デザインを起こす前大切にするべきたった一つのこと

デザイナーやコピーライターなどクリエイティブな仕事をしている人にとって、最も大切にしなければならないこと。

・感性
・技術
・表現力
・コミュニケーション力
・知識力

などなど大切なことはいろいろありますが、
私がこの仕事をスタートした15年前から最も大切にしている1つのことがあります。

それは
納期

納&期!

仕事をしていると、少々大げさな表現ですが「納期は健康の次に大事」くらい大切です。
ぶっちゃけてしまうと、健康よりも納期を優先させることもしょっちゅうあります。

それは何故か。
そのデザイナーがどんなに感性が豊かで技術があって、素晴らしい表現力があって、コミュ力も完璧、本を読んで勉強もして知識力抜群でも、納期に遅れてしまえば今上げた条件はほぼ全く役に立たない取り柄になります。

多分1回でほぼアウト、2回目は間違いなく完全アウトです。(会社の不渡りと同じです。2回目に不渡りがあればどんなに資産があっても倒産するというアレ)

全ては納期。
かと言って、間に合わないからいい加減なものを適当に出すなんてことはできません。
間違いない品質のものを納期通りに出す、これが当然のことです。

ああ、厳しいクリエイターの世界・・・。
でもどの職業の人にも「時間通りに間違いない品質のものを出す」というのは当たり前なので、クリエイターに限ったことではないですよね。

私の夫は調理師ですが、調理の世界はもっと厳しい。
どんな状況でも注文が入れば、間違いない品質のお料理を待たせることなくサーブしなくてはいけない、個人の事情でプロが出す料理の味が違うなんてあってはいけないことです。

話が少しそれましたが、
クリエイターが厳守しなければいけない納期。

思えば私がデザイナーに成り立てのころは、毎日迫り来る納期にいつもビクビクしていました。
また仕事が増えすぎて、どの仕事がいつ締め切りなのかわからなくなりパニックになったこともあります。

そんな中、私がビビらずに(今でもたまにビビっているけど)納期を管理していった過程をちょびっとご紹介したいと思います。

“体内時計”を常に整えておく

ここで申し上げている“体内時計”とは、朝○時に自動的に目が覚めるように・・・という生活内の時計のことではありません。

仕事のご相談をいただいた時、実際に依頼をいただいた時
この仕事なら何時間で完成させることができるか、という感覚を常に整えておくということです。

たとえば、ランディングページとA4サイズ両面のチラシの依頼を新規でいただいたとします。
原稿があるのが一番計算が整うのですが、大体の概要を伺った時点で、
・ランディングページは5時間
・A4チラシは2時間
で完成できるな・・・とある程度の時間配分を仕事を始める前に自分の中で決めておくのです。

そしてできるだけその時間内に終わることができるように集中して作る。

もしその時間に終わることができなかったら、その理由を自分にフィードバックします。
「思った以上に写真を探すのに時間がかかった」
「思った以上にここのデザインを作るのに時間がかかった」など原因を見つける、
そして次同じような仕事が来た時に備えて、空き時間(なかなか作るのは難しいですが重要)に準備をしておく。

写真を見つけることに時間がかかったのなら、使えそうな写真を先にストックしておく、
デザインに時間がかかったのなら参考資料を本屋やドラッグストアのパッケージから見つけておく、という風に時間に対して自分で対策をしていくのです。

最初に決めた時間と、実際に出来上がった時間の差が少なければ少ないほど、体内時計の感覚が整えっている証拠。
ポイントは、制作してから時間を決めるのではなく制作前に時間を決めるということです。

“体内時計”をすぐ見れるメモ帳に箇条書きにして書いておく

この“体内時計”をメモすることで、キャパオーバーになりそうな自分の心を何度も落ち着かせることができました。

・ランディングページ新規×1本=3時間
・A4チラシ両面×1本=1.5時間
・展示パネルの制作×1本=1時間
・先週制作したランディングページの修正×1本=1時間
・業者に印刷を手配しなければいけないもの×3本=30分

電話、メール、Facebookメッセンジャー、チャットワーク、スカイプ、Slack、redmaine・・・
以上の様々なツールで違う人からバラバラに連絡が来ると、たいしたことも頼まれていないのに、なんだか気持ちが焦ってしまいますので、このように紙に書き留めていきます。
すると、「あれ、意外と私まだヨユーあんじゃん♪」とポジティブな気持ちになることができます。

以前デザイナーとして勤務していた時の話です。
夜残業をしていたら後輩の女の子が急に泣き出しそうな顔で私に話しかけてきました。
「ニシさん、やることが多すぎて・・・もうどうしていいかわかりません・・・(T_T)」と。

その時、仕事を一時中断して20分ほど時間をとり、その子が抱えている仕事を全部紙に書き出して、一つづつ必要な時間を計算して、全部紙に書きました。
そして手伝いが必要なもの、一人でできそうなものを全部分けていったのですが、書き出した後彼女の顔色が随分良くなっていることに私は安心した思い出があります。

パニックになった時、紙に書き出すとその紙が急に全てを守ってくれるお守りになるような気がします。

逆算するクセをつける

リリース日・配布日・展示日が決まっている場合、その日はどう頑張っても動かすことはできません。
なので、依頼を伺った時点で日付が決まっている場合は、その日から逆算し自分の体内時計と照らし合わせて仕事を進めていきます。

複数人で仕事をする場合は、相手に迷惑がかからないよう、まずは自分のパートを必ず間に合わせるよう、自分に納期を課します。

依頼の話を聞いている間に、常に日付を逆算していく、
そしてどうしても難しい場合は、話し合いが終わる前にその旨を正直に伝えて解決策を一緒に探してもらうことも時には大事です。
「何時まで待ってもらえるのか」
「他に手伝ってくれそうな人はいないか」
「ここまでできた時点で先にデータを送ればとりあえずOKか」など、
自分で逆算していった答えを持って相手に相談すると、解決策はたくさん出てきますし仕事が順調に進みます。

デザインの内容を考えるのはその後。
とにかく納期を守るために、逆算して物事を考えるクセをつけておくと、急な仕事の依頼が来てもパニックにならずに対応できます(あまりに急なのは物理的に無理なこともありますが・・・)

以上が私がこれまで実践してきた且つ、今でも忘れずに実行している納期を守る術ですが、
仕事以外のことでも期日(納期)があることで、そこに向かって集中して物事を進められます。

納期さえなければ・・・とこれまで何度もきー!となってきましたが、
納期があるからこそ集中して良い仕事ができるのも事実かも。
そう考えれば、「納期」に対してすら感謝の気持ちを持つという悟りの境地に達することができそうです。

 

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