連載:現場一筋35年のシェフに学ぶ集客 ー「原価率」ではなく「価値率」を考えるー

以前から本ブログで掲載している
「現場一筋35年のシェフに学ぶ集客」シリーズ。

以前の連載はこちらからどうぞ

連載:現場一筋35年のシェフに学ぶ集客 ー感謝の表現の習慣化ー

この連載では、
惜しまれながらも2020年9月に閉店した、柏駅東口の二番街アーケードの入り口にあったパスタ&ピザのレストランモンテローザさんのシェフ・野口正春さんが、現場のスタッフのために残した「お客様に対する姿勢について」書かれたメモを元にし、本ブログ用に再編集した記事をご紹介しています。(本ブログには掲載許可をいただいています)

先日「心に残った食事」について
ちょっと触れましたが、

思い出に残る商品やサービスになるためには?の話

私の中で、

殿堂入り

とも言えるのが
モンテローザでいただいた
お料理達です^_^

打ち合わせの帰りに、
柏駅でお買い物した帰りに、
夫と、友達と、
知り合いと、両親と

何度も何度も
1年を通して利用させていただきました。

女友達とは、
美味しいコーヒーのおかわりを
繰り返しながら
最長5時間いたことがあります^^;
(↑メーワクな客でした・・・)

その理由は、
お料理の美味しさはもちろんだけど、

お店の雰囲気、
シェフやスタッフの温かい対応

が本当に大好きだったからです^_^

過去は
振り返らない

のが私のモットーですが、
今でも柏駅前の商店街を通ると、

もうお店ないのね(´;ω;`)

と、時折思い出してしまいます・・・。

さて、前置きが長くなりましたが

そんな大好きだったモンテローザの野口シェフが「現場視点」で、お店で働くスタッフさんのために残したメッセージ。

学びが多い文章なので、今でもたまに読み返しているのですが、今日は久しぶりにそのメッセージをこちらにシェアしたいと思います^_^

 

今日は、
「価値率」を考える
がテーマです。


100年に一度と言われる大不況下では、
街のあちこちで飲食店が
「営業中」の看板を
「テナント募集中」の看板に
変えてしまってます。

そんな時代に、
小さな飲食店が
「繁盛店」となっていくためには

これまでの成功事例、
これまでの一般的な常識に対して、
今一度
「これからもそのままで良いのか?」
という疑問の念を持ち、

全く新しい
「視点」と「思考」を
取り込む必要があります。

ここで、
古い常識を覆したいと思います。

それは、

「原価率」と言う常識を
「価値率」にチェンジする

ということです。

「料理に関して気にかけている数字は?」
と質問すると、

ほとんどの人が
「原価率」と答えると思います。

でも、よく考えてみてください。

この「原価率」という思考は、
完全に「店側の思考」
ではありませんか?

 

「この先、売り上げの上昇は
見込めないから
原価率を下げて利益を出そう」

と言う思考の果てが、

数々の偽装を導き出し、
何度もニュースになりました。

有名店の「食べ残しの使い回し」も
ショッキングな事でした。

勿論「原価率」がどうでもよい
と言っているのではありません。

ただ、もっと、
重要な視点があるのではないか
と言う事です。

それが、
従来の常識「原価率」に
対しての
「価値率」
なのです。

「価値率」とは、
お客様にとって
お得かどうかを計る数字です。

「価値率」は、
お客様が注文した料理の内容に対して、
お客様が実際に
いくらの価値を見出してくれるかを判断し、

そして、その価値価格と
実際価格から割り出したものです。

例えば、
お店で出している1000円の
パスタがあるとします。

そのパスタに対してお客様は、
いくらの価値を見だすかという事です。

仮に、お客様が
「800円程度だな」と思ったら、
このパスタの価値率

「800円÷1000円」ですから80%
ということになりますよね。

是非とも
自分自身が提供している料理を、
この「価値率」と言う
視点と思考で見つめなおして下さい。

脅すつもりではありませんが、
今までの
「原価率」では「合格点」の料理が、
ほとんど「不合格」の料理に
なるかもしれません。

原価率を下げる事ばかりに
気をとられ、

もっと重要な
「価値率」を
大幅に下げていることに
気付かない店が多すぎるのです。

原価率だけを見れば、
どの店舗だって低い方がいいに
決まっていますが、

この原価率の裏には、
お客様の「価値率」が
あるのを忘れないで下さい。

極論ですが、
お客様にとって
「店側都合」の原価率など

関係ありません。

自分が注文した料理が、
金額に見合う内容かどうか
という「価値率」こそが
お客様にとって重要
な事なのです。

価値率は高ければ
高いほど良いわけです。

理想としては、
100%超えですけどね。

そして、間違いなく

「繁盛店のほとんど」

「価値率が高いお店」

と言う方程式が成り立つはずです。

決して、

「ほとんどの繁盛店」

「価値率が低いお店」

ではないはずです。

あとは、
これを読んだ、あなたが
「価値率」を追究して

絶対に繁盛店に
するんだと言う

「覚悟」
があるか

それだけの事です。

ただ、価値率を上げると
原価率も上がってしまうと言う
固定観念は持たないでくださいね。
そんな事はないのですから。

小手先の販促、
小手先の経費削減をやる前に、
「価値率」を飛躍的に上げること
繁盛店コースになるはずです。

「価値率」を上げることが
「勝ち率」を上げる事になるのです。


 

いかがでしたでしょうか?

私たちフリーランスも
経営セミナーに出席すると

よく
「自分の時給を考えましょう」
と言われます。

確かに
自分の時給を考えることは大切です。

でも、それ以上に
私が相手に対して
与えられる価値
を、考えなければダメですよね。

昨年、
リピート率95%という
驚異の数字を持つ
エステサロンさんを
取材させていただいた時の話をして
本文を締めくくろうと思います。

そのサロンさんは
郊外にある小さな店舗にも関わらず
リピート率95%なので、
クーポン雑誌などに掲載せずとも
安定してお客様がいらっしゃいます。

そのエステサロンの施術は
初回は1000円なのだそう。

しかし、代表の方は

1000円でも
いつもと同じように
めちゃくちゃ
しっかり施術する。

とおっしゃっていたんですね。

1000円だから、このくらい。
1000円だから、テキトーに。
とか一切なし。

1000円でも
全身全霊で施術する
そうです。

すると、

その技術と心は
必ずお客様に伝わるので、

施術後にクロージングをかけると
95%のお客様が2回目、
もしくは2回目以降の予約を
入れて帰られるんですね。

原価率を下げる、
時間をかけずに楽にやる

ことももちろん大事なことですが、
その先に与えられる価値が
一体何なのか?

を改めて考えたいと思う、メッセージでした。

それでは今日はこのへんで

\お読みいただきありがとうございます/

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