同じ商品でも視点を変えればヒット商品になる話

気づいたら今年もあと1ヶ月ちょいで終わり(怖)。
先日は年末恒例の「流行語大賞」のノミネートも発表されていましたが、私が今年気になったニュースといえば、アメリカブランドの撤退や衰退のニュース。本ブログでも数回話題にしました。

憧れの存在であり続けることの難しさ 「安い・可愛い」だけが売りだと長続きしない

先日もバーニーズニューヨークの売却や救済の話が話題になっていましたが、アメリカだけではなくアパレル業界全体に広がる不振の話は後を絶ちません。
長年小売店の販促デザインを手がけてきた私にとって、このようにお店の業績が下がるお話には本当に寂しさを感じます。

そんな中、
先日発表された「日経トレンディ」のニュースでは、久しぶりに今年ヒット商品の堂々第1位にある小売店の話題が掲載されていました。

 

そのお店は、
職人さん、現場で働く人のためのギア専門店
「ワークマン」です。

日経トレンディでは、昨年2018年にも「2019年のヒット商品予測」でワークマンの名前を挙げていますが、予想を裏切らず堂々の第一位。

低価格でありながら機能性の高い商品を展開しているワークマン。
職人さんや工事現場で勤務されている人は、作業服や履いている靴など身につけているものの消耗が早いため、1人のお客様が1回のお買い物で2〜3着まとめて購入するのが当たり前。なのでワークマンで取り扱っている商品は高機能の商品群を大量生産しコストを抑え、それが販売価格に反映されています。

ちなみに、調理師である夫が普段厨房で履いている靴も、どんなにいいもので高額なシューズを履いても2ヶ月もすればボロボロになるので、「滑らず丈夫」なシューズを気軽に取り替えることができる商品を販売しているワークマンは、本当に職人さんの味方です。

私が見習いたいと感じた、ワークマンの着眼点は、
既に日本に浸透しデパートやショッピングモールのセレクトショップにも並ぶようになった欧米のアウトドアブランドと、昨今のカジュアルファッションの流行を見て、それを自社に取り入れたところです。

この取り入れは見事にヒット。
職人さん以外のアウトドアファッション志向の男性や、毎日自転車でお子さんの送り迎えをする女性にも受け入れられるようになりました。

昨年は、ショッピングモールのららぽーと(立川)に、「ワークマンプラス」をオープンしたところ行列ができるまでの混雑ぶりに。

ただし販売されている商品は、
以前から郊外にある「ワークマン」で販売されているものと全く同じ商品です。

(↑こちらは我が家の近くにあるワークマンさん)

このような陳列の仕方だと「作業着」という印象になりますが、
「ワークマンプラス」のように、

↑このように陳列されていると同じ商品でも、
受け取る印象が全く違いますよね。

・これは経営者向けに発売していた商品だから
・これは主婦向けだから

など、今まで販売していた商品のターゲットを変えるとまた別の新しい販路が見えて、販売しているものは同じでも見せ方であるデザインを変えれば、ヒット商品になる可能性はおおいにあります。

そう考えると、違う視点を持った提案をすることができたり、違う切り口で商品を魅せることが可能なデザインの役割は、まだまだこれからも重要なパーツになると思っています。

冒頭に書いた、経営不振となってしまったアメリカのアパレルブランド達も同じターゲットやコンセプトではなく、世の中の流れに上手く沿った販売をしてまた復活してほしいなと願うばかりです。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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