以前に勤務していた会社は、京都に本社があったので、普段メインで制作していた大手量販店用の販促デザインの仕事とは別に、京都でビジネスをされている会社の仕事も稀に引き受けていました。
その中でも私の思い出に残っている仕事は、
京都市内で舞妓体験ができるお店から依頼されたチラシ製作のお仕事。
今から10年以上前の話です。
こちらの店舗では舞妓さん用のヘアメイクセットと着物を着付けるサービスを行なっている店舗。
舞妓さんに変身した後の写真撮影はもちろんのこと、ご予算に応じて京町家の坪庭など野外でのロケ、街散策など思い出作りには至れり尽くせりのサービスを提供しているお店です。
当時20代前半で、まだまだ駆け出しで勉強中（今もだけど）の私は、最初この店舗から支給された広告用のモデル写真に「えー、こんな写真良いと思えないけどなー」と印象を抱いていました。
その写真は、
金髪巻き髪でメイクばっちりの
ギャルギャルしい若い女性が
↓
華麗な舞妓姿に変身する
という写真。
今は金髪巻き髪のギャルもほぼ絶滅と言われていますが、その仕事をしていた2010年前後はまだそんな方がたくさんいらっしゃいました。
その金髪ギャルさんが、舞妓姿に変身する写真に違和感を感じた私は、当時の上司に「この写真これでいいのでしょうか？」と質問したのですが、その時に言われた回答は私にとってかなり勉強になった一言でした。
「この写真はこれでいいの。
金髪ギャルはこのお店のターゲット層なの。
舞妓になりた〜い♪♪キャッキャッって思っている
20代前半の女の子層を狙っているの。
しかも金髪でも、舞妓ちゃんにしっかり変身させる技術があるということをこの写真で示しているんだよ。
これがフツーの黒髪さんの落ち着いた子が変身していても全然驚かないでしょ？
もっとターゲット層と写真の関連付けを勉強してや〜」
・・・
確かにそう。
このお店が当時ターゲットにしていた層は、
20代前半で京都観光に来た思い出作りにお友達同士で変身した〜い♪と考えているキャピキャピの子たちで、おばはん達をメインターゲットにしていませんでした。
広告のメインに使う写真、特に人物写真は本当に大切で、
その商品・サービスがターゲットにしている層に刺さる写真でなくてはいけません。
なので必ずしも美人・イケメンである必要はなく、その広告を見た見込み客の人が一目で親近感を覚えるような写真を選ぶことが一番大事なんですね。
今は、フリーフォト、もしくは月額制のストックフォトでも簡単に広告用の写真を選べる時代ですし、スマホのカメラ機能もアップし肌補正できるアプリもたくさん登場し、だれでも簡単に美しくキレイな写真を撮影できる時代になりました。
キレイな写真を使う、美しいモデルさんを使うことも大事ですが、もっと大事なのは「その広告のターゲットに合っているか？」を考えることです。
私が日頃の製作で、肖像権フリーのストックフォトを検索していてよく感じるのは、どの人もみんな「美人すぎる・イケメンすぎる」モデルさんが多いということ。
「ビジネス 女性」で検索しても、ものすごく美しく非の打ち所がない女性がわんさか出てきますし、男性の場合もイケメンは当たり前、スーツをビシっと着こなして全員足が長くて、持ち物も素敵・・・。
モデルさん自体は素敵でも、出来上がった広告なりLPなりを改めて眺めると、そこには何とも言い表せない「違和感」を感じてしまいます。
写真のモデルさんが大事なのではなく、
大切なのはその媒体が「共感」を感じる内容になっているかどうかです。
簡単に写真を選べる・撮影できる今だからこそ気をつけたいし、気を使いたい箇所だと感じています。
ちなみに、
先ほどご紹介した「舞妓体験」のお店。
私が製作担当したのは、今から10年以上前の話ですが、現在も京都で元気に営業中です^_^
ホームページを検索すると、ブログも日本語と英語で頻繁に更新しており、インスタグラムやYoutubeなどでもお店のことを発信しています。
着物のコーディネート、季節に応じたかんざしの説明や、半かつらの作り方、メイクのやり方、舞妓さんの所作などなど、情報が盛りだくさん。
10年前とは色々状況が違う今、また数ある舞妓体験処から選ばれるため、お客様に向かって情報発信しているこちらのお店を見て、なんだか感動してしまいました（笑）
↓よかったら覗いてみてください^_^
https://kyoto-maiko.com/
私も負けずこれからも発信していきます！
それでは今日はこのへんで
＼お読みいただきありがとうございます／
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