莫大な費用をかけて「周りに溶け込むデザイン」を作りたいのですか?の話

本ブログで以前もご紹介した「ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則」の中に、デザインについて言及されている箇所があったので、デザインも制作する私は改めてこの箇所を熟読しています。

(↓こちらの記事も合わせてお読みください^_^)

本当はナイショにしたい「文章力が上がる書籍」5選

本書は主にコピーライティングの執筆やポイントについて書かれているのですが、それに付随して「どんなレイアウトとビジュアルが1番注目されるか」ということが書かれています。

広告で最悪なのは、他でもない
気づいてもらえないことです。

気づいてもらえるようにするのが、私の本業でもあるデザイナーやアートディレクターの仕事ですが、「気づいてもらう方法」については、デザイナーになる前に通った学校では一切教えてくれず、全て実践の仕事を通じ学びました。

フリーランスになる前は、大手量販店用で販売される商品の販促POPやパッケージデザインを制作する会社に勤務していたので、そこで「気づいてもらうデザイン」の基礎を徹底的に叩き込み、その経験が今の私の原点となっています。

ご紹介した「ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則」の中に「売り込みが第1!芸術性は二の次」というタイトルが付けられたこんな一節があります。

アートのルールを広告に当てはめてどこが悪いのか。

それは芸術作品が目指しているのは、人の感覚に心地よく、周りに溶け込むことにある、という点だ。

公園のベンチはなぜオレンジ色ではなく緑に塗られているか。緑の方が美的だから、周りに溶け込む色だからだ。

しかし、周りに溶け込むような広告を広告主が望むだろうか。メーカーが雑誌のカラーページ広告に4万ドルも払って、ただ読者の美的感覚を逆なでしないようにと願うだろうか。

とんでもない。

相手を揺さぶり、クギづけにしたいのだ。

刺激して、行動に駆り立てるために。

また本書の中には、一人のデザイナーを例として挙げています。

そのデザイナーの女性は、広告業界に入りたての頃、美術学校で習ったことを活かし非常にセンスの良いレイアウトで広告を制作していました。

メインビジュアルに使う写真も全て「絵画の巨匠たち」の作品のようなものを選び、彼女のセンスは周りのデザイナーやアートディレクターは「とても優秀」だと認め、制作した広告は商業アート展で入賞するほどです。

ところが、彼女は自分の制作した広告に疑問を抱くようになり、タクシーの運転手さんや、お店の店員さんなど、普段アートやデザインに無関係の人たちに自分の制作した広告デザインを見せて、どれに一番惹かれるかテストを始めます。

すると多くの人が芸術性のない広告を選択していったんですね。

そして数百回のテストを重ねた後、彼女は
広告における芸術性は、注目を集めてセールスポイントをしっかり理解してもらうことに比べれば全く重要ではなく、時にはアートのルールをひっくり返さなければ、効果的な広告が作れないこともある、ということに気づきます。

もちろん、全て奇抜なものがいいというわけではありません。

大事なのは、
届いてほしいと思っている人に見つけてもらい、行動に移してくれるようなデザインを作ることです。

先日もこちらの記事に同じことを書きましたが、

こんなにかわいいデザインなのに酷評だった理由

デザインですから美しく処理する必要はもちろんあります。ですが美しいばかりを優先して、周りに埋もれてしまってはそれは商業デザインとしての役割を果たしていないのではないかなと思います。

広告を作るには時に多額の費用がかかります。
その費用を無駄にしないためにも、美しいデザインと行動を起こしてもらえるデザイン、どちらが大事なのか。費用を受け取る側の私としてはここをブレずにしっかりと軸を持ちながらこれからも仕事をしていきたいなと改めて思う今日この頃です。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

●過去の制作実績はコチラから
制作実績を見る
●グラフィックデザイン、セールスコピーライティングのご依頼はコチラから
お問い合わせフォーム
●Twitter
→@nishi_megumi_24

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA