアプリを閲覧しては、その画面に流れてくる大量の商品の写真を見て、いつも何とも言えない気持ちに襲われています。
今日この記事を書くにあたり、久しぶりにアプリを起動するとセールが開催されていました。
ちなみにこれまで数々のショッピングアプリを見てきましたが、「じゃじゃーん!」と言われたのは初めてです。
たしかに、じゃじゃーん!と言いたくなるような値引率ではあります。
先にご紹介したセールは頻繁に開催されており、中には商品自体が0円、送料のみで購入できるアイテムもあります。しかもその送料も300円代から。今後の取り決めがどうなるかは未知ですが、中国・アメリカ間の取り決めで、2kg以下の商品は安価なレートでの輸送が可能だそう。だから送料もこのように非常に安価で済むわけです。
商品はもちろん新品。
ただし全てのアイテムが中国製で、質の悪さは否めません。また配送時期もいい加減で長い場合は注文してから自宅に配送されるまで約1ヶ月を要する商品も存在します。
しかも中には、明らかに偽物と一目で認識できるものもいっぱい。
イヤホンなど、アップル社が販売しているそれと酷似しているものが多々販売されています。(しかも安く)
質が悪い、
配送遅い、
偽物いっぱい、
だけどめちゃくちゃ安い、
このように謎の商品ばかりを扱っているwishのアプリですが、
なんと昨年2018年には、アマゾンを抜いて、世界で最もダウンロードされており、更に驚くことにアメリカでは第3位の売上を誇るECサイトに成長しています。
Googleで「wish」と検索すると、「wish 怪しい」「wish 危険」などの想定キーワードが出てくる他、商品の質と配送の遅さをあざ笑う記事がたくさん出てきますので、お読みいただくとあらゆる部分の「いい加減さ」がご理解いただけると思います。
しかし、
みんなが「最悪w」「ヤバいw」と書く感想に反し、月に1回以上世界中の約9,000万人が、このwishでお買い物をしているという事実があることにも驚きです。
このアプリは中国が開発したものだと勘違いされがちですが、実はこれ、アメリカのECスタートアップが立ち上げたアプリ。元Google出身のエンジニア作っており、アメリカ版の「タオバオ」(アリババグループが設立した中国の激安オンラインショッピングモール)と言われています。
wishは、中国の業者が作った商品を大量に仕入れて販売。商品自体も本当に安いですが、アプリを立ち上げるごとにもらえるクーポンや次のお買い物時に使えるクーポンが配信されるので、初めてお買い物をした80%の人が、またお買い物しに戻ってくるそう。
また、アマゾンなどと同じくアプリを利用している人がクリックした商品のデータを取り続け、オススメの商品を表示するという機能を搭載しています。
しかし、アマゾンと違うのは、アマゾンプライムのように年会費を払うことで受けられる翌日配送サービスや、プライムビデオを提供したりしていない点です。
wishのターゲットは、アマゾンプライムの年会費(アメリカでは120ドル=約13,000円)すら払うのが惜しいと思っている、1ドルショップの愛好者で、お給料日前にはクレジットカードが利用不可になる所得層。その所得層は、商品の細部の質や、配送日にこだわらないことを、wishを作った開発者はよく知っているのです。
元Googleのエンジニアが立ち上げたこのwishは、「人々が望むに違いないものをシリコンバレーの技術で」という考えではなく「実際に人々が望んでいるもの」に意識を向けて作られたそう。
日本では色々と笑いのネタにされているwish。実際私もこのアプリを長年閲覧していますが、「この商品ほしい!」と思ったことは一度もありません。
しかし、
世界一ダウンロードされており、約9,000万人の人が月に1回このアプリを利用してお買い物をしているという事実は、色々な意味で決して笑うことのできないことだと感じています。
技術がどんなに進化しても、
お客様が一体何を欲しがっているのか
真剣に考えること、
主役はあくまでもお客様であること。
このような理念をwishから感じられるような気がします。
先月、ベトナムのホーチミンを訪れた際にも、謎の生活雑貨店「メイソウ」を見て、またその業績にも驚いたばかりなのですが、今回の「wish」に関する業績にも驚きを隠せません。
↓メイソウの記事はこちらからどうぞ↓
ベトナム・ホーチミン訪問記⑭ユニクロと無印良品とダイソーを合体させたようなお店“メイソウ”に行ってみた。 ベトナム・ホーチミン訪問記⑮MINISO(メイソウ)でBluetoothイヤホンを買って聴き比べしてみた日本にいると気付きにくいですが、
質が良いものを求めるのは、実は世界のほんの一部の人達なのではないか…、とさえ思ってしまいます。
それでは今日はこのへんで。
\お読みいただきありがとうございます/
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