プロにタダor安くで仕事を依頼してくる人への対処法

フリーランスのグラフィックデザイナーをしていると、一度はこんな人たちに遭遇したことがあるだろう。

それは、
「友達(知り合い)だからタダで作ってよ」
「友達(知り合い)だから安くしてほしい」

とデザイン制作をお願いしてくる人達。

今でも年に数回はこの「タダor安く作ってくれ」の論争がTwitterなどのSNS上で論争が巻き起こり、「そんなことを要求してくる奴なんて友達じゃない!」、「技術をナメてるのか!」など荒れ狂ったコメントが踊っています。

最近見かけた(この論争に対する正論っぽい)コメントは、
かの有名な画家、ピカソと100万ドルの絵の話。

参考 「イラストレーターさんはタダで絵を描いて当然」という考えを覆す「ピカソ」のエピソードはちま起稿

私もこの仕事を15年ほど続けていますが、色んな人に会いました。
今では滅多にお会いすることもなくなりましたが、中には「知り合いだから安くしてほしい、タダで作ってほしい」とリクエストをしてくる方にお会いしたこともありました。

私はこのようにリクエストをしてくる方を弾圧するべくための「何故クリエイターにタダで仕事を頼んではいけないのか?」という説明を懇々とこのブログでするつもりはありません(笑)

発信が自由なように、
交渉も個人の自由。
(ある程度のマナーは必要だと思うけど)

だから、
「タダで」「安くして」
というのは家電量販店で(流石にこの場合はタダはないと思うけど)アジアのマーケットで、常日頃みんながやっている「交渉ごと」と何ら変わりない同じことだと思っています。

要はこのような交渉をされた時
「は?クリエイターに向かってタダとか言いやがって・・・許さねえ!」と思い、怒りをSNSにぶちまけるのではなく、冷静に対応をすることもクリエイターの技術の一つだと思っています。

少し話は逸れますが、
怒りの感情は心身に悪影響ですし、
何よりも
他人は変わらんのです。

自分が変わった方が幾分かすっきりと気持ちよく人付き合いができますし、何よりノンストレスでございますよ♪

では私が常日頃「タダor安く」の依頼が来た時に出そうと思っている札をご紹介します。

嫌ならすんなり断れば良い

「タダでお願いします」
「安くお願いします」
と言われた時に、「わ〜嫌だな」と思ったら
素直に「嫌です」とお断りすれば良いです。

いや、さすがに「嫌です」の一言だとちょっと角が立つ気もしますが、詰まるところお友達だろうが知り合いだろうが、もじもじした態度を取らずに「その値段ではお引き受けできません」ときっぱり申し上げれば済むお話です。

そのやり取りにストレスを感じることがあるかもしれませんが「仕事の交渉をしているだけ」と割り切れば済みます。

特にフリーランスで仕事をしていると、決して誰も守ってくれないのでこういう交渉ごとにはストレスが溜まりがち。ですが本業以外のところでもじもじしていると、大切な本業に支障が出てしまいます。

「ただの交渉」です。
嫌なら断れば良い、ただそれだけのお話です。

ここで、私が尊敬しているとある“天才”のお言葉を拝借します。
「来るもの選ぶ、
去る者追わず」

依頼してくる人にも交渉権の自由がありますが、その仕事を受ける受けないの選択も個人の自由。
自由VS自由。

「タダでお願いって言われた!わーわーわー!」とつぶやくより、今いただいているお仕事に120%以上の情熱を注ぎましょう!

こちらも交渉をする

そうは言っても、お友達の関係にヒビが入ったら嫌だな・・・と思う方もたくさんいると思いますし過去の私もそうでした(今では全然思わなくなりましたが)

その場合は「タダor安く」の代わりに
つまり制作代を支払う代わりに
「何か提供してくれるものはないか?」ということを
こちらも相手に対して尋ねてみます。

ー私が以前にデザイン費の代わりにいただいたものー
(少ないけど)

・他にデザインを必要としている人のご紹介
・ハンドバッグ
・無料で依頼主のサービスを受ける
(整体やマッサージ、セッションやレッスンなど)
・超一流ホテルでフルコースのお食事

などなど

私が以前に知り合ったコンサルタントの方は、スーツ店勤務の男性スタッフに対して営業成績を上げるためのコンサルタントを行なっていました。

ところが、この男性スタッフはお給料の中からコンサル料を支払うのが厳しいお財布事情だったので、代わりに自分が勤務している店のスーツを、そのコンサルタントの方が欲しい時はほぼタダ(実質的には80〜90%割引)でスーツやYシャツ類を提供することを交渉し、コンサルを受けていたそう。

場合によっては、
お金をもらってしまえばその場で関係は完結
しますが、
商品(サービス)同士の交換は、関係がいつまでも長続きする場合もある、というメリットも考えられます。

単純に「知らなかった人」なんだと思う

「は〜?タダでお願いしてくるとかいい度胸してんな!?」と怒る前にですね、
「そうか、違う星からやってきた人なんだからしょうがない、わからないよな」と思ってみます。相手がたとえ「お友達でも」です。

補足
ちなみに、この「違う星からやってきた人だよね」と思うことは全てことに関して怒りを鎮めるとてもオススメしたい良い方法です。

ちなみに、全くデザイン業界の事を知らない人からすれば
「ランディングページ30万円です」
と言われたら「えっ!高!!!」ってなって当たり前です。

何故ならデザインには形がありません。
毎日の生活に欠かせない給湯器が30万円なのは理解できますが、それは形として給湯器が存在していて、使うイメージをリアルに頭で想像できるから。しかも1度取り替えれば10〜20年近く買い換えなくてもいい、ここまで想像できた上での30万円です。

「デザイン」という形のないものに対してお金を払うことを知らないだけなんですね。

デザイナーに支払う金額には
・Macなどスピーディーに業務を行うための機材代
・クオリティの高いデザインを作るためのフォント使用料や写真などの素材代
・これまで時間をかけて積み上げてきた技術を磨くための勉強や練習
などが含まれており、
しかもことフリーランスに限っては、
報酬は丸々自分のものには決してなりません。

税金や保険料うんぬんはもちろんですが
報酬の中から、さらに勉強をするための投資に使うことが必須です。

“依頼されたクリエイター目線”で物事を語りましたが、
もし「高い!」と言われた場合、
上記のような機材などの理由があるということを認識してもらうことと、具体的な数字や同じ金額で制作した時の過去の成功例などを提示できるとバッチリかと思っています。

今日のまとめ
「クリエイター自身も“これが世に出るまでにどれほどの人と技術と時間が関わっているか”」ということをちょっと考えてみましょうよ、です。

「タダでやってと言われた・・・」と眉間にシワを寄せてブツブツつぶやく前に、一度自分を振り返ってみることも超絶オススメです!

例えばモノを買う時に「このモノにはどれほどの人と技術と時間が関わっているのかな?」と考えたことはありますか?です。
殆どの人は考えないままお買い物をしているのではないでしょうか?

普段お願いしている美容師さん、マッサージや整体院さん、レストランに「敬意」を持ってサービスを受けてみると、また違ったものの見方ができると思います。

また美容室や整体院にメニュー料金があるように、「自分の価格はコレです!」と宣言することも大事なことです。

デザインやライティングなど“技術”を売る仕事には、どうしても値段交渉はつきもの。
ですが、相手に振り回されるのはなく自分の軸を相手に正しく力を持ちながら「この人は知らない人だから教えてあげよう」という優しい気持ちを持ちストレスなく仕事をしていきたいと思っています。

それでは今日はこの辺で

\お読みいただきありがとうございます/

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