お店に必須!お客様の心を掴む“コトPOP”の書き方の話

先日、繁盛するお店は“コトPOP”を出しているよ、という記事を書きましたが

繁盛するお店はコトPOPを作っている話

この“コトPOP”について詳しく紹介されている本を今日はご紹介します。

こちら↓

山口茂さんの著書「コトPOP書いたら あっ売れちゃった」です。

店舗を運営している人にはぜひお読みいただきたい1冊。

多少のマーケティング用語が使われていますが、理解に苦しむような説明や用語などは一切なく、実例も豊富でとても読みやすく、すぐに実践できる内容がてんこ盛り。

なんだかスーパーマーケットのPOP描き方本みたいなイメージに思われる表紙ですが、中身は商品を売るために超大事なことが書かれています。

私が本書を読んだのは数年前ですが、このブログを書くにあたり再度読んでみると、Macを使って美しくデザインされた内容よりも、手描きでも構わない、大切なのはPOPに書かれている“お客様目線”の文章である、ということを改めて認識させられます。

アメリカの食料品スーパーマーケット“トレーダー・ジョーズ”でも、コトPOPを店内に使用し、さらにはフレンドリーな店員さんを配置し、来店したお客様に対して商品の価値、魅力をわかりやすく説明しています。

様々なメディアでも報じられていますが、アメリカの小売店はアマゾンの存在に脅かされ(=アマゾンエフェクト)、近い将来ほとんどの小売店が閉店に追い込まれると推測されています。

トイザらスの閉店を皮切りに、今年2018年は日本でも有名なディーン&デルーカの店舗が閉店に追い込まれましたが、小売店不振のニュースはこれだけではありません。

リアルで存在している小売店が生き残る道は、“お客様目線”に徹底した売り場作りが必要なのではないかと、昨今のニュースを聞いて本当にそう思います。

お客様の91.6%が来店してから購入を決めている

来店している方の91.6%がお店に入ってから買うものを決めています。

だからこそ、商品のメリットを店頭でお客様に伝えることが大事なんです。

「今日はハンバーグ作ろう」と決めて来店したお客様でも、「今が旬です。丸々1個買っても、今夜はロールキャベツ、明日はホイコーローで使い切れちゃいます!」と書かれたキャベツのPOPを見て「あ、キャベツ買って帰ろう!」とメニューを変更する人はたくさんいますし私もその一人。

そう、“コトPOP”は売りたい商品にお客様を誘導する→購入に結びつけることができるんですね。

まずお客様目線の商品特徴伝える。
次に大事なのは、タイムリーであることです。

今日の気温、お天気、季節の行事・イベントなどタイムリーな話題に合わせて臨機応変にPOPを変えていくことが最も大事です。

この寒い時期に白菜やおネギの周りに「あったかナベで〜」なんて書かれていたら間違いなく今夜のご飯はナベです。

大切なのは、
POPを描く前に、お客様を観察したり、日常に気を留める習慣を身につけることとも言えます。

新しい発見がないお店からはお客様が離れていく

どのスーパーやお店も品揃えが良く、それはお客様にとって最早当たり前です。

私は飲食店も同じことが言えると感じています。

一流レストランや料亭と比べると差がでるかもしれませんし、アミューズメントパークやブランドが展開したレストランはちょっと別枠かもしれませんし、接客してくれるスタッフの差はありますが、それを一度置いておいた上で語ると、私たちが普段利用する街中にある居酒屋さん、レストランが劇的に美味しくない!なんて、今の時代あまりありません。

私にもお気に入りのコーヒーショップがありますが、コンビニエンスストアやファストフード店の100円コーヒーもそれなりに美味しく感じます。

悪い言い方をしてしまえば、
どのお店も全部「似たり寄ったり」です。

だからこそ店舗離れを起こさせないためにも、お客様の心理を知って、常に新しい発見がある店舗作りをすることが大事だよ、と本書は語っています。

購入に至るお客様の心理とは大きく9つ

・価格で買う
・オマケが欲しくて買う
・キャンペーンにつられて買う
・内容を見て買う
・他人の評価(クチコミ)やイメージで買う
・勧められたから買う(例:魚屋さんの接客)
・新発売だから買う
・限定だから買う
・人気だから買う

