良いパッケージデザインは良いコンセプトから生まれるよ、の話

先日、ふらっとコンビニに行くと新しいパッケージのポテトチップスが売り出されていました。

湖池屋さんが2月3日から新発売している「フライドポテト」。同社がプライドをかけ、まるで料理を作るが如く作り上げたポテトチップスです。


(画像:湖池屋フライドポテト公式サイト

スナック菓子を食べるとクセになってしまうので、なるべく買わないようにしているのですが、湖池屋さんが発売しているポテトチップスには食塩不使用・添加物不使用の商品もあり「小腹満たし用」に時々購入しています。(本当はナッツが望ましいのですが)

先日買って食べてみましたが、小ぶりなサイズなのに厚みがあって、まるで「薄いおせんべい」のようで美味しかったです。

この新発売される前のポテトチップスのシリーズも、発売当初から想像以上の売り上げ。

ポテトチップスにも関わらず、一時期は売り切れになる店舗も続出したことでも有名の大ヒット商品です。当初は季節限定発売の予定でしたが「定番化してほしい」の声を多数受けたほど。

ちなみに、58gで130円前後で販売されていますから、スナック菓子の中では決して安くありません。それなのに売り切れになるほど売れるなんて、ものすごいことです。

先日読んだ日経ビジネス誌にも、この新ポテトチップスのことが特集されていますが、この湖池屋さんのポテチリニューアルは今とても注目されており、パッケージデザインを真似する他社も登場するほどになっています。

参考 湖池屋の変身 「脱・2番手意識」でヒットメーカーに日経ビジネス

スーパーやコンビニエンスストアのスナック菓子のシェア率は、カルビーが約7割と市場のほとんどを占めており、湖池屋のシェアは2割ほど。業績も低迷し厳しい戦いが続いていたそうです。

ところが2016年に「氷結果汁」や「生茶」などのヒット商品を生み出し「伝説のマーケッター」と呼ばれる佐藤章さんが社長に就任。

自社のポテトチップスの味や食感、パッケージデザイン、パッケージの形状まで全て見直しリニューアルをしていきます。

「安い商品」で勝負するのではなく、単価が高くても選んでもらえるような商品に作り直していったんですね。

ちなみに、
コンビニエンスストアでお客様が商品を選ぶのは、わずか2秒と言われています。

なのでパッケージデザインは目立つことが必須。しかも「青」や「白」は食品を美味しさを打ち消し、目立たない色とされているので、食品業界のパッケージデザインからは“タブー”とされていました。

しかし設定したターゲット層や、売り場の状況を観察しまくった結果、新商品のポテトチップスは「青」や「白」をベースにしたデザインが施されています。

同社では、かつてはマーケティングのブランド担当者が一人きりでコンセプトを考え、それを元に上司や担当者がコンセプトを固めて戦略をしていましたが、先に紹介した佐藤章社長が就任してからは、ブランド担当者が4〜5人、時には営業担当も参加し多面的な視点を取り入れるブレストを実施する会議に変更しました。

そうしたところ、

「部内のコミュニケーションが活発になり、議論を通じて消費者を多面的かつ深く理解できるようになった」

と変化を感じた担当社員が多数存在し、会議も楽しい雰囲気に変わっていったそうです。

このように、
活気のある雰囲気の会議で多数の人の意見を取り入れながら一から商品を見直していくので、コンセプトやターゲットもより深く見直すことができたんですね。

新発売されたポテトチップスのパッケージはとても斬新です。
こんなスナック菓子のパッケージ、他社にはなかなかありません。

しかし、パッケージデザインだけにこだわるのではなく、商品を使う人の現状などを深く知ること、その上で誰をターゲットにするのかを考えた結果、本当に良いパッケージデザインができるのではないかと思います。

「見た目」だけが良くても、すぐ見透かされてしまう今、改めて買ってもらいたい人のことを「深掘り」する大切さを、この湖池屋さんのポテトチップスから感じた今日この頃です。

・・・書いていたら食べたくなってきました。
それでは今日はこのへんで。

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