この間、少し大げさですがちょっと信じられないニュースを見てしまった。
それは「映画館で2時間座り映画を鑑賞できない人たちが増えている」というニュース。
あ、もちろんアレです。
暗闇の中にいると具合や体調が悪くなってしまうとか、赤ちゃんや子どもちゃんと一緒だから映画鑑賞が難しいとか、そういう理由ではありません。
スマートフォンを2時間確認することなく映画を観ることができない、スマホを触ることが鑑賞中のマナー違反になるのならば別に映画館に行く必要はない、と思っている人が増加しているということ。
みんなそんなにスマホを確認したいのか・・・・。
確かに今映画の鑑賞スタイルも多様化していて、最新作はともかく自宅でも出先でもスマホ1台あればどこでも映画が観れる時代。わざわざ時間を合わせて映画館に行く理由もないのかもしれません。
そんな私も最近は映画館に行くことも少なくなり「2時間座って鑑賞できない」人の仲間入りをしているのかも>_<・・・。危険なことでございます。
そういえば先日ファッション誌のVOGUEでも「スマホ中毒」のことが話題になっていました。
参考 スマホ中毒を脱したい!VOGUEエディターの切実な悩みに専門家が回答VOGUE JAPAN業界年齢を問わず、みなさんスマホから離れられないんですね(T_T)
映画を見ている時もスマホが気になる・・・
朝のアラームから始まって一日中スマホが手放せない・・・
そんな話を聞くと、私はいつも
解剖学者であり東京大学名誉教授・作家でもある
養老孟司先生の言葉を思い出します。
それは、
1日15分、石でも草でも動物でも何でもいいので「人間が作らなかったもの」に触れてほしい。
という言葉です。
初めて聞いたのはもう随分前ですが、
これは私の中で、今でも意識したい言葉の一つです。
養老先生は以前から各メディアでのインタビューや書籍で度々「1日15分〜」を語っていますが、「人間の作らなかったもの」に触れる大切さについて、あるインタビューで次のように語っていらっしゃいます。
人間には「社会脳」と「自然脳」があります。
「社会脳」とは人間を相手にしている時に働く部分ですが、
数学の問題を考え出すと、途端に脳の違う部分が働き始める。これが「自然脳」です。
この2つの脳のバランスが崩れると、いろいろな問題が起こる。
(中略)
都会にいると、どうしても社会脳に支配されてしまう。
そうならないためにも、1年に3カ月は田舎に行って働くことをお勧めします。僕はこれを「参勤交代」と呼んでいるんですが、自然の中に身を置いて身体を使いなさい、ということです。
1日15分でいい、虫でも石でも何でもいいから、「人間が作らなかったもの」に触れる時間を作ってほしいと思います。
人と接している時は「社会脳」、
だけど問題を解く時に使うのは「自然脳」。
「自然脳」が機能しないと、課題の解決やアイディアを出すことが難しく感じられるということです。
「社会脳」と「自然脳」のバランスが壊れた時に起こる問題を、養老先生は次の事件を例に挙げています。
その典型ともいえるのが、米国のスペースシャトル、チャレンジャー号の爆発事故でしょう。
打ち上げの日、つまり事故があった日は異常な寒波で、部品が硬くなり、ロケットがうまく作動しない危険があった。
それで、技術者たちは発射の延期を主張した。
ところが、上司が「すでに何度も発射を延期しているから」という理由で、発射を強行してしまったんです。
その上司は広報部門でした。
技術者が自然脳だとすれば、
広報は典型的な社会脳。人間社会や組織では、社会脳が優先する。
社会脳がデフォルト設定なんです。
スマホでSNSをチェックし人との繋がりを感じるのが「社会脳」として置き換えることができれば、今の私たちは「社会脳」ばかりが発達していることになります。
しかし、養老先生は「社会脳」も「自然脳」もバランス良く活性化することが大事だよ、楽をしちゃダメなんだよ、と語ります。
大きな組織では、どうしても社会脳が優先してしまう。
だから、技術者が興した本田技研工業やソニーのような会社は、成長して大きくなると、社会脳が優先して本来の姿を失ってしまう傾向があります。
大切なのは、「社会脳と自然脳の2つがある」ということを知り、両方の脳をバランスよく活性化すること。
自然脳が強い人も、社会脳を鍛えなくてはいけません。
自分が得意な方だけを使って、楽をしてはいけないんです。
僕は、自然脳は虫との対話の中で、社会脳は大学の中で喧嘩しながら磨きました(笑)。
どちらもバランス良く取り入れることで、問題を解決しようとする力がつき、新しいアイディアが降ってきたり、相手と円滑にコミュニケーションが取れるということなんだな、と感じます。
ちなみに、養老先生が大の虫好きというのはとても有名な話。
ご自宅とは別に、虫さんだけを収納している別荘もお持ちだそう。
そしてご自宅には、天井まで届く大量の本と書類がいっぱいの書斎の中をウロウロする大きい猫さんがいます(←マルさん)
以前NHKBSで放送していたこの愛猫“マル”との日常を描いたドキュメンタリー番組では、養老先生が難しい顔で執筆したり語っている姿と、それとは対照的に“マル”と散歩を楽しむ姿や、庭先にごろんと寝転がってぼんやりしている日常が映し出されています。
現在でも数々の講演を行い多忙な毎日を過ごしている養老先生も、何もせずにぼんやりする時間を大切にしているということが、伝わってきます。
(↓こちらが養老先生の愛猫・マルさん)
朝スマホのアラームで目覚めて、寝る直前までスマホを触ってしまう私たち。
「社会脳」と「自然脳」で考えてみると、田舎に移住して仕事をするのは難しくても意識的に自然の多いところへでかけること、ぼんやりする時間、人間の作らなかったものに触れる時間を意識的に増やして、もっと良いクリエイティブを生み出せる脳みそにしたいと感じている今日の子ごろです。
そして、猫は人間にとってとても良いということです^ↀᴥↀ^
それでは今日はこの辺で。
(引用記事:ヘルシーライフ)
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