チラシのデザインテンプレートは役に立つか、立たないのか?

最近、どの素材サイトでも提供している「デザインテンプレート」。
まさにデザイナー泣かせと思われるこのテンプレート達ですが、もしあなたの会社がAppleほどの世界的企業ではなく、個人経営or中小企業の場合、テンプレをダウンロードし、パワーポイントやIllustratorを作ってチラシを作って、もし集客に大成功できるのであれば、1億円を賭けても良い!!!(持ってないけど)とここで断言できます。

デザインももう少しブラッシュアップできそうですし、現在グレー色の箇所に写真を入れたら印象も変わりますが、正直そんなことはデザイナーの私から見ても最後の最後で良い話。
世に溢れているテンプレートに言いたいのはデザインの良し悪しではありません。

このチラシじゃあ、「プログラミングの生徒を募集している」「連絡先」「月謝」ということしか見た人に伝わらん!
自分の子供が今すぐにプログラミングを習いたいと言っている
近所で今すぐ教室を探している
月謝に納得できる という3つの条件を兼ね揃えた人なら、もしかすると連絡するかもしれない。

けれど、そんな3つの条件を兼ね揃えている人が果たしてどれくらいいるのか?
バルト三国のエストニアのように9歳からロボットを作る授業なんぞを受けていない日本の小・中学生の子供達とそのご両親に「将来プログラミングが絶対必要!」「いや〜プログラミングっていいよね」「今時プログラミングは常識っしょ」と思っている意識の高い人達がどのくらいいるのか?
そこだけでも非常に申し訳ないが、もうツッコミどころ満載のチラシです。
すぐゴミ箱に捨てられちゃうよ・・・。

なぜプログラミングを習うことが必要なのか?、小・中学生のうちにプログラミングを習うことが将来どのように良い影響を与えるのか?
これがチラシで伝わらなければチラシの意味はありません。

例えば、

これからの時代に必須!AIに仕事を取られないために小学生から習っても遅くはないプログラミング。

世界の小学生はもう始めている!小学生でも簡単にできるプログラミング講座で新世代の「手に職」を

このコピーが大正解かはともかく・・・
この内容だけでも「プログラミング」を習うことのメリットについて少しは伝わるようになるのではないでしょうか。

チラシを配るだけで集客ができるのだったら誰も苦労しない

ごくごく稀にですが、「チラシ作りたいんです!ロゴマークをドーンとのせて!お金かけたくないんで自分で配ります!」という個人経営の方が相談に来る時があります。
そういう方には一度落ち着いていただいて、「チラシを配ってどういう効果を得たいんですか?」とお伺いします。

「認知度を上げたいんです!」「問い合わせがほしいんです!」と意気込んでお話しをいただきますが、
このようにご相談に来られる人たちが思い込まれていることが2つ。
・チラシさえ作れば申し込みがあると思っている
・自分で頑張って1軒1軒を周りポスティングすれば申し込みがあると思っている
・美しいデザインであればチラシの効果があると思っている

悲しきかな、チラシさえ作って配布すれば集客できるなんてことはまずありません。

「いや、何回も継続的に配布していれば認知度は上がると思います!」とごくごく稀に言われるのですが、チラシの内容をしっかり重視して整えない限り、絶っっ対に認知してもらえません。もう絶対にと言い切る。

今更書くのも何ですが、
1995年から今から13年前、丁度Youtubeが認知されてきつつあった2006年までの11年間で、消費者にとって流れてくる情報量は637倍になっているそう。今は2019年ですので、恐らく637倍より更に数字が増えているはず。(2006年から13年経った今だと1,000倍は超えてそうだな・・・)
2006年の時点で637倍です。極端な話ですが、95年の時には1日にたった1枚しかポストに入っていなかった広告が、今は1日に637枚(それ以上)入っているということ。こんな莫大な広告から自分の広告を見つけてもらうのが大変か、それとも簡単なことか、もう書かなくてもお分かりかと思います。

なので「チラシを出す」時は「出す」だけではダメ、戦略を持って出さなければお客様には見つけてもらえないのです。

自分の商品やサービスがどうお客様に役立つのか、を考える作業を面倒くさがってはいけない

認知されたい・問い合わせが欲しいのでしたら、ブログやSNSでコツコツ集客のための文章を投稿することも大切です。

とは言っても経営者のみなさんは忙しいのでブログを毎日更新したりすることは難しい、なのでチラシに頼ることになると思うのですが、チラシ1枚作る時でも、商品・サービスが「お客様にとってどう役に立つのか?」をしっかり考えることや「これまでのお客様の感想」を洗い出す作業は必須です。

ごくごく稀に、この作業すらしないご依頼者様がいらっしゃいますが、あかんです。
認知してもらうためのブログを更新やるのも面倒くさい・時間がない、商品&サービスのお客様役立ち度を書き出すのも面倒くさい・時間がない。
ただ、自分のやりたいことだけをアピールする。これではチラシを作ってもほとんど意味がない結果になってしまいます。

チラシ製作時に重要なのはデザインテンプレートではなく、質問テンプレート

なので私はデザインの依頼をいただいた際、自分の商品&サービスの強みをチラシに反映できるような、質問テンプレートを先にお客様にお渡しして、打ち合わせ前に一度記入していただくことが多いです。このテンプレートに従って記入し、後で打ち合わせをすれば短時間でチラシ内容にふさわしい文章を引き出しやすくなります。

この質問テンプレートは、少々長いテンプレートですがお客様に渡すと皆さん一生懸命書いてくれる。
あとはそれを見ながら細かいお話を聞いていくのですが、この質問テンプレートに沿って話をしていくと、事前に記入していただく&目を通すことで双方の頭が整理されているので打ち合わせも有意義な時間になりますし、話がブレにくくなります。
そして何よりチラシの重要な要素である「キャッチコピー」のヒントがゴロゴロ見つかります。

チラシで大切なのは文章が90%、デザインが10%(デザイナーの私がデザイン10%というのも少し悲しいですが事実)

チラシで肝となる大切な文章を作るため、最初の打ち合わせの時に商品やサービスについて記入できる質問シートは、本当に重要ですし重宝しています。

今日のお告げ

素材サイトも無料でデザインテンプレートばらまくんだったら、内容の濃い質問シートを有料で販売すればいいのに・・・

とこっそり思っている今日この頃。
無料テンプレートを見ていると何だか怒りがこみ上げてくるので(笑)私が質問シートの有料版を作っちゃろうかと密かな野望を抱いております。

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