先週、久しぶりに神戸の実家に帰った時、リビングでついていたテレビをぼんやり見ていると何とも衝撃的なファッションショーの様子が映し出されていました。
それは、職人さん御用達の店舗「ワークマン」の新製品紹介のファッションショー。
私が以前に会社員のデザイナーとして勤務し、多くの衣料品店がクライアントだった約15年前は、本当に職人さんや工事現場の方をターゲットにした“現場主義”のお店でターゲットもその現場で働く男性のみでしたが、今やワークマンは、4,000円億円の市場規模で約25%のシェアを取る、業界ではダントツ一人勝ちの企業となりました。
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参考 快進撃支えるワークマン女子の商品提案。競合なし、値札見る必要なしで4,000億円市場一人勝ちビジネスインサイダージャパン以前勤務していた会社の影響からか大小を問わず全国の衣料品店にいつも興味津々な私は、例に漏れずワークマンの快進撃にも大変興味があり、本ブログでも以前にその人気の秘密を探る記事を書きましたが、
↓その時の記事はコチラからどうぞ↓
本日も、今快進撃を続けるワークマンについて、語りたいと思います。
実際の雨をランウェイに振らせて機能性をアピール
まず、先に述べた“衝撃的なファッションショーの様子”ですが、本当に衝撃的です。
「ワークマン★過酷ファッションショー」と名付けられたそのファッションショーは、
ランウェイに大雨や暴風雨、雪を実際に起こし、その中をワークマンの新商品を着用したモデルさんがウォークするというもの。
このショーは現在ワークマンの代表取締役社長の発案だそうですが、ファッションショーでここまでの演出を行う企業はそうそう見かけません。
メディアで話題になることも間違いなく、自社の商品の信頼性や魅力を存分にアピールできる面白いショーです。
二つの層が来店する店舗に変身
私も先日、ららぽーと立川立飛にある「ワークマンプラス」に行ってきました。
こちらは昨年2018年9月のオープン当時、店にお客様が押し寄せてレジには行列ができるまでになったそうですが、好調だったのはオープン当初だけではなく、現在も好調。
本来現場で働く方のための作業服を扱っているワークマンは、このワークマンプラスように店内の陳列や見せ方を変えて商品を販売。ファッションのカジュアル化が浸透している現在では、「作業服だから私には関係ない」と思う人が少なくってきており、現場で働いていない一般のお客様でも70%の方が、このワークマンプラスの店舗を「自分の店舗」として感じているそうです。
お客様も二つの層が時間や曜日を分けて来店。一つは土日などに訪れる一般の方。もう一つは平日の夜などに訪れる現在も現場で勤務されている方です。
本来必要としている方と、カジュアル志向の一般の方、二層のお客様を取り入れることに成功しているんですね。
ガラ空きの市場で一人勝ちのワークマン
ワークマンの商品特徴は、何と言っても
「高機能」×「低価格」です。
(画像引用元:「稼ぐ戦略」ITmediaビジネスオンライン)
上のマトリックス図をご覧いただいた通り、「ガラ空き」の市場です。
これまで、レインウェアに代表されるアウトドアウェアと言えば、
「高機能」×「高価格」、
「高機能」×「デザイン性」、
「高機能」×「高価格」×「デザイン性」
のいずれかがほとんどでした。
私もアウトドアブランドは大好きですが、パタゴニアのオリジナル防水技術が施されたレインウェアは1着4万前後。男性に人気でBEAMSなどのアパレルセレクショップでも販売されているARC’TERYX(アークテリクス)のゴアテックス製レインウェアは何と8万円です(かっこいいけどね)
それに比べて、
ワークマンプラスで販売されているレインウェアは1着5,000円前後。
絶対アークテリクスのレインウェアじゃないとあかん、わしは金持ってるねん。というなら話は別ですが、さすがにレインウェア1着に8万円を払うとなると、かなりお店で迷ってしまうのも確か。
1着5,000円だと8万円に比べて、幾分買いやすい、
いや即決できるレベルです。
そして私は先々月の7月に新潟県苗場スキー場で開催された、フジロックフェスティバル2019でかつてない豪雨に見舞われ、次のように感じたわけです。
レインウェアは雨を防いでなんぼである
当たり前のことですが、
雨が降ったら雨を防いでくれるレインウェアが一番なわけです。
そして、雨の中に置いては
レインウェアのデザインは
ほぼほぼ関係ないということにも気づいたのです。
8万円のかっこいいレインウェアは、タウンユースで着用して、はじめて「わあ、アークテリクス(8万円)ですね、かっこいい〜♪」と周りに思われるのであり、悲しき哉、雨の中ではほぼ全く関係なく、まず雨を防ぐことが大前提になります。
私は、警戒レベル3の豪雨を今年のフジロックフェスティバルで経験しましたが、最初の砦として持参した、某有名アウトドアブランドにて1万円で購入した北欧風フラワーパターンの可愛らしいポンチョは、30分で沈没しました。
次の砦、某有名アウトドア&キャンプ用品ブランドで2万円で購入した、ゴアテックス製のレインウェアは1時間で浸水してきてしまい、ぐちゃぐちゃに。
これは余談ですが、雨が服の中や靴の中に入ってくる、というのは想像以上に不快です。(冬の場合だと濡れたまま長時間放置すると命の危険も伴います)
警戒レベル3の豪雨の中に突っ立つ機会もそうそうありませんが、私が財布をはたいて購入した、合計3万円のレインウェア達はものの1時間半ほどで全滅したのです。
来年のフジロックフェスティバルにも必ず参加しようと思っていますが、来年は間違いなくワークマンプラスのレインウェアを持っていこうと思います。
そして身を晒して実験したい。
1万円以上するレインウェアと、若干4,000円のレインウェアの機能が、一体どう違うのか。
フジロック当日はいつも晴れて欲しいと願っていますが、雨に打たれることすら少々楽しみにすら感じています。(今年のような雨は勘弁ですが)
「雨に耐えなければいけないお客様」のことを真剣に考えたワークマン
「ワークマン女子」なんて言葉も登場しているように、ワークマンの商品は以前に比べて、かわいいカラーリングのレインウェアもたくさんありデザインも充実しています。
しかし、もともとは「雨や風など悪天候の中で仕事をしなければならない現場の方」のために考えられた商品達。
デザイン製を重視するのではなく、雨風に耐えられる機能を重視し、それをお求めやすい価格で提供し続けてきた矢先に、昨今のカジュアルブーム・アウトドアブームが到来。上手くそのブームに乗り込んだように思います。
コツコツと良い商品を作り続けてきた歴史と、世間の流行を上手く取り入れたワークマンプラス。これからの展開もチェックし続けたいと思っています。
それでは今日はこのへんで。
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