いわゆる美食家、その中でも特に美食を求めて、世界中の高級レストランを巡り歩くような一部の裕福な人々のことを、「フーディー」と呼ぶそうですが、
今全国、いや世界中のフーディーの注目を
集めているレストランが京都にあります。
それは、京都東山の路地裏にある、
築120年の町家を改装し
2019年7月にオープンした
LURRA゜(ルーラ)です。
LURRA゜のことを知ったきっかけは、今年2020年頭に読んだカルチャー誌。
「このレストランだけに来るために京都を訪れる価値がある」
「予想がつかない一皿が出てくる」
「全く新しい食の体験」
など、その記事内容と既にネットに書かれている評判を見て、いつかいつか行ってみたい・・・と思っていたのだけど、
LURRA゜のメニューは25,000円(税・サービス料別)のコース一択、予約可能時間は17時半と、20時半の2回のみとのこと。
と、半ば諦めていたのだけど、
今回京都を訪れるにあたって、ダメ元で予約に「1名」と入力すると・・・、
なんと20時半の予約時間で、1名でも予約できたので、今回一人でLURRA゜を訪れ、食事をいただいてきました。
(何気に一人きりでコース料理をいただくのも初めてです)
今日はそのLURRA゜でいただいた食事の一部始終をお伝えしたいのですが、ダラダラ書いていても眠くなるだけなので、
先に感想の結論を書いておきたいと思います。
<結論>
食事が好きな人には
絶対に訪れてほしい
食を通じて
度肝を抜かれる体験ができる
唯一無二の空間
正直私はフーディーではないし、決して美食家でもなく、加えてお酒が飲めず、そういう意味で食に関しては「ちょっと損」しているかもしれません。
だから力強くオススメしても、説得力がないかもしれない。
がしかし、
40年と数日生きてきた中で、
最も斬新であり
最も食で感動し、
驚かされました。
LURRA゜は、
和洋中などのジャンルを飛び越えて地元の食材を使い独自のスタイルを料理に反映し自由に表現し、
“(伝統+革新)×シェフの個性=イノベーティブ・キュイジーヌ”
という、「フュージョン」と呼ばれる美食ジャンルから進化した「イノベーティブ・キュイジーヌ」のジャンルに当てはまるのではないかと思いますが、
そんなジャンルを逸脱していている気がします。
「新しい食を体験してみたい」方は
本当にぜひ一度訪れてほしい・・・。
誰かさんの口コミと重複しますが、
このためだけに京都を訪れても
全く損はないと、
ここに断言しておきます!
築120年の町家を大改装した斬新な空間
LURRA゜の場所は地下鉄東西線東山駅から徒歩5分ほど。
平安神宮からちょっと下がったところにあり、周りは同じような伝統的な町家で営んでいるお店や、いわゆる「一見さんお断り」の会員制のバーなどがある、超ひっそりとした雰囲気の路地にあります。
後から聞いたのですが、この町家をレストランに改装するのは本当に大変だったそう。
食事が終わったあとに、食材を貯蔵している2階も見せていただいたのですが、町家の時の梁や柱がそのまま残っていて、革新的でありながら伝統を感じられる内装です。
またお手洗いに行く途中には美しい中庭があり、3本のカエデの木が植わっています。
席はカウンター12席のみで、オープン時間に合わせて一斉に着席して順にコース料理をいただきます。
シェフ3人とサポートメンバーが繰り広げるショータイムのような調理
LURRA゜のシェフは3人。
コペンハーゲンの名店「Noma」など海外で経験を積み上げた3人が、ニュージランドのレストランで出会い、「伝統と革新、自然が残り世界の窓口」である京都でお店を立ち上げることを決意したそうな。
その3人の他に調理などをサポートするメンバーが4〜5名ほどいらっしゃり、まるで一つのチームで舞台を演じるように最初から最後まで、調理、盛り付け、ドリンクの用意などを全てお客様の目の前で作ってくれます。
驚いたのは
シェフのお三方もサポートメンバーも、全員がめちゃくちゃ楽しそうに、そして見事なチームワークで仕事をしているというところ。
