値上げの相談に喜んで納得できる理由

私が日頃デザイン制作をする際、絶対に欠かせず長年お世話になり続けている外注先さまが1社あります。

それは、写真切り抜きサービスを行ってくれる切り抜き.jpさん。
ミニ四駆で有名なTAMIYA、ソニーミュージックさん、など大手会社とも契約されている有名な切り抜きサービス会社。24時間3交代制、350名体制で1日に約24,000点の写真切り抜きを行なってくれます。

フリーランスになってからもうすぐ丸6年になりますが、6年間毎月超お世話になっています。

最近は自動で切り抜いてくれるツールも登場していますが、精度から見るとまだまだイマイチで細かいところが気になるため、重要な写真の切り抜きは全て切り抜き.jpさんに依頼をしています。

会社員時代の頃は経費削減を徹底するように言われていたので、どんなに複雑な写真も全て自分の手で切り抜いていました。

おかげでPhotoshopのテクニックを覚えることができ作業スピードも上昇しましたが、複雑な写真を1枚切り抜くためにかかる時間は、およそ30分〜小1時間。

こんな写真が3枚あると、写真を切り抜いてデザインに反映させる素材に変換するまでに既に3時間弱。午前中の仕事が全て写真の切り抜きなんてこともザラにありました。

フリーランスの今お金はもちろん大事ですが、それ以上に時間の方が大事になってきたので写真の切り抜きはためらわずキリヌキ.jpさんにお願いしています。

写真の複雑さによりランク分けされますが、
作業時間6〜15分ランクは1枚120円。
一番複雑で作業時間30分〜40分ランクは1枚350円で切り抜いて仕上げてくれます。

この感動クオリティが、半日〜1日以内（日曜日・祝日は除く）で仕上がってきます。

毛が複雑な人物の写真や、動物たちもこの通り。

この間に他のデザイン制作を進めておき、切り抜いた写真が上がってきた時点ではめ込めば、時間の節約につながり1日に制作できる案件数を増やすことも、他のことに時間を使うことも可能なので、毎回本当に助かっています。

ところで、この切り抜き.jpさん。

実際の写真切り抜き作業は日本から遠く離れた南インドのバンガロール市から、さらに100kmほど離れた郊外に位置するトゥムクル市の農村部で行われています。

作業を担当されているのは、もちろん現地にお住まいのインドのみなさん。いつも丁寧に写真を切り抜いてくださり、一度もクオリティに不満を感じたことはありません。

作業を行なっている現地法人は、情報セキュリティの国際規格である、ISMS（ISO27001:2013）を取得済。安心のセキュリティ環境で作業が行われているんですね。

切り抜き.jpを運営する株式会社メディアバックオフィスは、この農村部に高速ネット回線やサーバーなどのインフラを整備。

雇用機会の少ない南インドの農村部で仕事をする環境を整え、社員教育を行い、現地の中学校にコンピュータを提供したり、スポーツ大会へ協賛したりなどなど、私たちのようなクリエイターにサービスを提供しながら、現地を支援している会社です。

そんな南インドの方々が作業している切り抜き.jpさんですが、先日「値上げのお願いメール」が届きました。

人件費を向上したくご協力をお願いできないだろうかとのこと。

作業時間6〜15分ランクは1枚120円から140円に、
作業時間30分〜40分ランクは1枚350円から450円に2月末日から値上げされます。

ちなみに、私が利用し始めた約6年前は、1枚あたり90円ほどの作業費だったと記憶しています。

それから比べると年々作業費は値上げされていますが、この値上げが現地の人々の役に立ち、働くことが楽しく、稼いだお金で生活に余裕が生まれたり、新しいことを学ぶきっかけとなってくれるのであれば、本当に嬉しく思いますので喜んで値上げに賛同です。

今「SDGs」がメディアでも取り上げられ、先日の2月11日はJ-wave（ラジオ放送局）でも、SDGsを特集した番組が放送されていました。

私自身は特にSDGsに関して特に大きな取り組みもできず、せいぜいスーパーにエコバッグを持参する、買いすぎをやめる、くらいしかできないのですが、このように外注先さんの背景を知り、その方達に敬意を表してお金を払うことも、今できる一つの取り組みかな、と思っています。

世界中の農園が生まれるチョコレートもコーヒーも大好きですが「どのブランドを選ぶか」ということも今日からでもできることの一つですね。

もちろん商品やサービスの質が良いのは大前提ですが、考えに納得できる、応援したいと思う、要はファンになることで「値上げ」の理由にも納得できるのではないか、ふとそんなことを思った今日この頃です。

それでは今日はこのへんで

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