私が実家のある関西方面に帰った際、できる限り立ち寄るようにしている大好きなお店があります。
それは、大阪の梅田と難波の2箇所に直営店舗を構える「いずみピクルス」さん。
水なすなどの野菜、フルーツなどを使ったピクルスの専門店です。
今年3月に偶然寄り道した、なんばパークスで初めて立ち寄り、ピクルスが大好きな私は何点か購入して家で食べていたのですが、すっかりその独特の美味しさのファンになり、それからというもの大阪に寄った際には自分用に数点購入するのを毎回楽しみにしています。
↓いずみピクルスさんのお話はこの記事をお読みください↓
“鉄の製造”から“食の産業”へ挑戦する、大阪泉州地域の素晴らしい取り組み
私がいずみピクルスさんのファンになったのには、
味以外にもう一つ理由があります。
それは、この「いずみピクルス」さんが地元の産業を守るために会社のみんなで力を合わせて創業した、というストーリーがあるところです。
上にご紹介した以前の記事でもお伝えしていますが、元々ワイヤーロープを作る鉄産業の会社だった「いずみピクルス」。
鉄産業の衰退に伴い、どんどん仕事が減っていく中、このワイヤーロープ以外に地元産業を作ることはできないだろうか、みんなの生活を守るための新しい仕事を作ることはできないだろうか、と社長が考えた結果、大阪泉州地域（大阪市より南の堺市、岸和田市、泉佐野市などの総称）の特産野菜・水なすに注目。この水なすを使って「ピクルス」という比較的若い人にも受け入れてもらいやすい商品に加工する挑戦を始めます。
ピクルスの味は会社に勤務している社員の女性達（プライベートではお母さん）が、食べやすい味をみんなで研究して、酸っぱ過ぎないように絶妙な材料をチョイス。
ピクルスの定番ハーブ以外に日本人に馴染みのある昆布なども加え、酸っぱ過ぎずにしっかり旨味を感じられるピクルスを作ることに成功しました。
「いずみピクルス」を作ることで、自分たちの生活だけでなく、泉州地域の農家さんの生活も助けることになり、もちろん買った私も美味しくて嬉しいという、トリプルWINを実現している会社になっています。
私が共感できる点は、「いずみピクルス」さんが
・自分たちのこと（以前の産業などについて）
・農家さんのこと（おいしい特産品を守ってあげたい）
・食べる人のこと（食べやすいように味の研究を重ねた）
この3つをしっかりと語っている点です。
自分の話だけではなく、
特産品の水なすの美味しさや、それを作っている農家さんのことを語り、食卓でクセのある一品にならないように食べやすい味を追求したというお客様目線の商品開発。
とても応援したくなります。
また「いずみピクルス」さんは、このストーリーを全く包み隠すことなく、店頭やWEBでばっちり紹介しています。
もし、このストーリーを黙っていたら・・・、
もしかしたら私も「おいしいピクルスのお店」だけで終わっていたかもしれません。
本ブログでは何度も書いていますが、
「いい商品だから」売れるわけでありません。
いい商品だから、という理由でモノがポンポン売れているのであれば、世の中はもっと景気ドカーンのはずです。
なんでいい商品なのか？
それを課題として考えて、人に伝わる価値に変え、
答えとして世間にアウトプットしないと、
どれほど良い商品でも売れることはありません。
少し話は脱線しますが、
私は以前、広告代理店経由の仕事で、大手調味料会社の販促物を制作していました。日本人であれば例えお料理をしない人でも知っているブランドの調味料です。
誰もが知っている、だけれどもその代理店では販促物を作る際には事細かにストーリーを設計していました。結局その代理店の仕事は今ではほとんど引き受けていませんが、私はこのいずみピクルスさんのピクルスを夕飯のお供にバリバリ食べながら思うのです。
大手の、誰もが知っている商品ですらシーズン毎に事細かにストーリーを設計しているのに、小さい会社が「うちの商品は良いのでストーリーなんか知ったこっちゃないです。面倒臭いです。」と言っている場合なんか？と。
どうして今、この商品を売っているのか？
そのストーリーをしっかり書けば、デザイナーの私が言うのも何ですが、美しいデザインを作るよりも、ワードで作ったA4一枚で十分だと思います。（もちろん、より付加価値をつけるためにデザインは必要ですが）
ストーリーを語りましょう。
「私が作った自慢の商品なんです」だけでは本当にアカンのです。
それでは今日はこの辺で。
・・・の前に、
私が「いずみピクルス」さんで既に何個もリピートしている商品を最後にご紹介させてください。
もちろん水なすのピクルスも大好きでもう何個もリピ買いしているのですが、中でもお気に入りなのがこちらの「和歌山産の新生姜ピクルス」（50g540円）です。
これ、本当にマジで食べて欲しい。最高です。
この間自宅用に3瓶まとめて買ってきましたが、あっという間に食べてしまいました。生姜のピクルス自体もちょっと珍しいので、もうオンラインショッピングで今度まとめ買いしようと思います。
それでは今日はこの辺で。
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