もちろん目の前にお客様がいるから「楽しそうにやれ」と言われているかもしれません。
だけど、目の前で調理している間もキッチン側からは本当に楽しそうな空気しか感じず、その空気は確実にこちらにも伝わってきました。
また、料理のことや器、カトラリー、内装のことなど、
「気になることはいつでもなんでも遠慮しないで聞いてください。写真も動画も全部撮影してもらって大丈夫です。」
と声をかけてくれたのがとても印象的。
もちろん調理真っ只中の方には声をかけられないけれど、
例えば1つ前に食べた食材のこと、スパイスのことなど、私も質問しまくってしまいましたが(一人で誰とも喋れれないから寂しかったのか?)、全て丁寧に答えていただきました。
またどんなに忙しくても3ヶ月に一度は三連休を取り、食に関するリサーチも欠かさないそう。
その常に変化しようとする姿勢、本当に見習いたいと思います。
調理器具、器、カトラリー全てにもこだわり
最も驚いたのは、
調理にガスや電気を一切使用せず、全て釜を使い、火力には薪を使用しているところ。
キッチンの左側にはピザ釜があり、主にLURRA゜のメインディッシュである地元京都と世界中から取り寄せた野菜の調理に使っているそう。
600度まで温度が上がる高温の窯を使うことで、中は瑞々しく外は香ばしく、これ以上ないくらい野菜のうまみが存分に引き出される料理が実現します。
隣のケルン窯ではお肉の調理や燻製が。
薪の燃える音や、キッチン側から聞こえる和気藹々とした声、薪釜の中からの香りが、料理がサーブされる前の期待値を最高まで上げてくれます。
また、器やカトラリーは全て日本の手仕事にこだわったものを使用。
日本の木工作家や彫金師、陶芸家が創造したものが一つひとつ丁寧に選ばれ使われています。
ちなみに使ったロゴ入りオリジナルのお箸は、専用のケースに入れて持ち帰りOK。
お箸にも思い入れがある細やかなこだわりが感じられます。
一皿ごとに驚かされる想像を超えたお料理達
LURRA゜のコースはデザートも含めて全部で10品。
この日の内容はこんな感じ
およそ3ヶ月に一度ほど全ての料理内容が変わるとのこと。
お料理は世界の食文化をヒントに、地元京都の食材と世界の食材を掛け合わせ、発酵や燻製などの手法や、スパイスなどを自由に使ったオリジナル料理です。
んで、
その肝心の料理なのだけど・・・、
もう本当に
ぜひ現地で
目で舌で
五感をフルに
使って
感じてほしい!
と叫びたいくらい
一皿ごとにびっくりする、
本当の本当に
マジでガチで
芸術作品の
ような料理
が登場します。
しかも本当に美味しい。
この時ほど、一人で来たことを後悔した時間はなかった・・・。
隣にパートナーがいれば
「美味しいね」
「これキレイだね」
なんて感想も言えるけど、
私ときたら心の中で(うまっ!!!!!!!!これやばい!!!)の連続であり、かといってSNSにいちいちつぶやくのも何だか気が引けて(SNSへの投稿自体はお店側は全然OK)
シェフに
「とても美味しいですね」とか
「こちらは何という野菜ですか?」とか
アホみたいな質問を繰り返していました。
いくら載せても伝わらない・・・とは思いつつ、少しだけ写真を載せておきます。
こちらは最も感動したメインのお料理、
<ズッキーニ、パセリの黄身酢と次期の野菜>
まるで花束のようにコーディネイトされたお皿の中身は、旬の京野菜とメキシコなど海外から取り寄せた珍しい野菜の盛り合わせ。
ちなみにシェフは実際に京都大原などの農家さんの畑で、自ら野菜を収穫したものを使っているそう。
ちょっと前後しますが
こちらは手でいただくスナックのような前菜
<紅ズワイガニのエイブルスキーバー>
エイブルスキーバーとはデンマークの伝統料理。
日本のたこ焼きのようにふわふわの球体が特徴のお料理ですが、それよりも先に料理自体が石に乗ってくることに驚いてしまいました。
他8品も全部、本当に全部
めちゃくちゃ美味しくて
めちゃくちゃ美しい!
