「おばちゃんのおせっかい」を強みにしたら経営復活したクリーニング屋さんの話

先日いつもチェックしている経済メディアを読んでいると、面白いインタビュー記事を見つけたので今日はそのお話を。

(元記事はコチラからどうぞ↓)
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参考 職人技の8割は言語化できた。職人の父vs仕組みの息子。社運をかけた親子喧嘩5年。売上は9倍にBIZHINT

創業55年、お父様が経営していた街の小さなクリーニング屋さんを20代の頃に承継した社長に就任した東田伸哉さんのインタビュー記事です。

お父様が経営していた約20年間、ずっと赤字続きだったこちらのクリーニング店。東田さんが社長になり初めてみた決算書には信じられないほど悪い数字が並んでおり、思わず声を荒げたといいます。

「業界全体が斜陽だからしょうがない」
と諦めモードのお父様に対して、東田さんはこれまでのやり方を全て変えて、新しくWEBを使った宅配型クリーニングのサービスをスタートさせます。

「自分が正しくて、父親が間違っている」ということをただただ証明したく、それまでお父様が築いてこられた良さや強みを全て否定して、WEB宅配クリーニングのサイトを立ち上げますが、思ったような結果は得られません。

そんな時に、転機となる出来事が起こります。

転機となった出来事がありました。

夜の9時くらいにお客様から一本の電話がかかってきたのです。

「明日始業式なんだけど、学生服を受け取りに行くのを忘れてしまった……。何とかならないか?」と。父や母はその電話を受け「お客様が困るから」と届けに行ったんです。

父と母の行動を見て、
売上や利益に直接つながるわけではないが、
絶対にお客様が喜ぶ行動だろうな、ということは腹落ちしました。

しかし、
「なぜそんなことをするのか?」「なぜできるのか?」と考えているうちに、そういった行動は父や母に限らず、会社のスタッフやパートのおばさんにとても多いことに気がついたんです。

いわば、当社にとっては当たり前の行動なのではないか?と。

「困っているであろう人を想像して、勝手にお世話してあげる」

小さな町で、まがいなりにも50年クリーニング店が続いてきた理由は「おばさんのおせっかい」なのではないか、と。そこに思い至り「おせっかいなクリーニング店」というコンセプトを確立しました。
2015年ごろですね。

そして
「おばさんのおせっかい」
「おせっかいなクリーニング店」
とコンセプトを確立した後に作ったWEBサイトがこちら↓

ちなみに、この宅配クリーニングサービスをスタートした2014年のWEBサイトと比べてみると、

確実に、
After(現在)の方が刺さってくる。
と私は感じますがみなさんはいかがでしょうか?^_^

ちなみにBeforeのWEBサイト、これ決して悪くありません。
ちゃんとプロが作っている。
しかも、セールスコピーをある程度理解しているプロが。

でも、BeforeとAfterを比べてどちらの方がクリーニングを頼みたくなるかは、(私の場合)一目瞭然です。

私がこのBeforeとAfterの2つのWEBサイトで感じるのは、
マニュアルやフォーマットに沿ってコピーを書き、ベネフィットを伝えるだけのWEBサイトを作っていること自体が、もうちょっとやばいということ。

トップページに掲載されているコピー、
「おせっかい品質
創業60年の老舗クリーニング店が贈るおせっかいな宅配クリーニング」

この一文には、セールスコピーに必要な要素を含んだワードは、さほど掲載されていません。

だけど、このトップページに掲載されている一文と写真からは、このクリーニングサービスのストーリーが見えてきます。

安い、送料無料だけではなく、
「こんな職人さんがちゃんと丁寧に仕上げてくれるんだな。」
「細かいところにも気づいてくれるんだな。」
「だから創業60年も続いているんだな。」
「すごく信頼できそう。間違いなさそう。」
と感じることができますよね。

もちろんですが、この「おせっかい」が
他の全ての会社に必要というわけではありません。

本当に必要なのは、
現在の社長・東田さんが「当たり前」だと思っていた、お父様達のご家族の対応、職人さん、パートのおばちゃんが行なっている気使いが「実はうちの強みで、ストーリーとして語れる」と気付いたこと、ここをコンセプトにしようと気付いたこと、
このように「自分のストーリー」に気づくことなのではないかと思います。

送料無料も初回割引も、どのクリーニング店だってやっています。
それでは他社との差別化は難しいですよね。

だけど、
「細かいところに気づいてくれるちょっとおせっかいなおばちゃんを職人として抱えている、創業60年のクリーニング屋さん」は、他社に真似できるか?と言われればできません。今から追いつけません。

このように自分が「当たり前」と思っていたことが、実はお客様の心を掴むストーリーとなることがいっぱいあります。

このようなストーリーを商品やサービスを販売している方達にも気付いてほしいな、と思いますし私自身ももう一度自分の棚卸しをしてみるキッケケとなった記事を今日はご紹介しました^_^

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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