中古ユニクロがフリマアプリで大人気という話

買い物をする時、お客様は「売る」ことを考えて買う時代になったらしい

先日、日経新聞の記事に面白い記事が掲載されていました。
何でもユニクロの古着がフリマアプリで今人気で、売る方にも買う方にも需要があるんだとか。

これまで、オークションサイトやフリマアプリでは高額のブランド商品の売買が多く見られましたが、この記事を読むと、高級品であることだけが「ブランド」という時代はもう終わりを迎えているようです。ユニクロの商品は所持していること自体はステータスにはなりませんが、「一定の品質」「安心の機能性」が周知の事実であることから、消費者はその事実を知っていてフリマアプリで売買しているそう。
実際にフリマアプリで「ユニクロ」と検索すると、ジーンズやフリースなどがいっぱいでてきます。

実際に私もフリマアプリを利用して、ユニクロのウルトラライトダウンを購入した経験があります。それは昨年イギリスのグラストンベリーフェスティバルに参加する直前、現地の夜の気温が12〜15度になると聞いて、軽量で質が良くて且つ手頃な値段のダウンジャケットを探していました。

その当時、季節は初夏だったので店頭にダウンジャケットがあるはずもなく、フリマアプリで検索。良品のものが店頭の1/3程度の価格で購入することができました。現地のイギリスで大活躍。「いいお買い物できた」という印象が残る出来事でした。

ちなみに、少し話が逸れてしまいますが、ファッションセンターしまむらで、「裏地あったかパンツ」の自分に合ったサイズが店頭にない時は、ぜひフリマアプリで探してみてください。
裏地あったかパンツ、ほんとーーーーに快適。10月から4月の始めくらいまで欠かせません。

しまむらには、一商品に対して、同じサイズを一定数、場合によっては1個しか店舗に並べません。お気に入りのデザインやサイズは、店頭で見つけた人の早い者勝ち。(だから「しまパト」なんて言葉が生まれ、自分のお気に入りの商品を探すという人たちが出てきたのですが)

15年前は地方にしかないほんと〜にもっさい店でした(すみません)でも7〜8年ほど前からSNSが登場し、「しまパト」(しまむらをパトロールする)なんて言葉が生まれ、これまで以上に小学生から20代のおじょうちゃんおねいさん、30代以上のお母さん、おばちゃん、おばあちゃんに欠かせないお店になりました。

すごいね、しまむら。「しまむら安心価格」は本当に安心です。

話が逸れましたので、フリマアプリのことに話を戻します。

日本人独特?の「もったいない」という概念

この記事の続きでは、さらに面白いデータが出ていました。
一個人が「モノ」をシェアするシェアリングサービスが、今日本で急成長しているんだとか。

シェア経済の説明を引用します

シェア経済市場のうち、民泊や駐車場などスペースのシェアが占めるのは1400億〜1800億円。単発で仕事を受注する、家事代行やイラスト制作などの形でサービスを提供するスキルのシェアは150億〜250億円。ネットの仲介業者を通じてスペースやスキルをシェアする働き方を米国ではギグ・エコノミー(Gig Economy)と呼び、配車サービスの「ウーバー」の運転手、便利屋サービスの提供など、新たな非正規の就労形態として急速に成長している。これら「サービス」のシェアに対し、日本においては、フリマアプリ経由を中心とした「モノ」のシェアが3000億円と最大で、存在感が大きい。  

モノのシェアが3,000億。すごい数字です。

以前から中古本やリサイクルショップの中古流通の認知度や基盤はありましたが、ここまで成長した理由は日本人特有の「もったいない」意識が主な理由だとこの記事は語っています。景気が低迷する中、中古ショップを利用するのは「節約のため」という視点が強く残っていましたが、経済産業省が実施したアンケート結果によると、フリマアプリを利用する理由の回答第一位は「捨てるのがもったいないから」だったそう。

「お小遣い稼ぎ」の回答もありますが、それ以上に多かったのは「モノの有効活用をしたい」「誰かにもらってもらいたい」理由だそうです。

売ることを考えて買う

私が以前に勤務していた会社の上司は、所謂「お小遣い制で生活しているお父さん」でしたが、いつも新しいパソコンを持っていて、いつも新作のNewBaranceを履いていました。そのカラクリは「買う時に、売ることを考えて買うんだよ」と教えてくれたことを今でも思い出します。

その話は今から7〜8年ほど前の話ですから、まだフリマアプリなどは存在せず、オークションサイトがインターネット中古品売買の一般的なツールだったのですが、その方は上手に取引を行い時にはお小遣いまで稼いでいました。その上司と、今フリマアプリを利用している人たちの利用する目的は違うかもしれません。

ですが、今店頭では欲しい商品を目の前にして、その価格がフリマアプリでいくらで売れるか値段をチェックする人がたくさんいるそうです。

10,000円のお洋服でも仮に5,000円で売れれば、自分のお財布負担は半額の5,000円。

車や家電業界ではこれまで見られていたかもしれませんが、アパレルなど女性に身近な業態にもこうした意識を持っているお客様が急増しているというのは驚きです。

企業はこの「売ることを考えた消費」の作戦を考えるべきだと、この記事は語っています。

広告も、売る時のことを考えた広告を作るべきなのか?

もし作ったらとても面白そうです。
洋服の前に「この商品はフリマアプリでも大人気の型。来年までトレンドが続きますから来年5,000円でも売れます!」なんてPOPつけたら、売れ行きはどうなるのか、ちょっと気になるところです。店舗の倫理観に反してしまいそうですが・・・。

しかし、これだけモノが溢れている時代。「自分たちの商品が一番!」ということはもちろん大切なことだと思いますが、時代の流れに合わせていくことも大切なことかもしれない・・・。とふと思った今日この頃です。

どちらにしろ、モノは粗末にせず自分の手元にあるものは大切に使いたいし、「もったいない」と思ってリサイクルする心は大切にしたいですよね。

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