本当にぜひ実際に感じてほしい、
まさに「究極の料理」です。
そして、
料理には全てドリンクペアリングが付いており、アルコールかノンアルコールを選び、お料理に合わせてドリンクも一緒にサーブされます。
私はお酒が飲めないのでノンアルコールをチョイス。
ちなみに、
ジュースに使われる素材や酵素なども全部ぜーんぶ手作りです。
このドリンクも本当にすごかった・・・。
いつもコース料理でノンアルコールを選ぶと
・お茶
・ジュース
・お水(炭酸水含む)
が大半なのですが(いや、それで全然いいんだけど)
ノンアルでもお料理に合うカクテルを作ってくれるので、お料理と一緒にドリンクも楽しむことができます。
未だかつて味わったことのない(だけど超絶に美味しい)味で、全部料理とコーディネイトされた素晴らしく合うものばかりでした。
上記でご紹介した内容は2020年10月のものです。
デザートタイムは席を移動し、みんなでいただきます
デザートタイムになると、カウンター席の横にある「irori」(いろり)と呼ばれるテーブルに移動してみんなで囲んでデザートと食後のドリンク(デザートワインなどもあり)いただきます。
食後のドリンクも全てデザートに合わせられたものがサーブされます。
ここで一つの食事の時間を共有したお客様同士で会話することも可能。
いや別にしなくてもいいんだけど、
お茶道のように「一期一会」のご縁で集まった人たちと顔を合わせられることに、何だかありがたさを感じてしまいました。
2階にある食料の貯蔵庫も見学できます
食後は2階にある食料の貯蔵庫を見学できます。
ここには、シェフ自らが京都大原の里山などで採取した野菜、果物、食用のお花などを漬け込んだ自家製の発酵保存食が、ずらりと並んでいます。
中には3ヶ月〜半年ほど漬け込んでいる食材もあるそうな。
この丁寧に発酵した食材達がLURRA゜のお料理に奥行きを添えている・・・とお話しを聞きつつ、
常識で考えると普通のレストランでは非公開のゾーンにまで、一般の人を入れてくれることに感動してしまいました。
一人で来たおかげでシェフと仲良しに・・・
食事をしていた時は
「今日ほど一人で来たことを
後悔したことはねぇぜ」
と思っていましたが、
お会計の時のこと
ルーラさん
ニシ
そして
どこから来たのか?など会話が進むうちに、
家に残してきた飲食店をやっている夫の話になってしまい、
ニシ
と話してしまうことに。
すると、
ルーラさん
ルーラさん
ルーラさん
と何故か会話が盛りがってしまい、
ルーラさん
と聞かれたので、
ニシ
と答えると、
ルーラさん
俺の姉ちゃん北小金に住んでるんですよ!
ルーラさん
ルーラさん
とまさかのご縁のつながりが。
京都で、
しかもこんなイノベーティブな料理を食べた後に、
柏
松戸
北小金
からあげ
の単語を聞くとは思わなかった・・・。
夫の店のインスタグラムを紹介すると、
しっかりフォローしてくださり、
ルーラさん
と話は唐揚げの方にどんどん意向していきました。
そして最後には
\一緒に写真撮りましょう!/
ということになってしまい、
なんだかこんな感じに(汗)
例えその場の社交辞令だとしても、こんなに会話できてお互いのことを紹介し合えた時間には本当に嬉しかったです。
※写真、動画の本ブログへの掲載は全て許可をいただき掲載しております。
今日のまとめでございます
そんなこんなで20時半に入店し、デザートまで約3時間。
心もお腹いっぱいになって、ひんやりする深夜の三条通りを一人でてくてく歩いて帰りました(寒かったぞ・・・)
とにかく一度体験していただきたいLURRA゜のお料理とその空気。
ですが新しいイノベーティブには賛否があるのも当然。
ここで絶対に行った方が良い方と、
本ブログだけで「ごちそうさま」の方を、
個人的な視点で恐縮ですが
書き添えておこうと思います。
【絶対に行った方が良い方】
- かつて体験したことのない食事を経験してみたい方
- 伝統も感じながらも革新的、イノベーティブな食事をしてみたい方
- コース料理を味わうというより「体験」してみたい方
- 20代〜30代の若いシェフやスタッフと気軽に話したい方
- 食材の好き嫌いがない方
【本ブログだけで「ごちそうさま」の方】
- 苦手な食材が多い方
- 自分でお酒やドリンクを選びたい方
- 個室を利用したい、誕生日・記念日など個人的なお祝いをしたい方
- シェフに従来の対応や礼儀正しさ、ふるまいを求める方
- 非常に少食の方
- コース料理以外のメニューを選びたい方
以上が私が一人でLURRA゜を体験してきた話でした。
「友達の家に来たような感覚で料理や時間を楽しんでほしい。だから僕らもそういうスタイルなんです。」
と語ってくれたシェフ。
カウンター席だから席の空き具合にもよりますが、1人での利用も全然OK。(あまりいないとは思うけれど)1人でも全く気兼ねなくコース料理を楽しめます。
ブームではなく
新しいカルチャーを作ろうとしているLURRA゜さん。
1人で座っているだけでも本当に楽しく、
こんなに楽しい食事を「体験」したのは初めて・・・と思うくらいでした。
また必ず訪れたいと思います!!
住所:京都市東山区石泉院町396
(地下鉄東西線東山駅より徒歩5分ほど)
予約はインターネットのみ
https://lurrakyoto.com/
(メニュー内「Reservation」のボタンより予約可能。コチラのリンクから直接ご予約できます)
時間:17時半〜、20時半〜の2回のみドアオープン
定休日:日曜日、月曜日
メニューは全10品ほどの25,000円のコースのみ
(税・サービス料込で約30,000円)
グラスワインは別途1,500円〜、
ボトルワインは別途25,000円〜
※英語対応OK
※コース内容は約3ヶ月ごとに変更
※カード決済OK
※レシートはEメールなどへの転送のみ
それでは今日はこのへんで
\お読みいただきありがとうございます/
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