強烈なエネルギーを感じる「バスキア展」を観てきた話

9月から六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーで展示されている「バスキア展 Made in JAPAN」を鑑賞してきました。

1980年代のアメリカ・ニューヨークのアートシーンに彗星のごとく現れ若干27歳で薬物のオーバードースにより他界したジャン=ミシェル・バスキア。
(ちなみに27歳で他界したアーティストは、ニルヴァーナのカート・コバーン、ジャニス・ジョップリン、ジミ・ヘンドリックス、ドアーズのジム・モリソンなど他にも大勢いて、彼らは「27クラブ」と言われています)

(↓こちらはロンドン・ショーディッチのアーティストが作った「27クラブ」のTシャツ。27歳で亡くなったアーティストがプリントされています)

私がジャン=ミシェル・バスキアの名と彼のアートを知ったのは、今から20年近く前のことですがここまで大きな回顧展には未だなかったので今回のこの展示をとても楽しみにしていました。
バスキアご本人も来日した過去があり、今回の展示作品には日本に由来するものも多くあり、まさに日本オリジナルの内容になっています。

バスキアは生前はもちろんですが没後に著しく名声が上昇し、今や20世紀のアート界を代表する巨匠の一人として確固たる地位を占めるまでに至っています。
昨年2018年にはフランス・パリのルイヴィトン関連のギャラリーでも回顧展が開催されたばかりで、最近では、ZOZOTOWNの元代表取締役・前澤友作さんが、アメリカ人オークションの最高記録の123億円で絵画を落札したことも話題になりました。
(↓こちらが前澤さんが落札したバスキアのアートを象徴するような絵画/Untitled 1982

本格的な絵画制作に向かう前に、ニューヨークのストリートに描いたグラフティからそのキャリアが始まったと言われるバスキア。作品には哲学的なメッセージが込められており当時のニューヨークが色濃く反映されています。
また27歳で他界するまでに残した絵画には、ゴッホや、サイ・トゥンブリーらの過去の偉大なアーティストの影響も見られ、自由な表現の中にも「本物を知っていた」バスキアの感性が垣間見えます。

会場内では一部写真撮影OKの展示も。こうやってアートをシェアできるのは嬉しい限りですが、ぜひ間近でご覧いただくことをおススメします。

またその世界観を十分に味わえて、アートへの理解が深まる音声ガイダンスは来場者全員に無料貸し出し。該当する作品の前で番号をプッシュし、ガイダンスを耳に当てるとその作品の解説を聞くことができます。(音声は女優の吉岡里帆さんです^_^)

私が今回特に見入ってしまったのは、バスキアが残した「ノート」の展示。
1980年から1987年にかけて残されたこのノート。今では作品の一つとして展示されていますが、元は作品のコンセプトやグラフティのアイディアを書き留める個人的な所有物だったよう。

この「ノート」だけをまとめたアートブックも発売されています。

英語や時にはラテン語で、暗号や記号、詩のようなワードがたくさん書かれていますが、非常に細かく丁寧に書かれているのがとても印象的。マインドマップのように自分の考えを整理するために描いていたのかしら?と想像しながら観ていました。

言葉や文字の概念を大切にしながらもそれを壊そうとしていたバスキア。ヒップホップのサンプリングやスクラッチのように言葉を使い、消費社会、社会的不平等、人種差別など様々なことを表現しているノートの展示は圧巻です。

こうやって「自分の考えを言葉に残す」という視点から観ても、とても見応えがあり色々気づきがある回顧展でした。

また明日11月1日までですが、出口に設置されいているブースで写真撮影をすると、11月8日の平日17時〜20時までの再入場が無料になるキャンペーンも。なかなか太っ腹です。写真撮影も含めて、森美術館・森アーツセンターギャラリーがアートをより身近に感じてもらえるような取り組みを行っているのも素敵だなと感じる1日でした。

MEMO
バスキア展 Made in JAPAN
2019年11月17日(日)までの10時〜20時
場所:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

それでは今日はこの辺で

\お読みいただきありがとうございます/

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