エストニア訪問記<お店編⑤>ドラッグストアで発見する日本にないパッケージセンス

海外を訪れた際、その国の文化を最も感じることができる場所の一つ、ドラッグストア。
今回エストニア訪問時もドラッグストアのリサーチを楽しみにしていました。

昨年訪れた香港や台湾などのドラッグストアには、日本の資生堂や花王などの商品が店頭に並び、日本語の書かれているパッケージの商品も多くありましたが、エストニアのドラッグストアに日本メーカーの商品は一切なし。(コスメブランドだけではなく、日本家電ブランドもありませんでした)

店頭に並んでいたのは、ヨーロッパ圏内で流通しているブランドやメーカーの商品の他、アベンヌやドクターブロナーズなど、日本でもお馴染みの世界的な人気ブランドの商品、
そして韓国コスメでした。

↓こちらは韓国のフェイス用パック。
1枚2.4ユーロだから約300円。新大久保だと100円から販売されているマスクもあるので日本で購入するより少しだけ割高な気がします。

以前にもブログで韓国コスメが世界的に人気という話を書きましたが、ブランド拡散力はエストニアにも広がっているんだな、と改めて実感です。

韓国コスメはなぜ“JK”に人気なのか?

さて、
店内にはシャンプーなどの日用品をはじめ、ビタミン剤などのサプリメントなどがありましたが、きょろきょろしていると、日本であまり見かけないパッケージデザインを発見。


こちらは女性特有の悩みに対するお薬のようです。
私が気になったのは、女性の顔写真(しかも目線)をメインに使っているということ。

日本でもドラッグストアのパッケージはよく見ますが、フェイスマスクや基礎化粧品、ファンデーションのパッケージならともかく、デリケートな悩みに対するサプリメントやお薬にあまり人物の顔はパッケージに使用しません(特に目線の写真はよりリアルな印象を与えるのでほとんど使用しないのですが・・・)

でも、まあ、抽象的なイラストよりもわかりやすく、伝わりやすいかも…。

書かれている言葉を読むことができなくても、「これが何に対するお薬」なのかはパッケージの写真を見ればだいたい察しがつきますので、このような表現も「全然あり」なのかもしれません。

こちらは男性特有のお悩み薬バージョン。

にっこりとした爽やかな笑顔が素敵ですね。日本じゃこんな笑顔のパッケージ、ほんとありません。

 

さらにその隣。

 



・・・おい右側、リアル過ぎねーか…。

左もそうだが。

いや、ここまで「どストレート」な表現だと逆に清々しく、美しいのか。

そして「Man」って商品名。
直訳すると「男性」だろ。もっと他の名前はなかったのか・・・。

まあ、身近にある日本の商品で例えると、
仁王像とか、すんごい上向きの矢印が燃えているとか、抽象的だけどギラギラしている、すんごい分かりやすいあれらの部類と同じなのだろうか…。
(↑いや、これらより、こちらのドラッグストア店頭で見かけたリアルな表現の方が幾分美しい気もするが)

このあたりのコーナーをじっくりと(まるで自分が悩んでいる人かのように)見ておりましたが、どのコーナーにも大変紳士的な男性&美しい女性の、上品な印象が残るPOPが、ぺたぺたくっついています。

隠すことなくこのように堂々と素敵なPOPをつけて売り場に並べることは、個人的にはとても素敵なことだと思っています。

ちなみに、海外ブランドの広告はなぜ目線の男女の写真が使われるのか。これには諸説あるそうですが、今日は私が聞いた説をここに書き記したいと思います。

欧米では個人のパーソナルスペースに一定があり、その中に入るということは親しい間柄を象徴することであるそう。

例えば、駅ですれ違い様に肩と肩が触れてぶつかることも、日本ではそのまま素通りされることもありますが、欧米では必ずと言っていいほどぶつかった後に「Excuse me」の一言があると言われています。

海外のブランド広告が、親しげに肩を組んだり絡んだりしている目線の男女の写真を使う理由は、あなたのパーソナルスペースに入れて欲しいという象徴のようで、要は「あなたに近づきたい、あなたと親しい存在でありたい」というメッセージを表現しているというのが、私の聞いたことのある説です。

デリケートな悩みをサポートするお薬のパッケージ達は、目線写真ばっちりで「寄り添う親身な気持ち」を表しているのかもしれませんね。

海外のドラッグストアでは、少し見て回るだけでも色々な発見ができますが、今回のエストニアのドラッグストアも本当に面白い発見がたくさんありました。

お薬の類は日本国内への持ち込み規制がある場合があり、迂闊に購入することはできませんが、何も買わなくても見ているだけでも毎回参考資料がたくさん見つかります。

観光地を歩くのに少し疲れたら、お水・おやつを買うついでに、ぜひ現地のドラッグストアも訪れてみてください。

MEMO
今回訪れたドラッグストア
Apotheka
タリン市内の至るところにあるドラッグストアですが、私が訪れたのはショッピングモールViru Keskus内にある店舗。1階にあります。

それでは今日はこの辺で。

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