この9つの理由が頭で組み立てられて、「買う」という行為に移っていきます。

1898年にアメリカで販売員をしていたE.S.ルイス氏が考案したAIDA(アイダ)の法則、それから派生したAIDMA(アイドマ)の法則、広告という立場から考えたAIDAS(アイダス)の法則にもあるように、お客様は何と無く商品を買っている」わけではありません。

Attention(注目)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Action(行動)と感情が変化して商品を購入しています。

本書では、
コトPOP用のオリジナルバージョンとして、Comparison(比較)を付け加え、多くの商品が並ぶ店内でお客様が購入まで起こす思考・行動を定義しています。

Attention(POP注目し商品に気づく)→Interest(POPを読んで商品に興味を持つ)→Desire(商品のメリットを知って欲しくなる)→Comparison(比較/他の商品も比較しようと思う)→Action(買うことを決断してお会計する)

やみくもにPOPを描くのではなく、この行動心理を知っておけば、より行動を起こしてもらえるPOPになります。

3つのポイントでPOPを描いてみる

POPに書くポイントは

・商品の価値がわかる(=理由、事実)
(オススメ・人気の理由、安心・安全の理由、生産地・製法のこだわり、生産者・店員の思い、受賞歴など)

・役に立つ(=提案
(食べ方・飲み方の提案、レシピやアレンジ方法、利用シーンの提案、コーディネイト提案、作り方・育て方のコツなど)

・ワクワクする(=ストーリー性)
(事前告知・イベント・限定品などへの期待感、購入者の体験談、商品にまつわるエピドードなど)

お客様が商品を買う理由は、
購入後のメリットに期待感を持てる、つまりその商品を買うことでお客様はどんな体験ができるのか?ということを確信した時です。

POPにロゴマークを大きく入れたり自社の自慢をするだけで「買いたい!」と思われませんよね。これでは同じ売り場で他社商品と競い合っているだけになってしまいます。

「買いたい!」という感情を引き出すPOPを作るためには、お客様にとってのメリットを考えるクセをつけて、それをPOPに表現することが何よりも大事なポイントです。

そして、POPにはわかりやすい、誰にでもわかる言葉で書くことです。

書き方に正解はありません。
書き方の法則は存在しますが、これに沿って書けば必ず売れるとは限らないのも、私はこの“コトPOP”の魅力なのではないかな、と感じます。

なぜなら、「どうやったらもっとお客様に刺さるかな?」と考える習慣が、POPを書く行為から生まれてくると思っているからです。

日常からお客様の行動を目に留めたり、雑誌やインターネットで旬の話題をリサーチしたり、良いPOPを書くための行動は、お店の雰囲気を良くしたり、スタッフ同士のやる気にも結びつきます。

今日のまとめですよ

私が“コトPOP”をいいな、素敵だなと思ったのは、自分自身が売れる広告をデザインする仕事に携わっているから、という理由もありますが、何より一人の消費者として「良い商品」と出会えるのが嬉しいと感じたからです。

今まで知らなかった商品の使い方、味、やり方などを知る時に
「えー、まじでー!?こんな美味しい◯◯があったんやー」と純粋に嬉しい気持ちになるからなんですね。

ちなみに私は、先ほど掲載した画像を店頭で見た時、商品のお出汁パックを、北野エース なんばウォークス店で3パック買ってしまいました。ズボラな私でも美味しい出汁が取れてお料理に重宝しています。

もしかしたら近所のスーパーにも売っているかもしれませんし、インターネットでもう少し安く買うこともできたかも。

でも
・知らなかった!(発見)
・へえーそうなんだ!(興味関心)
・そうそう、そうだよね(共感)
・なるほど!(納得)

を店頭で感じると、人の感情はめちゃくちゃ動きますし実際それを体験しています。

そんな風にお客様の感情に働きかけ、色々なお店がオンラインに負けないように活性化していってほしいな、と心から思っています。

それでは今日はこのへんで。

\お読みいただきありがとうございます/

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